PT−20型(エルコ77’型) 高速魚雷艇

"PT-20"(ELCO 77') Class Motor Torpedo Boat

アメリカ海軍 他 アメリカ海軍 イギリス海軍


PT-30
「PT−30」(1942年)
スペックデータ
排水量:(基)35t ボイラー:−−−−− 燃料搭載量:ガソリン3,000米ガロン
             (11,356リットル)
全長:(全)23.47m
全幅:6.07m 主機:Packard ガソリンエンジン×3基、3軸推進
吃水:1.37m
出力:4,050hp
武装:
12.7mm連装機銃2基、53.3cm魚雷単装発射管4基(艇によっては
同発射管2基と対潜爆雷2〜8個を搭載(投下ラック2))
(一部艇は70口径20mm単装機関砲1基を追加搭載)
最大速力:45.0kt
航続距離:不明
乗員定数:17名

同型艦名(49隻:連番の艇は中略して記述しています)
PT−20〜68 [PT-20 - PT-68]

PT−20型(エルコ77’型)高速魚雷艇について

 米エルコ(ELCO)社が初めて量産した70フィート型(「PT−10」型)に続いて建造した高速魚雷艇(PTボート)。1940年にイギリスから輸入したBPB社[British Power Boat Company]製の高速魚雷艇「PT−9」を参考に設計が行われている。
 船体は70フィート型に比べ若干大型化しているが機関に変更はなく、搭載武装も魚雷が大型化したのみで大きな変化は見られなかった。操縦性にも問題は無かったが構造的に弱い部分があり、水深の浅い沿岸域などでは船体の動揺が激しく、また上甲板にひび割れを起こすこともあったという。

 対日戦が勃発した1941年12月の時点でアメリカ海軍の高速魚雷艇は当クラスを29隻保有しているのみで、その艇もハワイ、パナマ、マニラの3カ所に分散している状況であった。ハワイの第1魚雷艇隊は真珠湾攻撃から6ヶ月ほどはハワイで行動し、その後ミッドウェーへ派遣された。元の保有艇(「PT−10」型)をイギリスへ貸与したため当クラスの艇に更新された第2魚雷艇隊は開戦と同時にパナマ運河の防備を固めている。戦争緒戦でもっとも過酷な戦場を戦ったのはフィリピンのマニラにあった第3魚雷艇隊で、彼らは日本軍のマニラ侵攻によりバターン半島へ撤退、1942年3月にはマッカーサー大将以下司令部をミンダナオ島へ脱出させる活躍を見せている。
 当クラスは最終的に49隻の姉妹艇が建造されているが、うち10隻はイギリスへ貸与されている。イギリスへ貸与された艇の経歴については別項も参照のこと。


