カーチス型 水上機母艦

"Curtiss" Class Seaplane Tender

アメリカ海軍 アメリカ海軍


USS Curtiss
「カーチス」(1945年)
スペックデータ
排水量:(常)12,053t ボイラー:Babcock&Wilcox罐・重油専焼×4基 燃料搭載量:重油2,164t
全長:(全)160.73m
全幅:(船)21.11m 主機:Parsons式ギヤードタービン×2基、2軸推進
吃水:6.50m
出力:12,000hp
武装:
38口径5inch単装砲4基、12.7mm単装機銃10基
(後に対空兵装として40mm機関砲や20mm機関砲を複数追加)
水上機30機搭載(ヴォート「OS2U」、カーチス「SOC」等)
最大速力:19.7kt
航続距離:12ktで12,000浬
乗員定数:1,195名

同型艦名(2隻)
カーチス[Curtiss]アーバマー[Albermarle]

カーチス型 水上機母艦について

 アメリカ海軍は第一次大戦後に輸送船などの船体を流用した航空機(車輪のついた陸上機ではなく、水上機や飛行艇、気球などを指す)母艦を3隻建造した。最初の母艦「ライト」、油槽船を改造した「ジェイソン」[USS Jason](1932年退役)、給炭艦を改造した「ラングレー」(当初は給炭艦から航空母艦。1937年水上機母艦に改修)のいずれもが他艦種からの改造であったが、ヨーロッパの情勢が不穏になってきた1930年代後半になって、初めて近代的水上機母艦を建造することとし、そこで建造されたのが当クラスである。

 1938年に建造が開始された当クラスは、2個水上機飛行隊の支援が可能な能力を持っており、これらの機体に対する整備のための施設を艦後半部に施されていた。海上から水上機を引き揚げるため3基の大型クレーンを持ち、自衛用として5インチ高角砲と各種対空機関砲が装備されている。
 竣工した時点で第二次大戦は既に始まっており対日開戦も間近な状況であったため、当クラスのうち「カーチス」は太平洋方面、「アーバマー」は大西洋方面に分かれて任務に従事している。「カーチス」は1945年の沖縄戦で日本軍機の特攻攻撃を受け損傷を負っているが、大戦を生き残り戦後も朝鮮戦争や米軍の原爆実験に参加した。「アーバマー」は大戦後も大西洋艦隊で行動し、1950年代に一時期実験機(ジェット水上機)の試験に参加したが1960年代初頭に退役、ベトナム戦争が始まると再就役し、ヘリコプター用の甲板が取り付けられ支援艦(ヘリコプター母船)として陸軍の支援を行った後にスクラップとなった。


カーチス型水上機母艦の歴史
カーチス[Curtiss](AV-4)
1938年 3月25日ニューヨーク造船[New York Shipbuilding Corp]にて起工
1940年 4月20日進水
      11月15日竣工
1941年 5月レーダーの搭載工事を実施
      10月〜太平洋方面にて輸送任務などに従事
      12月 7日真珠湾にて日本軍の攻撃を受け損傷を負う
      12月28日〜サンディエゴにて修理を実施(完了は翌年1月)
1942年 1月〜南太平洋にて輸送任務などに従事
       6月〜ヌーメアやエスピリットサントなどで母艦任務に従事
1943年 7月〜サンフランシスコにてオーバーホールを実施(完了は同年10月)
      11月〜中部太平洋にて島嶼攻略戦の航空部隊旗艦任務に従事
タラワ、クェゼリン、エニウェトク、サイパン、グアムなどを転戦
1945年 5月22日沖縄へ転戦。第1艦隊航空隊旗艦の任務に従事
       6月21日沖縄沖にて日軍機の特攻攻撃を受け損傷を負う
       7月〜メアー・アイランド工廠にて修理を実施
      12月〜終戦後に修理完了。戦後は西太平洋などで任務に従事
1949年耐寒設備評価のためアラスカ沖にて演習を実施
1950年 7月〜朝鮮戦争勃発。朝鮮半島周辺で作戦に従事
1951年 2月〜原爆実験(グリーンハウス作戦)に参加
1952年 9月〜水爆実験(アイビー作戦)に参加
1954年 1月〜水爆実験(キャッスル作戦)に参加
      11月〜ヘリコプター甲板の増設工事を実施(完了は翌月)
1956年 9月〜水爆実験(レッドウィング作戦)に参加
      12月〜南極越冬観測隊輸送に参加
1957年 9月24日退役。予備役艦となる
1963年 7月 1日除籍
1972年 3月 1日スクラップとして売却。後に解体処分
アーバマー[Albermarle](AV-5/T-ARVH-1)
1939年 6月12日ニューヨーク造船にて起工
1940年 7月13日進水
      12月20日竣工
1941年〜カリブ海や大西洋にて作戦に従事
1942年 1月アイスランドへ進出
同月中旬、暴風のため船体に損傷を負う
       2月ノーフォーク工廠にて修理を実施
引き続き4月からボストン工廠にてオーバーホールを実施(完了は同年5月)
       5月〜カリブ海や南米沿岸にて輸送任務などに従事
1945年 5月欧州での戦闘終了に伴い、ノーフォークへ帰還
対日戦に向け改装を行うが戦争終結のためキャンセル
       9月〜太平洋にて復員兵輸送などに従事
1946年 5月〜原爆実験(クロスロード作戦)に参加
1947年〜カリブ海や太平洋などで任務に従事
1950年 8月14日退役。予備役艦となる
1956年実験機の試験を支援
1957年10月21日再就役
1958年 8月大気圏外核実験(アーガス作戦)に参加
1960年10月21日退役。予備役艦となる
1962年 9月 1日除籍。連邦海事局[U.S. Maritime Administration]へ移管
1964年 8月〜ヘリコプターの支援母船への改装工事を実施
1965年 3月27日米海軍籍へ編入。支援艦に類別
艦名を「コーパス・クリスティ・ベイ」と改名(艦番T-ARVH-1)
1966年 1月11日米軍事海上輸送司令部[Military Sealift Command]の指揮下に入り
ベトナム戦争に参加
1973年退役。テキサス州コーパス・クリスティ湾で係留される
1974年12月31日除籍。翌年7月17日スクラップとして売却


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