アームストロング・ホイットワース
AW41アルベマーレ輸送機

Armstrong Whitworth A.W.41 Albemarle

英国空軍 他

Albemarle
英国空軍のアルベマーレST(Mk.か?)

 英航空省が木金混合構造の中型双発爆撃機を欲し、1938年に発行した仕様書B18/38に 基づいて開発された機体。当初はブリストル社に開発指示が出されたが、途中でアームストロング ・ホイットワース社に変更された。原型1号機は1939年に完成した。木製および鋼管の構造に 合板張りという仕様に沿った機体で、イギリス機には珍しい三車輪式の降着装置を持っていた。尾 翼は双垂直尾翼で、自衛用として尾部銃座と背部銃座を持っている。機首部分シルエットの印象が ブレニウムボーフォートに似ているの は、当初ブリストル社が開発を行っていた名残ではないかと思われる。
 原型1号機は初飛行の離陸直後に墜落して喪われたため、原型2号機を使用した1940年3月 20日の飛行が公式に当機の初飛行とされている。この2号機を利用した飛行試験で、当機は思っ たより性能が低いことが判明した。これは木金混合構造により機体重量が増加したことが原因とさ れている。
 しかし第二次大戦が勃発し、1機でも爆撃機が欲しかった英航空省は当機の量産を決定、194 1年中盤から製造が開始された。ところが量産機を受領した英空軍では、当機の低性能ぶりに苦慮 し、実戦部隊への配備は見送られることになった。
 爆撃機として使用されなかった当機は、地上駐機時に胴体を水平に保てる三車輪式降着装置の特 性を生かし、輸送機へ改修されることになった。貨物輸送を行うGT(汎用輸送(General Transport) の略)と空挺輸送やグライダー曳航を行うST(特殊輸送(Special Transport)の略)の2機種が 改造もしくは新造され、1943年頃から前線に送られるようになった。シシリーやノルマンディ、 マーケットガーデン作戦などの侵攻任務に従事し活躍したが、終戦とともに順次退役していった。
 1942年秋にソビエトへ当機200機を供与する計画が持ち上がり、少数機が訓練用として送 られたが、ソビエト側は当機の輸送能力が低いことを理由に計画をキャンセルし、アメリカから C−47を調達している。

機体詳細データ(アルベマーレST Mk.
全長18.26m全高 4.75m
全幅23.47m翼面積74.65m2
自重10,251kg最大重量16,556kg
最高速度426km/h(高度3,200m)上昇限度5,486m
航続距離2,172km巡航速度274km/h
発動機ブリストル「ハーキュリーズ」XI 空冷星形複列14気筒 1,590馬力×2基
乗員数 4名総生産機数602機
武装7.7mm機銃×6(背部銃座4、腹部銃座2(極少数機のみ))、
爆弾倉に4,500lb(2,041kg)の爆弾搭載可能
主要タイプ A.W.41:原型機(2機)を含む当機のメーカー呼称
Albemarle Mk.I:爆撃機として製作された初期型。後にSTやGTに改修(42機)
Albemarle ST Mk.I:グライダー曳航が可能な特殊輸送型の初期生産型(新造78機)
Albemarle GT Mk.I:貨物輸送用の汎用輸送型初期型(新造80機)
Albemarle ST Mk.II:空挺兵10名を輸送可能とした特殊輸送機型(99機)
Albemarle GT Mk.II:汎用輸送型の改良型試作機(1機)
Albemarle Mk.III:エンジンをRRマーリンに変更した機体の計画。製作されず
Albemarle Mk.IV:エンジンをライト「ダブルサイクロン」(1,600hp)に変更した機体。試作のみ(1機)
Albemarle ST Mk.V:燃料投棄装置を装備した特殊輸送型(49機)
Albemarle ST Mk.VI:特殊輸送型の最終生産型。Mk.Vと差異は少ない(133機)
Albemarle GT Mk.VI:汎用輸送型の最終生産型。ST Mk.VI に準ずる(117機)