エアスピード AS.51/58ホーサ輸送グライダー

Airspeed AS.51/58 Horsa

英国空軍 他

Horsa Mk.I
英空軍のホーサMk.(AS.51)(主翼下から前方に伸びているワイヤーが曳航索である)

 第二次大戦初期のドイツ軍による侵攻作戦を見て、輸送グライダーの有効性を重視した英航空省は 来るであろう反攻の際に必要となる戦術輸送グライダーの仕様書X.26/40を発行し、エアス ピード社に対し一社特命で開発を指示した。
 同社では木製モノコック構造布張りの円筒形胴体に片翼配置の台形をした木製主翼を持つ機体を設 計した。降着装置は3車輪式だったが前輪・主脚とも固定式で、離陸の際の補助にしかならず着陸は 胴体着陸に近い形のものであった。機内に兵員20名前後を搭乗させることが可能だった。
 1941年9月に原型機の曳航飛行に成功したため早速量産に着手、木製機だったことが幸いして 英国内の家具メーカーや製材所の熟練木工技術者を総動員してスピーディに量産が進められた。
 最初に製造された機体では、大型貨物(車両や榴弾砲など)は後部胴体を分離して搭載する方法を 取っており積み降ろしに手間がかかったので、機首をヒンジで開く方式に改めた改良型が製作されて いる。改良型は機首部の改修による重量増に対応するため前輪がダブルとなっており、この点と曳航 索(ワイヤー)の取り付け位置の相違が初期型との(外見上の)識別点となっている。
 当グライダーの初陣は1942年11月に行われたノルウェーの独重水工場強襲(フレッシュマン 作戦)だったが、悪天候に見舞われ作戦は失敗、強襲部隊の生存者全員が捕虜になっている。
 その後シシリー島攻略やノルマンディ上陸で大規模に投入されており、また米陸軍も自軍の CG−4Aより大型だった当グラ イダーをマーケットガーデン作戦やライン川渡河作戦などに使用している。

機体詳細データ(ホーサMk.
全長20.43m全高 5.90m
全幅26.84m翼面積106.70m2
自重3,402kg最大重量6,917kg
最高速度241km/h(最大曳航速度)巡航速度160km/h(滑空速度)
発動機なし(他機による曳航飛行)
乗員数 2名総生産機数3,799機
武装武装なし(完全武装兵員20〜25名または1,500kgの物資を搭載可能)
主要タイプ Horsa Mk.I:初期型。社内モデル名AS.51。曳航索は主脚付け根に装着する(原型7機+2,231機)
Horsa Mk.II:改良型。社内モデル名AS.58。機首を横に開けるよう改良。曳航索は前輪付け根に装着(1,561機)
AS.52:胴体内に爆薬8,000lb(3,630kg)を搭載した滑空爆弾。Horsa Mk.I改修1機のみ
AS.53:動力グライダー。アームストロング・シドリ「チータ」Xエンジン(375hp)×2搭載。計画のみ