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バイタルパート (vital part)
 日本語では「(重要)防御区画」。軍艦(特に戦艦)は装甲を厚くすることで敵弾を防御しているが、艦砲の口径が拡大し威力が増してくると艦全体を分厚い装甲で防御することが不可能となってきた。そこで主砲弾薬庫や機関部など艦の戦闘行動に重要な区画を重点的に防御し、他の区画については装甲を薄くして排水量の増大を抑えるようにした集中防御方式が20世紀初頭から主流となっている。この重点的に防御される区画をバイタルパートと呼ぶ。
パイロン (pylon)
 1)航空機の翼下や胴体下部に取り付けられた張り出し(懸吊架)のこと。エンジンや兵装、燃料タンクなどを取り付ける。兵装や燃料タンクを搭載するためのパイロンには投下や発射のための信号を伝えるプラグが設置されている。緊急時にはこのパイロンごと兵装を投棄する事も可能な場合が多い。パイロンを使わずに直接機体や機体に固定されたレールなどに兵装を搭載することもある(「ハードポイント」と呼称する)。この場合も含めて当サイトでは『武装搭載点』と呼称している。
 2)飛行場などに設置されている目標塔。通常は目立つように赤白(もしくはオレンジ・白)に塗られた鉄塔であることが多い。滑走路への進入方向や旋回点を示す。
 1)航空機搭載エンジンの数を数えるときの単位。『発』は発動機の略。
 2)銃砲等の弾薬数・発砲数を数える時の単位。
バルカン (vulcan)
 複数の銃身を束ねてモーターで強制回転させることで高速発射を行う機関砲。火薬のみの動作よりも高速発射が可能で、強制回転のため不発があっても射撃が中断することもない。ジェネラルエレクトリック社が開発したM61の登録商標であるが、1860年代にジョージ・ガットリングが発明した手動(クランク)式多銃身銃に端を発するガトリング砲の総称としても通用している。20ミリ口径の銃身を6本束ねており、米軍ではF−104に採用したのが最初で、以降空中格闘戦用や自衛用として各種の戦闘機や爆撃機などに搭載されているほか艦艇の近接防空兵器システム(⇒CIWS)も当機関砲を使用している。⇒機銃・機関銃・機関砲、⇒ガトリング砲
バルジ (bulge)
 船体舷側水線部に設けられるふくらみのこと。舷側方向からの魚雷防御や船体重心を低下させ復原性を保持するために設けられる。ビルジ(船底湾曲部)と混同されることが多い。⇒ビルジ、⇒復原性
バンディット (bandit)
 敵機と確認された航空機を指す戦闘機操縦士の隠語。⇒ボギー
バンパイア (vampire)
 1)敵性の(対艦)ミサイル発射を察知した際に発する警報。発射されたミサイルを指す場合もある。米海軍の隠語。
 2)英デ・ハビランド社の単発ジェット戦闘機(1943年初飛行)。英空軍が初めて実戦配備した単発ジェット戦闘機である。⇒当サイト内紹介ページ



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ビルジ (bilge)
 1)船底湾曲(舷側から船底へのカーブ)部を指す。船体復原性に関わる部分であるためバルジと混同されることが多い。⇒バルジ、⇒復原性
 2)船底部に自然と溜まる水のこと。大概は油分や錆を含む汚水である。専用のポンプで排水する。
ビルジ・キール (bilge keel)
 ビルジ部に設けられる船底水平方向へ突出させた板状のもの。日本語では『湾曲部竜骨』。船体が横方向へ動揺するのを抑える効果がある。バルジと混同されることが多い。⇒バルジ
ビンゴ (bingo)
 米俗語では『正解』『当たり』などを表す言葉だが、空軍用語では現在位置から友軍基地まで無事に帰投するだけの必要最低限の燃料しか残っていない状態を指す言葉である。この状態で余計な行動(空中格闘戦やアフターバーナー点火による高機動など)をすると基地手前で燃料切れのため墜落することになる



