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スペックデータ | ||
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排水量(水上):2,000t | 排水量(水中):2,600t | 全長:(全)103.94m |
出力(水上):4,500hp(主機のみ) | 出力(水中):2,400hp | 全幅:8.41m |
最大速力(水上):21.0kt | 最大速力(水中):8.0kt | 吃水:4.45m |
航続距離(水上):11ktで12,000浬 | 航続距離(水中):8ktで10浬 | 乗員数:56名 |
燃料搭載量:重油310t(90,935ガロン) | 安全潜行深度:60m | |
主機関:Busch-Sulzer製ディーゼル機関×4基(主機2,250hp×2、補機1,000hp×2)+Elliott製電動モーター×2基、2軸推進 (後に補機はBuEng製(MAN式)ディーゼル機関へ換装された) | ||
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バラクーダ[Barracuda] | バス[Bass] | ボニータ[Bonita] |
第一次大戦では比較的沿岸・近距離向けの小・中型潜水艦を潜水艦戦力の中心と考えていた米国海軍であったが、1917年度計画で一応遠距離向けの大型潜水艦”T”型が3隻だけ建造されている。しかし、当時のアメリカ造船業界は大型潜水艦の建造に慣れておらず、完成した”T”型は信頼性が低く運用コストは高かったので1930年の軍縮条約によりあっさりと廃棄されてしまった。
”T”型の建造運用実績を教訓に第一次大戦終結後に計画建造された大型潜水艦が当クラスで、竣工当初こそ記号番号の艦名であったものの、後に艦番号との混同を避けるために固有艦名を名付けた米国海軍最初の潜水艦となった。2,000トンと大型の船体を持っているため航洋性能も高く、広大な太平洋を活動域と考えられていたので航続力や居住性もこれまでの小・中型潜水艦に比べ格段に向上している。水上速力を高めるための尖った艦首(鮫の鼻先に似ていることからシャークノーズもしくはシャークヘッドと呼ばれる)が特徴的なスタイルをしている。なお建造当初5インチ砲だった艦載砲は艦の安定性向上のため1920年代末に軽量な3インチ砲へ換装されている。機関は水上航行用の主機とバッテリー発電用の補機が搭載されており、主機でスクリューを直接駆動させる水上航行では20ノットを超える高速を発揮した。
しかし当クラスに対する軍部の評価は低く第一線任務向けではないとされ、1930年代半ばには予備役艦とされてしまった。第二次大戦が始まると兵装や一部機関を撤去して輸送用潜水艦に改造することが計画されたが、これは実現することはなかった。
バラクーダ(”V−1”)型潜水艦の歴史 | |
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バラクーダ[Barracuda] (SF-4/SS-163) | |
1921年10月20日 | ポーツマス海軍工廠[Portsmouth Naval Shipyard]にて起工 |
1924年 7月17日 | 進水 |
10月 1日 | 「V−1」の名で竣工。艦番号SF−4 |
本土東海岸およびカリブ海、ハワイ近海等にて任務に従事 | |
1931年 3月 9日 | 艦名を「バラクーダ」と改名。同年7月1日SSナンバーを付与される |
1937年 7月14日 | 退役。予備役艦としてフィラデルフィアに係留される |
1940年 9月 5日 | 再就役。カリブ海や太平洋にて哨戒任務に従事 |
1945年 3月 3日 | 退役。同年11月16日除籍、スクラップとして売却される |
バス[Bass] (SF-5/SS-164) | |
1921年10月20日 | ポーツマス海軍工廠にて起工 |
1924年12月27日 | 進水 |
1925年 9月26日 | 「V−2」の名で竣工。艦番号SF−5 |
本土東海岸およびカリブ海、ハワイ近海等にて任務に従事 | |
1931年 3月 9日 | 艦名を「バス」と改名。同年7月1日SSナンバーを付与される |
1937年 6月 9日 | 退役。予備役艦としてフィラデルフィアに係留される |
1940年 9月 5日 | 再就役。大西洋および太平洋にて哨戒・船団護衛などに従事 |
1942年 8月17日 | バッテリー室火災のため行動不能となり、コスタリカへ曳航される |
1943年〜 | フィラデルフィア海軍工廠にて修理を実施。修理完了後は試験・実験任務に従事 |
1944年 4月〜 | 大西洋方面の哨戒任務に従事 |
1945年 3月 3日 | 退役。同月10日除籍、同月12日実艦標的として使用され沈没 |
ボニータ[Bonita] (SF-6/SS-165) | |
1921年11月16日 | メアーアイランド海軍工廠[Mare Island Naval Shipyard]にて起工 |
1925年 6月 9日 | 進水 |
1926年 6月22日 | 「V−3」の名で竣工。艦番号SF−6 |
本土東海岸およびカリブ海、ハワイ近海等にて任務に従事 | |
1931年 3月 9日 | 艦名を「ボニータ」と改名。同年7月1日SSナンバーを付与される |
1937年 6月 4日 | 退役。予備役艦としてフィラデルフィアに係留される |
1940年 9月 5日 | 再就役。太平洋にて哨戒・船団護衛などに従事 |
1945年 3月 3日 | 退役。同月10日除籍。同年10月28日スクラップとして売却される |