カーチス A−12シュライク攻撃爆撃機

Curtiss A-12 "Shrike"

合衆国陸軍航空隊

A-12
米陸軍航空隊のA−12

 1920年代末に米陸軍が出した攻撃爆撃機の要求仕様書により製作されたカーチスXA−8を 原型とする攻撃・軽爆撃機。1931年に初飛行したXA−8は、カーチス社初の全金属製低翼単 葉機として自動前縁隙間翼・後縁フラップなどの先進的機構を持っていたが、主翼は支柱・張線付 で主脚も大きなスパッツの付いた固定脚であるなど過渡期的な部分も多く見受けられる機体だった。
 A−8Aの名前で1932年に制式配備されたこの機体は米陸軍初の低翼単葉軽爆撃機として話題を振 りまいた(初の低翼単葉戦闘機であるボーイングP−26は 翌年配備開始された)。カーチス社は当機の売り込みに力を注いでおり「当機一個飛行隊は歩兵三 万人の火力に匹敵する」との誇張された喧伝も行われていた。しかし翌33年には、整備に手間が かかり信頼性の低い液冷エンジンや有用荷重の低さから改良型であるA−12が生み出されること になった。
 A−12はエンジンを稼働率やメンテナンス性の高い空冷星形のサイクロンエンジンに変更され ており、また操縦席と後部銃座の距離を近づけることで作業効率も高められている。残念ながら有 用荷重は改善しなかったものの、1939年頃まで第一線部隊で使用されている。
 第二次大戦開戦時には二線級に格下げされていたが、41年の真珠湾攻撃時にハワイ駐留部隊で は9機が現役として残っていた(ただし戦闘には参加していない)。また36年に中国国民政府が 出力を強化した輸出型20機を輸入しており、日中戦争では日本軍への攻撃任務に使用されている。

機体詳細データ(A−12)
全長 9.83m全高 2.84m
全幅13.41m翼面積26.38m2
自重1,768kg最大重量2,611kg
最高速度285km/h(海面高度)上昇限度4,620m
航続距離 820km巡航速度200km/h台前半
発動機ライト社製R-1820-21「サイクロン」空冷星形9気筒 690馬力×1基
乗員数2名総生産機数46機+20機(輸出用)
武装7.62mm機銃×5(前方固定4、後方旋回1)、100lb(45kg)爆弾×4又は30lb(13.6kg)爆弾×10
主要タイプ XA-8:要求仕様書に基づく原型機。カーチスV-1570Cエンジン(600hp)搭載
YA-8:XA-8の実用試験機モデル
Y1A-8:YA-8の生産前機モデル
Y1A-8A:Y1A-8のエンジンをV-1570-57エンジン(675hp)に換装した機体
A-8A:生産型呼称。V-1570-31エンジン(600hp)搭載
YA-10:YA-8のエンジンをP&W R-1690Dエンジン(625hp)に換装した機体
A-8B:米陸軍が発注したY1A-8Aの生産型。発注はA-12に変更されたため製造されず
A-12:エンジンを星形空冷に変更した機体。A-8Bの発注を切り替えて46機が製造された
Export Shrike:A-12の輸出型。SR-1820F-52エンジン(775hp)搭載。中国へ20機輸出