アラド Ar196水上偵察機

Arado Ar196

ドイツ海軍 他

Ar196A-3
クレタ島に配備された第125海上偵察飛行隊所属のAr196A−3

 ドイツ海軍初の艦載水上偵察機であったハインケルHe60複葉機が 旧式化してきたため、ハインケル社に対して後継機製作が委託された。しかし、それに応じてハインケル社が製作 したHe114は海軍が出した要求を満たしておらず不十分であったため、海軍最高司令部は1936年10月に アラド社とフォッケ・ウルフ社に対して水上偵察機製作の要求を出した。
 フォッケ・ウルフ社が提出した草案は複葉機型のFw62であったが、アラド社が提出した案は低翼単葉の機体 Ar196だった。両社案を審査した結果、アラド社の案が採用され1937年に制式発注された。
 1939年から部隊配備が始まったAr196は操縦性の良さや信頼性の高さ、低翼でありながら下方視界が優 れているなどの利点から操縦士達に好評を持って迎えられた。
 ドイツ海軍では当機をポケット戦艦 「グラフ・シュペー」をはじ めとした大型艦への艦載水偵とした他、沿岸基地から発進する哨戒機としても使用し、ドイツ軍勢力圏が縮小した 大戦末期にはその活動範囲は狭まったものの終戦まで第一線で使用された。特筆すべき任務には1940年の英潜 「シール」拿捕の原因となった 攻撃や洋上哨戒を行う英空軍のホイットレー 爆撃機に対する妨害行動などがある。またフィンランド軍は当機を使用して敵陣後方への特殊部隊員輸送を行って いる。

機体詳細データ(Ar196A−3)
全長11.00m全高 4.45m
全幅12.40m翼面積28.74m2
自重2,990kg最大重量3,730kg
最高速度310km/h(高度4,000m)上昇限度7,000m
航続距離1,070km巡航速度255km/h
発動機BMW 132K 空冷星形9気筒 960馬力×1基
乗員数 2名総生産機数 541機
武装7.92mm機銃×2、20mm機関砲×2、50kg爆弾×2
主要タイプ Ar196A-0:生産前機10機の呼称。後部旋回機銃(7.92mm×1)のみ搭載
Ar196A-1:生産前機に小変更を加えた初期生産型。大型艦艇搭載水偵として使用
Ar196A-2:沿岸警備用。20mm機関砲×2、7.92mm機銃×1(前方固定)を追加
Ar196A-3:Ar196A-2の構造強化型。3翅可変ピッチプロペラ採用
Ar196A-4:Ar196A-3にカタパルト射出機構を搭載した型。Ar196A-1と順次交代
Ar196A-5:最終生産型。後部旋回機銃を7.92mm連装機銃に変更。無線装備改善
Ar196B-0:単フロート+補助フロート×2の生産前機。空力試験用機体
Ar196C:空力的に洗練化した再設計型。計画のみ