注意!「省略型で記述しているため他のページとは年表の形が異なります。年月日は総て西暦表示です。」
造船所略号
 ELCO = エレクトリック・ランチ(エルコ)社 [Electric Launch Company(ELCO)]  
国名略称(略称に続く「 」内は貸与等後の艦名)
アメリカ海軍 = アメリカ イギリス海軍 = イギリス    
PT−20型(エルコ77’型)高速魚雷艇の歴史
艦名造船所起工進水竣工戦歴など
PT−20 [PT-20]ELCO'40.10.14'41.03.14'41.06.09パナマ、ミッドウェー、アリューシャンにて行動。'44.12.22退役
PT−21 [PT-21]ELCO'40.12.02'41.04.11'41.06.13ソロモン諸島方面にて行動。'43.10.11退役
PT−22 [PT-22]ELCO'40.12.12'41.04.18'41.06.21カリブ海およびアリューシャンにて行動。'43.06.11アダック島にて荒天のため大破、放棄
PT−23 [PT-23]ELCO'40.12.17'41.04.24'41.06.25ハワイ、ミッドウェー、フィリピンにて行動。'43.10.06雑役艇へ類別変更。艇名を「C55047」と改名。'44.12.10日特攻機の体当たりを受け沈没
PT−24 [PT-24]ELCO'40.12.27'41.04.30'41.06.21カリブ海、ハワイ、ミッドウェーにて行動。'44.12.09雑役艇へ類別変更
PT−25 [PT-25]ELCO'41.01.06'41.05.05'41.06.11ハワイ、ミッドウェー。南洋諸島にて行動。'43.10.06雑役艇へ類別変更。艇名を「C55048」と改名。以降の消息不明
PT−26 [PT-26]ELCO'41.01.30'41.05.10'41.06.18'43.10.06雑役艇へ類別変更。艇名を「C55049」と改名
PT−27 [PT-27]ELCO'41.02.12'41.05.15'41.06.27ハワイ、ミッドウェー、アリューシャンにて行動。'44.12.12雑役艇へ類別変更
PT−28 [PT-28]ELCO'41.02.20'41.05.20'41.06.30ハワイ、ミッドウェー、アリューシャンにて行動。ウニマク島ドラ湾にて荒天のため遭難沈没
PT−29 [PT-29]ELCO'41.02.28'41.05.24'41.07.02ハワイ、ミッドウェー、アリューシャンにて行動。'44.12.22退役
PT−30 [PT-30]ELCO'41.03.07'41.05.28'41.07.03ハワイ、ミッドウェー、アリューシャンにて行動。'44.03.06退役。'47年売却
PT−31 [PT-31]ELCO'41.03.13'41.06.02'41.07.08フィリピンにて行動。'42.01.20スービック湾にて日本軍による捕獲をおそれ破壊自沈
PT−32 [PT-32]ELCO'41.03.19'41.06.06'41.07.10フィリピンにて行動。'42.03.13マッカーサー司令部要員のフィリピン脱出中にタガナヤン[Taguayan]島沿岸にて機関故障のため行動不能となり自沈(米潜「パーミット」の砲撃による自沈処分とする説あり)
PT−33 [PT-33]ELCO'41.03.25'41.06.10'41.07.11当初機動駆潜艇「PTC-13」として起工。'41.03月末魚雷艇へ類別変更。艇名を「PT-33」と改名。ハワイ、フィリピンにて行動。'41.12.26サンチャゴ岬[Cape Santiago]にて座礁大破の後、放棄自沈
PT−34 [PT-34]ELCO'41.03.29'41.06.14'41.07.12当初機動駆潜艇「PTC-14」として起工。'41.03月末魚雷艇へ類別変更。艇名を「PT-34」と改名。フィリピンにて行動。'42.04.08セブ島東岸にて日軽巡(「球磨」と推定)を雷撃(2発命中と記録されているが、日本側の記録では爆発せず損傷なしとなっている)。'42.04.09セブ島Cauit(Kawit) Island付近で日軍機の攻撃を受け沈没
PT−35 [PT-35]ELCO'41.04.03'41.06.19'41.07.16当初機動駆潜艇「PTC-15」として計画。'41.03月末魚雷艇へ類別変更。艇名を「PT-35」と改名。フィリピンにて行動。'42.04.12セブ島にて日本軍の捕獲をおそれ自沈
PT−36 [PT-36]ELCO'41.04.08'41.06.21'41.08.27当初機動駆潜艇「PTC-16」として計画。'41.03月末魚雷艇へ類別変更。艇名を「PT-36」と改名。パナマ、南洋諸島にて行動。'44.04.15雑役艇へ類別変更。艇名を「C73944」と改名
PT−37 [PT-37]ELCO'41.04.12'41.06.25'41.07.18当初機動駆潜艇「PTC-17」として計画。'41.03月末魚雷艇へ類別変更。艇名を「PT-37」と改名。南洋諸島などで行動。'43.02.01ガダルカナル島エスペランス岬沖にて日駆「江風」の砲撃を受け大破(後に沈没?)
PT−38 [PT-38]ELCO'41.04.17'41.06.28'41.07.18当初機動駆潜艇「PTC-18」として計画。'41.03月末魚雷艇へ類別変更。艇名を「PT-38」と改名。'44.02.06雑役艇へ類別変更。艇名を「C68730」と改名
