ファラガット(2代)型 駆逐艦

"Farragut(2)" Class Destroyers

アメリカ海軍 アメリカ海軍


USS DD348 Farragut(2)
スペックデータ(排水量は個々で差異があるため概ねの平均値とした)
排水量:(基)1,380t ボイラー:Yarrow罐・重油専焼×4基 燃料搭載量:重油600t
全長:(全)104.00m
全幅:10.43m 主機:Curtiss式ギヤードタービン×2基、2軸推進
吃水:5.96m
出力:42,800hp(計画値)
武装:
38口径5inch単装砲5基、12.7mm単装機銃4基、21inch魚雷4連装
発射管2基、爆雷14個搭載(投下軌条2)
※WW2後半以降は主砲1基を減じ、40mmボフォース連装機関砲2基、
20mmエリコン単装機関砲6基を追加搭載している
最大速力:36.5kt
航続距離:12ktで6,500浬
乗員定数:160〜250名

同型艦名(8隻)
ファラガット(2代)[Farragut(2)]デューイ[Dewey]ハル(2代)[Hull(2)]
マクドナー(2代)[Macdonough(2)]ワーデン(2代)[Worden(2)]デール(2代)[Dale(2)]
モナハン(2代)[Monaghan(2)]エイルウィン[Aylwin] 

ファラガット(2代)型駆逐艦について
 第一次大戦末期になって平甲板型(フラッシュデッカー)駆逐艦を大量に建造したアメリカ海軍では、大量のこれら駆逐艦を大戦終結後も維持するため負担となる駆逐艦の新造を一時中止することになった。これには1920年代末の世界大恐慌による影響も含まれていたが、1920年代になって次々と竣工する日本海軍の新造駆逐艦に危機感を抱いたアメリカ海軍は補助艦艇にまで制限を加えるロンドン条約を支持し、条約締結を待って日本駆逐艦に対抗できる駆逐艦の建造を開始したのであった。
 条約による制限のもと、艦隊直衛と水雷戦隊行動の両方をこなせる比較的小型の艦として設計されたこれらの艦は、対水上艦への攻撃力強化として5インチ砲(この砲は対空戦闘も視野に入れた両用砲であった)を主砲として採用し、砲門数を増やすため艦の前後に背負い式配置とするなど強力な砲熕兵装を搭載している。だが対潜能力はソナーこそ搭載されたものの、爆雷搭載数の減少や投射機の廃止などにより縮小されてしまっている。また外洋を高速航行する艦隊に追随する必要があるので、航洋性を高める ため船首楼型へ艦型は戻っており、過剰な砲熕兵装と相まってトップヘビーの傾向が現れてきている。
 当クラスの艦型や兵装配置は以降建造される米海軍駆逐艦のプロトタイプとして、第二次大戦勃発後に計画された「フレッチャー」型(このクラスから生産性向上のため平甲板型に戻った)が登場するまで、米海軍駆逐艦のスタンダードな形状となった。
 なおトップヘビー傾向が高いことが災いしたのか、姉妹艦8隻のうち2隻が台風によって喪われている。