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風防
 キャノピーの項を参照のこと。
フォックス (fox)
  空戦中に自機が攻撃を行うことを味方へ伝える符丁。使用する兵装によりフォックスの後ろに数字を付ける。分け方としては以下のとおり。
フォックス・ワン (Fox-One):ミサイル発射の際、友軍機に注意を促す符丁。米空軍/海軍ではセミアクティヴ/アクティヴレーダーホーミング・ミサイル(スパロー/AMRAAM)の発射。航空自衛隊の場合、中距離ミサイル(スパロー/AMRAAMなど)。
フォックス・ツー(Fox-Two):ミサイル発射の際、友軍機に注意を促す符丁。米空軍/海軍ではIRホーミング・ミサイル(サイドワインダー)の発射。航空自衛隊の場合、短距離ミサイル(サイドワインダーなど)。
フォックス・スリー(Fox-Three):ミサイル発射の際、友軍機に注意を促す符丁。米海軍ではフェニックスの発射。米空軍および航空自衛隊の場合は、機銃の発砲。
※詳細解説はフランカー@アキモトさんの投稿です。
復原性 (stability)
 船舶が推進方向軸に対して左右に傾いた後、傾きが元に戻る能力のこと。船体が軽く上部の構造物が重い場合は重心が高くなるため、ある程度傾くと転覆してしまう可能性が強くなる。この傾き角度が小さいのに転覆の危険がある船舶は「復原性が低い」と言い、逆に傾き角度が大きくても転覆せず元に戻ろうとする能力が発揮される船舶は「復原性が高い」と言う。高速を発揮し戦闘状態では無理な機動を行うことが多い軍用艦艇の場合、復原性は高い方が望ましいが、船体上部に兵装を搭載する関係から重心が高くなることは避けられず、設計者の悩みどころである。
フライ・バイ・ワイア (fly by wire)
 操縦装置から操舵面へ指示を伝えるのに古くは油圧などで直接伝えていたが、現代の機体では反応速度や操作時の労力の問題から操作指示を電気信号にして伝える方式が主流となっている。これをフライ・バイ・ワイヤと呼ぶ。伝わった電気信号を元にモーターやアクチュエータを動作させるため操縦桿はただのスイッチとなっている(動作感覚をフィードバックする装置が組み込まれている場合が多い)。最近ではさらに発展させ電気信号の替わりに光信号を伝えるフライ・バイ・ライト(fly by light)という方式もある。
フラッター (flutter)
 空気力や慣性力、弾性力などの相互干渉によっておこる航空機体の振動。ひどくなると機体の破損や制御不能などを引き起こし墜落に至る。
フラップ (flap)
 主翼の前縁または後縁に取り付けられた揚力を得るための装置。日本語では『下げ翼』と呼ぶ。飛行中等に作動させて翼面積を増したり、翼の反りを増して揚力係数を大きくする働きをする。第二次大戦当時の航空機は手動で操作したが、日本軍戦闘機の一部に装備されていた自動空戦フラップは失速しそうになると自動的にフラップが働くので、空戦時の旋回性能が格段に良かったといわれる。
フレア (flare)
 1)赤外線探知(熱線追尾式)ミサイルへの対抗手段として、航空機から発射(もしくは投下)される高熱を発する花火状の物体。航空機から離れた位置で高熱(および大量の赤外線)を発し、誘導ミサイルを引きつける役目を果たす
 2)着陸時、接地直前に落下エネルギーを減じるため機首を持ち上げる機動のこと
フレームアウト (flameout)
 ジェットエンジンへの空気供給が阻害され、エンジンの燃焼が停止した状態。再点火できなかった場合は墜落のおそれが生じる。



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ベア・トラップ (bear trap)
 ヘリコプターを着艦させる設備を持った艦艇に装着されている装置で、ヘリコプターを飛行甲板の正しい位置へ着艦させるために使用する。
兵站
 1)部隊の戦闘力を維持もしくは増強させ作戦を支援する機能。補給・整備・回収・輸送・衛生・建設等の総称。
 2)1のうち特に補給・輸送を指す言葉として狭義に使用されることもある。
ペイロード (payload)
 日本語に訳すと「有効荷重」。航空機や艦船、輸送車両などに搭載し運搬が可能な物資の量。人員・貨物の総重量で表される。航空機などは貨物室の容積も限られているため搭載物の密度によってはペイロードに満たない時点で搭載ができなくなることもある。



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方位角 (azimuth angle)
 真北を起点として時計回りに測った水平角(真東が90度、真南が180度、真西が270度となる)。もしくはある起点(主に進行方向など)から左右に測った水平角。
防空識別圏 (Air Defence Identification Zone)
 ADIZと略される。自国領土や自軍防衛線から離れた位置にある一定の広さを持つ空域。この空域内においては航空機の即座の識別や位置の探知・管制が要求される。
ボギー (bogy)
 国籍不明な航空機を指す戦闘機操縦士の隠語。一部の空軍では、まだ使用されているが基本的に古い言葉で、現在は「アンノゥン」の方が主流である。⇒バンディット、⇒アンノゥン
ホバリング (hovering)
 ヘリコプターや垂直離着陸機が空中で前後に移動せず一定の位置で遊泳すること。非常に燃費が悪く限界高度も低いが通常の固定翼航空機ができない行動であるため、便利な能力である。
ホーミング (homing)
 ミサイルや魚雷などが自動的に目標を追尾、命中する機能のこと。弾体自身からレーダー波やソナー音を発射しその反射を利用して追尾するアクティブ・ホーミング(地上や航空機から発するレーダー波やレーザー光の反射を利用する場合はセミ・アクティブ・ホーミングと呼ぶ)や熱源・音源などを探知して追尾するパッシブ・ホーミングがある。