PT−39 [PT-39]ELCO'41.04.22'41.07.02'41.07.21当初機動駆潜艇「PTC-19」として計画。'41.03月末魚雷艇へ類別変更。艇名を「PT-39」と改名。'44.10.20雑役艇へ類別変更
PT−40 [PT-40]ELCO'41.04.25'41.07.07'41.07.22当初機動駆潜艇「PTC-20」として計画。'41.03月末魚雷艇へ類別変更。艇名を「PT-40」と改名。パナマ、南洋諸島にて行動。'44.04.15雑役艇へ類別変更。艇名を「C73995」と改名
PT−41 [PT-41]ELCO'41.04.30'41.07.08'41.08.12当初機動駆潜艇「PTC-21」として計画。'41.03月末魚雷艇へ類別変更。艇名を「PT-41」と改名。フィリピンにて行動。'42.03.11マッカーサー将軍がフィリピン脱出の際に搭乗。'42.03.13ミンダナオ島カガヤンへマッカーサーを送り届ける。'42.04.08セブ島東岸にて日軽巡(「球磨」と推定)を雷撃、命中させるも不発。'42.04.13消耗した魚雷の補給ができず丸腰となったため陸軍へ移管(雑役船として利用)。'42.04.15日本軍の捕獲をおそれ自沈
PT−42 [PT-42]ELCO'41.05.05'41.07.12'41.07.25当初機動駆潜艇「PTC-22」として計画。'41.03月末魚雷艇へ類別変更。艇名を「PT-42」と改名。パナマ、南洋諸島にて行動。'44.12.12退役
PT−43 [PT-43]ELCO'41.05.14'41.07.16'41.07.26当初機動駆潜艇「PTC-23」として計画。'41.03月末魚雷艇へ類別変更。艇名を「PT-43」と改名。ハワイ、ミッドウェー、アリューシャン、南洋諸島にて行動。'43.01.11ガダルカナル島沖にて日駆「時津風」と交戦、砲撃を受け大破。航行不能となり自沈
PT−44 [PT-44]ELCO'41.05.17'41.07.18'41.07.30当初機動駆潜艇「PTC-23」として計画。'41.03月末魚雷艇へ類別変更。艇名を「PT-43」と改名。パナマ、南洋諸島にて行動。'42.12.12ガダルカナル沖にて日駆「江風」「涼風」と交戦、砲撃を受け沈没
PT−45 [PT-45]ELCO'41.05.21'41.08.06'41.09.03パナマ、南洋諸島にて行動。'44.04.15雑役艇へ類別変更
PT−46 [PT-46]ELCO'41.06.02'41.08.09'41.09.06パナマ、南洋諸島にて行動。'44.04.29雑役艇へ類別変更。艇名を「C74095」と改名
PT−47 [PT-47]ELCO'41.06.04'41.08.14'41.09.09パナマ、南洋諸島にて行動。'44.10.14雑役艇へ類別変更。艇名を「C102583」と改名。'45.03.03フィラデルフィアの海軍基地へ移管。モスボール保管手法の実験に使用。'47.03.21保管実験終了、以降の消息不明
PT−48 [PT-48]ELCO'41.06.06'41.08.21'41.09.15パナマ、南洋諸島にて行動。'44.08.07魚雷艇隊訓練センター(第4魚雷艇隊)へ転属。'44.10.14雑役艇へ類別変更
PT−49 [PT-49]ELCO'41.06.12'41.08.26'42.01.20'41.07月貸与用として艇名を「BPT-1」と改称。'42.02.04イギリス海軍「MTB307」。'45.03.10退役、返還。'45.11月対外精算委員会[Foreign Liquidation Commission]へ移管。'47.02月売却イタリア海軍訓練魚雷回収船「GIS-0019」となる
PT−50 [PT-50]ELCO'41.06.17'41.08.29'42.01.22'41.07月貸与用として艇名を「BPT-2」と改称。'42.02.04イギリス海軍「MTB308」
PT−51 [PT-51]ELCO'41.06.23'41.09.03'42.02.09'41.07月貸与用として艇名を「BPT-3」と改称。竣工時イギリス海軍「MTB309」。'45.09月返還。'45.10月解体
PT−52 [PT-52]ELCO'41.06.26'41.09.08'42.02.10'41.07月貸与用として艇名を「BPT-4」と改称。竣工時イギリス海軍「MTB310」
PT−53 [PT-53]ELCO'41.07.01'41.09.12'42.02.23'41.07月貸与用として艇名を「BPT-5」と改称。竣工時イギリス海軍「MTB311」
PT−54 [PT-54]ELCO'41.07.07'41.09.16'42.02.23'41.07月貸与用として艇名を「BPT-6」と改称。竣工時イギリス海軍「MTB312」
PT−55 [PT-55]ELCO'41.07.10'41.09.22'42.02.28'41.07月貸与用として艇名を「BPT-7」と改称。竣工時イギリス海軍「MTB313」。'46.03.15退役、返還。'46.3.28除籍。'47.01月対外精算委員会へ移管
PT−56 [PT-56]ELCO'41.07.15'41.09.25'42.02.28'41.07月貸与用として艇名を「BPT-8」と改称。竣工時イギリス海軍「MTB314」
PT−57 [PT-57]ELCO'41.07.18'41.09.30'42.03.07当初機動駆潜艇「PTC-25」として計画。'41.06月末魚雷艇へ類別変更。艇名を「PT-57」と改名。'41.07月貸与用として艇名を「BPT-9」と改称。竣工時イギリス海軍「MTB315」