ファラガット(2代)型駆逐艦の歴史
ファラガット(2代)[Farragut(2)] (DD-348)
1932年 9月20日ベスレヘム鉄工クインシー造船所にて起工
1934年 3月15日進水
      6月18日竣工
1935年〜カリブ海や太平洋(本土西海岸、アラスカ、ハワイ)などで訓練任務に従事
1941年12月 7日真珠湾にて日本軍機の攻撃を受けるが損傷軽微
1942年〜太平洋にて護衛任務や哨戒任務に従事
      5月〜珊瑚海海戦、第2次ソロモン海戦などに参加
1943年 5月〜アラスカ、アリューシャン海域にて哨戒任務に従事、キスカ攻略を支援
      5月12日アッツ島近海にて日潜「イ−31」を撃沈(他艦と共同)
     10月〜南太平洋へ転戦、タラワ、クェゼリン、エニウェトク攻略を支援
1944年 6月〜サイパン、グアム、フィリピン、台湾、硫黄島、沖縄攻略を支援
1945年10月23日退役、47年1月28日除籍後スクラップとして解体処分される
デューイ[Dewey] (DD-349)
1932年12月16日バス鉄工所にて起工
1934年 7月28日進水
     10月 4日竣工
1935年〜カリブ海や太平洋(本土西海岸、アラスカ、ハワイ)などで訓練任務に従事
1941年12月 7日真珠湾にてオーバーホール中に日本軍機の攻撃を受ける
損傷皆無だったため即時近海の哨戒活動のため出動する
     12月15日ウェーキ島掩護のため出撃するが、23日に占領されてしまったため任務中止
1942年〜南太平洋にて護衛任務や哨戒任務に従事
      5月 7日珊瑚海海戦に参加
      7月〜ガダルカナル、ソロモン攻略を支援
     12月〜アラスカ、アリューシャン海域にて哨戒任務に従事、アッツ島攻略を支援
1944年〜マジュロ、エニウェトク、パラオ、ヤップ、サイパン、テニアン攻略を支援
     12月18日フィリピン近海にて台風に遭遇、第一煙突損傷など中破
ウルシー泊地にて翌年2月初旬まで修理実施
1945年 2月〜硫黄島攻略支援、レイテ湾警護などに従事
     10月19日退役、11月1日除籍。翌年12月スクラップとして売却される
ハル(2代)[Hull(2)] (DD-350)
1933年 3月 7日ニューヨーク海軍工廠にて起工
1934年 1月31日進水
1935年 1月11日竣工
1935年〜カリブ海や太平洋(本土西海岸、アラスカ、ハワイ)などで訓練任務に従事
1941年12月 7日真珠湾にて日本軍機の攻撃を受けるが損傷皆無
翌日には空母「エンタープライズ」の護衛任務に出撃
1942年〜太平洋にて護衛任務や哨戒任務に従事
      7月〜ガダルカナル、ソロモン攻略を支援
1943年 4月〜アラスカ、アリューシャン海域にて哨戒任務に従事、アッツ、キスカ攻略を支援
      9月〜南太平洋へ転戦、マーシャル諸島、マジュロ、サイパン攻略を支援
1944年 6月19日マリアナ沖海戦に参加
     12月17日フィリピン近海にて台風に遭遇、翌18日転覆横転後に沈没
マクドナー(2代)[Macdonough(2)] (DD-351)
1933年 5月15日ボストン海軍工廠にて起工
1934年 8月22日進水
1935年 3月15日竣工
 大西洋や太平洋(本土西海岸、ハワイ)などで訓練任務に従事
1941年12月 7日真珠湾にて日本軍機の攻撃を受けるが損傷皆無
即時近海の哨戒活動のため出動する
1942年〜太平洋にて護衛任務や哨戒任務に従事
      8月〜ガダルカナル、ツラギ攻略を支援
1943年 4月〜アラスカ、アリューシャン海域にて哨戒任務に従事
      5月10日米敷設駆逐艦「シカード」(DM-21(旧DD-346))と衝突事故を起こし損傷
メアアイランド工廠にて9月まで修理実施
     11月〜ギルバート諸島、マキン、マーシャル諸島攻略を支援
1944年〜エニウェトク、パラオ、サイパン攻略を支援
      2月16日クェゼリン島近海にて日潜「ロ−40」を撃沈(他艦と共同)
      4月30日トラック島沖にて日潜水艦「ロ−45」を撃沈(他艦と共同)
