アラド Ar234爆撃機

Arado Ar234 "Blitz"

ドイツ空軍

Ar234B
戦後、連合軍に接収されたAr234B

 ドイツ空軍が出した高々度偵察機開発要求に応えてアラド社が1940年から開発を始めた機体で、1943年に 初飛行している。機体開発は順調に進んだが搭載するジェットエンジンの開発に手間取り、完成した機体はエンジン の完成を待って、18ヶ月も格納庫に置かれていたと言われる。
 飛行特性は「いくら褒めても褒めきれない」ほど優れており、当時の連合国戦闘機でこの機体に追いつける物は無 かったが、問題が全くないわけではなかった。それは降着装置で、最初の製造機体には主脚車輪が無く離陸は台車に 乗って滑走(台車は離陸後切り離される)、着陸時にはソリ状の着陸装置を使っていたため、平らな草地にしか着陸 できなかった。しかしこの降着装置は後期生産型ではタイヤ式に改められ(そのため胴体内部の燃料タンクが縮小さ れた)着陸時の不都合は無くなった。おもしろいのは後方に向けて装備された20mm機関砲で、操縦席上部につけた ペリスコープにより後方への照準をつけ、追撃機に対して射撃を行うことが出来た。
 ジェットエンジンによって高速を発揮し敵地深くへ侵入する敵状偵察に威力を発揮したほか、B型以降は爆撃照準 器が装備され爆撃機としても使用できるようになり、アルデンヌ攻勢以降活躍した。有名な戦果としてはレマゲン鉄 橋爆撃などがある。ただし当初は偵察機として設計された機体であったため、爆弾は主翼下や胴体下に吊り下げる形 でしか搭載できず、搭載量も最大1,500キログラムと多くなかった。
 また、実用前段階だったジェットエンジンを使用しているため、試験的な派生型原型が多いのもこの機体の特徴で、 エンジンを4基搭載したV6、V8、V13、V19等や丸い主翼を付けたV16、木製のスーパークリティカル翼 形をしたV26や層流翼を採用したV30などがある。

機体詳細データ(Ar234B−2)
全長12.64m全高 4.30m
全幅14.10m翼面積26.40m2
自重5,200kg最大重量9,850kg
最高速度740km/h(高度6,000m)上昇限度10,000m
航続距離1,630km巡航速度不明
発動機ユンカース 「ユモ」004B ターボジェット 静止推力890kg×2基
乗員数 1名総生産機数約240機(B型のみの数)
武装20mm機関砲×2、500kg爆弾×3または1,000kg爆弾×1もしくは1,000kg爆弾×1と250kg爆弾×2
主要タイプ Ar234:原型機を含む当機の総称。原型や試験型にはV〜の計画番号が付く
Ar234A:最初の生産予定型。降着装置は車輪式でなくソリ式
Ar234B-0:改良型原型。車輪式降着装置に改めて再設計された
Ar234B-1:高々度偵察機型。ごく少数が生産された
Ar234B-2:爆撃機型。標準生産タイプ
Ar234C:2連装エンジンポッドを持つ4発機型の総称
Ar234C-1:4発機型の高々度偵察機タイプ
Ar234C-2:4発機型の爆撃機タイプ。自衛用武装は持たない
Ar234C-3:機首部に20mm機関砲×2を装備。夜間戦闘機としても使用予定だった