フェアチャイルド AT−21ガンナー練習機

Fairchild AT-21 "Gunner"

合衆国陸軍航空隊

AT-21
AT−21(機首および背部に銃座の無い機体なのでXAT−14Aか?)

 米陸軍は第二次大戦勃発前にB−17などの 大型爆撃機を採用したが、その当時は爆撃機への自衛用火器の搭載は重要視されておらず、銃手の訓練も ほとんど行われていなかった(B−17の初期型であるB−17Bには自衛用機銃が5丁しか装備されていなかっ たことから、自衛用武装が重要視されていなかったことが判る)。第二次大戦が始まり、欧州から戦闘詳報が入る ようになると、自衛用武装の強化と密集編隊による濃密な弾幕が対迎撃機戦闘に有効であると認識され始めた。
 そこで米陸軍ではフェアチャイルド社に対し、爆撃機の全乗員に防御射撃時のチームワークを高める訓練を施せ る機体開発の指示を行った。フェアチャイルド社では1943年に2種類の原型機を完成させた。三車輪式の降着 装置を持つ双発単葉機で、木金混合構造の機体はフェアチャイルド社が特許を持つデュラモールド工法(あらかじ め成形して接着した合板を使用する工法)で製作されており、機首および背部に訓練用の銃座を装備することがで きた。
 2種類の原型機による試験の結果、AT−21の名称で量産型が採用され、新たに創設された航空射撃学校に配 備された。しかし方向安定性の悪さや振動問題から練習機として不向きとされ、また訓練用に通常の爆撃機改修型 が回せるようになった1944年には全機が訓練任務から退き、その後は標的曳航などの任務に従事している。

機体詳細データ(AT−21)
全長11.58m全高 4.00m
全幅16.05m翼面積35.12m2
自重3,930kg最大重量5,130kg
最高速度362km/h(高度3,660m)上昇限度6,750m
航続距離1,460km巡航速度315km/h
発動機レンジャー V-770-11/15 空冷倒立V型12気筒 520馬力×2基
乗員数5名(操縦士、副操縦士兼
射撃教官、生徒3名)
総生産機数177機
武装7.62mm機銃×3(機首1、背部2)
主要タイプ XAT-13:原型機の一つ。P&W R-1340-AN-1エンジン(450hp)搭載(1機)
XAT-14:原型機の一つ。V-770-6エンジン(520hp)搭載(1機)
XAT-14A:XAT-14の機銃座を撤去し、爆撃照準訓練機原型へ改修された後の呼称
AT-21:量産型の呼称。XAT-14に準ずるがV-770-11または-15エンジン搭載(175機)
QBX-3:無線操縦の無人飛行爆弾に改造されたAT-21の呼称。胴体内に1,800kgの爆薬(1機改修)