      9月〜フィリピン、沖縄攻略を支援
     10月22日退役、11月1日除籍。翌年12月スクラップとして売却される
ワーデン(2代)[Worden(2)] (DD-352)
1932年12月29日ピュージェット・サウンド海軍工廠にて起工
1934年10月27日進水
1935年 1月15日竣工
 カリブ海や南アメリカ近海にて訓練任務に従事
1941年12月 7日真珠湾にて日本軍機の攻撃を受けるが損傷皆無
即時近海の哨戒活動のため出動する
1942年〜太平洋にて護衛任務や哨戒任務に従事
      8月〜ガダルカナル、ツラギ攻略を支援
1943年 1月〜アラスカ、アリューシャン海域にて哨戒任務に従事
      1月12日アムチトカ島沖にて座礁、船体は放棄となる
1944年12月22日艦籍より除籍となる
デール(2代)[Dale(2)] (DD-353)
1934年 2月10日ニューヨーク海軍工廠にて起工
1935年 1月23日進水
      6月17日竣工
 太平洋(本土西海岸、中南米西岸、ハワイ)にて訓練任務に従事
1941年12月 7日真珠湾にて日本軍機の攻撃を受けるが損傷皆無
即時近海の哨戒活動のため出動する
1942年〜太平洋にて護衛任務や哨戒任務に従事
      8月〜ガダルカナル、ツラギ攻略を支援
1943年 1月〜アラスカ、アリューシャン海域にて哨戒任務に従事、アッツ、キスカ攻略を支援
     11月〜南太平洋へ転戦、マキン、クェゼリン、エニウェトク攻略を支援
1944年 3月〜パラオ、ヤップ、トラック、ポナペ、フィリピン、サイパン攻略を支援
     11月〜台湾、硫黄島、沖縄攻略、日本本土攻撃を支援
1945年10月16日退役、11月1日除籍。翌年12月スクラップとして売却される
モナハン[Monaghan] (DD-354)
1933年11月21日ボストン海軍工廠にて起工
1935年 1月 9日進水
      4月19日竣工
 北大西洋にて訓練任務に従事
1941年12月 7日真珠湾内にて日本軍機の攻撃前に日特殊潜航艇の哨戒を実施
1942年〜太平洋にて護衛任務や哨戒任務に従事
      7月〜アリューシャン海域に転戦するが、濃霧のため衝突事故を起こし損傷
     11月〜南太平洋へ転戦するが、水中障害物に接触、推進軸を損傷したため
真珠湾へ帰還し修理を実施(翌年2月修理完了)
1943年 2月〜再度アリューシャン海域へ転戦、キスカ攻略を支援
      6月22日日潜水艦「イ−7」を攻撃、大破させる
     11月〜再度南太平洋へ転戦、タラワ、クェゼリン、エニウェトク攻略を支援
1944年〜パラオ、ヤップ、トラック、ポナペ攻略を支援
     12月17日フィリピン近海にて台風に遭遇、遭難沈没する
エイルウィン[Aylwin] (DD-355)
1933年 9月23日フィラデルフィア海軍工廠にて起工
1934年 7月10日進水
1935年 3月 1日竣工
 北大西洋、カリブ海にて訓練任務に従事
1941年 3月19日米駆逐艦「ファラガット」と衝突事故を起こし中破(同年11月修理完了)
     12月 7日真珠湾にて日本軍機の攻撃を受けるが損傷皆無
翌日には空母「エンタープライズ」の護衛任務に出撃
1942年〜太平洋にて護衛任務や哨戒任務に従事
      5月〜珊瑚海海戦、ミッドウェイ海戦に参加
      8月〜ソロモン、ガダルカナル、ツラギ攻略を支援
1943年 1月〜アラスカ、アリューシャン海域にて哨戒任務に従事、アッツ攻略を支援
     11月〜南太平洋へ転戦、ギルバート諸島、クェゼリン、マジュロ攻略を支援
1944年 6月19日マリアナ沖海戦に参加
     12月18日フィリピン近海にて台風に遭遇、船体に損傷を負う
1945年 2月〜硫黄島、沖縄攻略を支援
     10月 6日(10月16日とする資料もある)退役
11月1日除籍、翌年12月スクラップとして売却される


検索画面に戻るときはブラウザの「戻る」等の機能を使用してください。 LAST UPDATE 2013,10,19(First Up2004.03.14)