エアスピード AS.10オックスフォード練習機

Airspeed AS.10 Oxford

英国空軍 他

AS.10
英国空軍第14飛行訓練学校所属のAS.10オックスフォード

 1936年に英国航空省が出した仕様書T23/36により開発された双発練習機。創立間もない エアスピード社(1931年設立)としては軍の受注にからむチャンスだとして、これまで民間向け に実績のあるAS.6エンボイの 基本設計を流用した機体を提出し、1937年に136機もの制式発注を受けることに成功した。
 基本構成は操縦練習用の3座(正副操縦士(訓練生)+教官の計3名)であるが、機銃射手、爆撃 照準士、空撮カメラマン、航法士、無線士用などの座席を設置して機上作業練習機としても使用でき るよう設計されていた。
 1939年に第二次大戦が勃発すると、必要な航空要員を確保するため英連邦航空訓練計画 (British Commonwealth Air Training Plan (BCATP))が発動され当機の需要も急速に高まったのだ が、エアスピード社だけでは生産が需要に追いつかず、デ・ハビランド社やパーシバル航空機、スタ ンダード自動車などの工場でも生産が行われ、1945年7月の生産終了までに八千機を越える大量 の機体が生産され、英連邦各国のほかフランスやポルトガル、果てはアメリカ陸軍も当機を使用した。
 なおイギリス空軍の機体のうち、戦後余剰となった機体の多数がギリシア空軍やオランダ空軍へ譲 渡・売却されているほか、1950年代半ばにイギリス空軍を退役した機体もベルギー空軍へ売却さ れている。また一部の機体は民間輸送機(AS.65と同じ規格)に改修され、民間へ払い下げられ ている。

機体詳細データ(オックスフォードMk.V)
全長10.52m全高 3.38m
全幅16.26m翼面積32.33m2
自重2,572kg最大重量3,269kg
最高速度325km/h(高度1,250m)上昇限度6,400m
航続距離1,127km巡航速度200km/h台後半
発動機プラット&ホイットニーR-985「ワスプジュニア」空冷星形9気筒 450馬力×2基
乗員数3名+作業練習席総生産機数8,586機(8,751機説あり)
武装通常武装なし(Mk.は背部銃座に7.7mm機銃×1、爆弾250lb(110kg)搭載可能)
主要タイプ AS.10:当機のメーカー内総称
Oxford Mk.I:爆撃・射撃練習機型。アームストロング・シドリ「チーター」Xエンジン(375hp)搭載
Oxford Mk.II:操縦・航法・無線練習機型。搭載エンジンはMk.Iと同様
Oxford Mk.III:1機だけ製作された機体。「チーター」XVエンジン(425hp)搭載
Oxford Mk.IV:Mk.IIIの操縦練習機型。計画のみで製作されず。
          後にデ・ハビランド「ジプシークイーン」IVエンジンのテストベッド機に名称は引き継がれた
Oxford Mk.V:Mk.IIと同様の機体。P&W「ワスプジュニア」エンジン(450hp)搭載
AS.41:マイルズ社でアルヴィス・レオニーデスエンジンのテストベッド機として使われた機体の呼称
AS.65 Consul:戦後製作された民間向け6座輸送機タイプの名称