'45.10.03退役、返還。'45.11月対外精算委員会へ移管。
'47.02月売却イタリア海軍訓練魚雷回収船「GIS-0020」となる
PT−58 [PT-58]ELCO'41.07.22'41.10.03'42.02.23当初機動駆潜艇「PTC-26」として計画。'41.06月末魚雷艇へ類別変更。艇名を「PT-58」と改名。'41.07月貸与用として艇名を「BPT-10」と改称。竣工時イギリス海軍「MTB316」
PT−59 [PT-59]ELCO'41.07.26'41.10.08'42.03.05当初機動駆潜艇「PTC-27」として計画。'41.06月末魚雷艇へ類別変更。艇名を「PT-59」と改名。起工後貸与用として艇名を「BPT-11」と改称。'41年秋に貸与キャンセル。艇名を「PT-59」に戻す。南洋にて行動。'42.12.09ガダルカナル島カミンボ湾沖にて日潜「イ−3」を雷撃、撃沈。
'44.08.07魚雷艇隊訓練センター(第4魚雷艇隊)へ転属。'44.10.14雑役艇へ類別変更。艇名を「C102584」と改名。'44.12.15フィラデルフィアの海軍基地へ移管。モスボール保管手法の実験に使用。'47.03.21保管実験終了。後に売却処分
PT−60 [PT-60]ELCO'41.07.30'41.10.11'42.02.25当初機動駆潜艇「PTC-28」として計画。'41.06月末魚雷艇へ類別変更。艇名を「PT-60」と改名。起工後貸与用として艇名を「BPT-12」と改称。'41.12月に貸与キャンセル。艇名を「PT-60」に戻す。南洋諸島にて行動。
'44.04.21退役
PT−61 [PT-61]ELCO'41.08.02'41.10.15'42.02.19当初機動駆潜艇「PTC-29」として計画。'41.06月末魚雷艇へ類別変更。艇名を「PT-61」と改名。起工後貸与用として艇名を「BPT-13」と改称。'41.12月に貸与キャンセル。艇名を「PT-61」に戻す。南洋諸島にて行動。
'44.02.16雑役艇へ類別変更。艇名を「C68371」と改名
PT−62 [PT-62]ELCO'41.08.06'41.10.20'42.02.10当初機動駆潜艇「PTC-30」として計画。'41.06月末魚雷艇へ類別変更。艇名を「PT-62」と改名。起工後貸与用として艇名を「BPT-14」と改称。'41.12月に貸与キャンセル。艇名を「PT-62」に戻す。南洋諸島にて行動。
'45.01.20退役
PT−63 [PT-63]ELCO'41.08.09'41.10.23'42.02.07当初機動駆潜艇「PTC-31」として計画。'41.06月末魚雷艇へ類別変更。艇名を「PT-63」と改名。起工後貸与用として艇名を「BPT-15」と改称。'41.12月に貸与キャンセル。艇名を「PT-63」に戻す。南洋諸島にて行動。
'44.06.18ニューアイルランド島にて給油中に出火、艇内火災により大破、放棄
PT−64 [PT-64]ELCO'41.08.13'41.10.28'42.01.28当初機動駆潜艇「PTC-32」として計画。'41.06月末魚雷艇へ類別変更。艇名を「PT-64」と改名。起工後貸与用として艇名を「BPT-16」と改称。'41.12月に貸与キャンセル。艇名を「PT-64」に戻す。パナマ、南洋諸島にて行動。'44.06.18艇内火災のため全損。'45.01.20除籍
PT−65 [PT-65]ELCO'41.08.16'41.10.31'42.01.24当初機動駆潜艇「PTC-33」として計画。'41.06月末魚雷艇へ類別変更。艇名を「PT-65」と改名。起工後貸与用として艇名を「BPT-17」と改称。'41.12月に貸与キャンセル。艇名を「PT-65」に戻す。パナマ、南洋諸島にて行動。'45.01.20退役
PT−66 [PT-66]ELCO'41.08.20'41.11.05'42.01.22当初機動駆潜艇「PTC-34」として計画。'41.06月末魚雷艇へ類別変更。艇名を「PT-66」と改名。起工後貸与用として艇名を「BPT-18」と改称。'41.12月に貸与キャンセル。艇名を「PT-66」に戻す。パナマ、南洋諸島にて行動。'45.02.23雑役艇へ類別変更
PT−67 [PT-67]ELCO'41.08.23'41.11.08'42.01.19当初機動駆潜艇「PTC-35」として計画。'41.06月末魚雷艇へ類別変更。艇名を「PT-67」と改名。起工後貸与用として艇名を「BPT-19」と改称。'41.12月に貸与キャンセル。艇名を「PT-67」に戻す。南洋諸島にて行動。
'43.03.17ニューギニア島タフィにて給油中に出火、艇内火災により大破、放棄
PT−68 [PT-68]ELCO'41.08.27'41.11.13'42.01.13当初機動駆潜艇「PTC-36」として計画。'41.06月末魚雷艇へ類別変更。艇名を「PT-68」と改名。起工後貸与用として艇名を「BPT-20」と改称。'41.12月に貸与キャンセル。艇名を「PT-68」に戻す。南洋諸島にて行動。
'43.10.01フィンケ岬[Vincke Point](ニューギニア島)沿岸にて座礁。行動不能となり日本軍の捕獲をおそれ自沈


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