カリタック型 水上機母艦

"Currituck" Class Seaplane Tender

アメリカ海軍 アメリカ海軍


USS Currituck

USS Salisbury Sound
(上段)「カリタック」(1944年:Photo from US National Archives)/(下段)「ソールズベリー・サウンド」(1953年:Photo from U.S. Naval Historical Center)
スペックデータ
排水量:(常)12,100t ボイラー:Parsons式罐・重油専焼×2基 燃料搭載量:重油2,324t
全長:(全)164.72m
全幅:(船)21.11m 主機:Babcock & Wilcox式ギヤードタービン×4基、2軸推進
吃水:6.78m
出力:12,000hp
武装:
38口径5inch単装砲4基、56口径40mm4連装機関砲3基、同連装機関砲4基、
20mm単装機関砲20基、水上機30機搭載(ヴォート「OS2U」、カーチス「SOC」「SC」
最大速力:18.0kt
航続距離:不明
乗員定数:1,247名

同型艦名(4隻)
カリタック [Currituck]ノートン・サウンド [Norton Sound]
パイン・アイランド [Pine Island]ソールズベリー・サウンド [Salisbury Sound]

カリタック型 水上機母艦について

 「カーチス」型で近代的な大型水上機母艦を手に入れたアメリカ海軍だったが、1941年に対日戦が勃発したことで、さらに多くの水上機母艦が必要になった。応急的に貨物船を改修した大型母艦(「タンジール」型)や、大量生産向きの小型母艦(「バーニガット」型)もあったが、大型飛行艇まで整備できる母艦は「カーチス」型しか無かったため、1942年から「カーチス」型の改良型として当クラス4隻を建造することにした。
 当クラスは基本的に「カーチス」型と同様の形状であるが後甲板は飛行艇を引き揚げて整備できるよう延長され、そのため格納庫部分がやや艦前方に移され煙突も1本に減じられており、その点が「カーチス」型との識別点となっている。主武装は「カーチス」型と同様だが、対空用火器は強化されている。

 戦争末期になって順次竣工した当クラスだったが、すでに活躍の場はあまり残されておらず、朝鮮戦争でも実戦に参加することは無かった。その後「ノートン・サウンド」は誘導ミサイル実験艦に改造されたため母艦任務から外れたが、他の姉妹艦はベトナム戦争でようやく出番が来て、ベトナム沖などで大型飛行艇への支援任務に従事している。

 なお、上記スペック表にある乗員数は水上機飛行隊の将兵も含んだものであるため、艦搭載の飛行隊を持たず大型飛行艇の支援任務を行っていたベトナム戦争時点での乗員数は700名弱であった。


カリタック型水上機母艦の歴史
カリタック [Currituck](AV-7)
1942年12月14日フィラデルフィア海軍工廠にて起工
1943年 9月11日進水
1944年 6月26日竣工
       9月〜中部太平洋にて作戦に従事
1945年 1月〜フィリピンへ進出。レイテ湾などで作戦に従事
       8月〜終戦後、占領任務のため沖縄、上海、仁川、青島などへ航海
1945年末に本国へ帰還
1946年12月〜南極調査(ハイジャンプ作戦)に参加。翌年4月本国へ帰還
1947年 8月 7日退役。予備役艦となる
1951年 8月 1日再就役。同年12月からカリブ海にて訓練任務に従事
1952年 8月〜ノルウェー、スコットランドへの訪問航海を実施
1953年〜カリブ海、大西洋、地中海などで任務に従事
1958年 1月12日退役。予備役艦となる
1960年 8月20日再就役。カリブ海や本国東岸にて訓練任務などに従事
1961年 6月〜西太平洋へ転属。アジア大陸東岸部の哨戒任務に従事
1965年 5月〜ベトナム沖へ展開。メコンデルタへの攻撃などを支援
同年12月に本国へ帰還
1966年 9月〜再度ベトナムへ展開。カムラン湾などで母艦任務に従事
67年6月本国へ帰還
1967年12月 5日退役
1971年 4月 1日除籍
1972年 1月10日スクラップとして売却。同年6月解体開始
ノートン・サウンド [Norton Sound](AV-11)
1942年 9月 7日ロサンゼルス造船[Los Angeles Shipbuilding and Drydock Co.]
(翌年トッド造船[Todd Shipyard Corp.]へ改組)にて起工
1943年11月28日進水
1945年 1月 8日竣工
       5月〜慶良間諸島にて作戦に従事
       8月〜終戦後、占領任務のため佐世保、青島、東京などへ航海
1946年4月に本国へ帰還
1947年10月退役。予備役艦となる
1948年 2月〜フィラデルフィア海軍工廠にてミサイル発射実験艦への改造工事を実施
(工事完了は同年10月)
1948年末〜スカイフック気球(成層圏の長期観測計画)の実験や
カリフォルニア沖にてミサイル発射実験を実施
1949年 2月〜ロングビーチ海軍工廠にてエアロビー(弾道飛行観測ロケット)の
発射設備搭載工事を実施(同月中に工事完了)
       7月〜ハワイ沖にてスカイフック気球による観測を実施
1950年 2月〜バイキング(実験用大型液体燃料ロケット。ドイツのV-2ロケットの縮小モデル)の
洋上発射装置搭載工事を実施(完了は翌月)
       5月11日バイキングの洋上発射実験を実施(リーチ計画)
1950年秋オーバーホール時に誘導ミサイル(テリア)の搭載工事を実施
1951年 8月 8日誘導ミサイル(実験)艦に類別変更(艦番AVM-1)
55年までテリアミサイルの発射実験に従事
1955年〜58年までターターミサイルの発射実験に従事
1958年 4月〜アーガス作戦(高高度での核爆発実験)に参加
       6月〜テリアやターターミサイルの発射実験を再開
1962年 8月10日退役。ボルチモアにて新型兵装制御システムの搭載工事を実施
(工事完了は64年初頭)
1964年 6月20日再就役。チェサピーク湾にて新型兵装制御システムの評価試験を実施
1965年 7月〜シースパローミサイルの発射実験を実施
1966年10月〜新型兵装制御システムの撤去後、各種ミサイルの評価試験を実施
1968年 6月オーバーホール時に主砲を新型54口径5インチ砲へ換装
翌年から新型砲の評価試験を実施
1973年イージスシステム(防空兵装システム)の搭載を実施
(米海軍で最初のイージスシステム搭載艦となった)
1981年VLS(ミサイル垂直発射システム)の搭載を実施
1986年12月11日退役
1987年 1月26日除籍
1988年10月20日海事局へ移管。国家予備船隊に配属
その後、スクラップとして売却
パイン・アイランド [Pine Island](AV-12)
1942年11月16日ロサンゼルス造船(翌年トッド造船へ改組)にて起工
1944年 2月26日進水
1945年 4月26日竣工
       7月〜沖縄近海での作戦に従事
       8月〜終戦後、占領任務のため上海、東京へ航海
翌年本国へ帰還
1946年12月〜南極調査(ハイジャンプ作戦)に参加。翌年4月本国へ帰還
1947年 8月〜太平洋艦隊へ配属。青島周辺などで任務に従事
1950年 5月 1日退役。予備役艦となる
      10月 7日再就役。同年末から西太平洋にて任務に従事
1965年 9月〜ベトナムへ展開。カムラン湾などで母艦任務に従事
1967年 6月16日退役。予備役艦となる
1971年 2月 1日除籍。海事局へ移管。国家予備船隊に配属
1972年 3月 7日スクラップとして売却。後に解体処分
ソールズベリー・サウンド [Salisbury Sound](AV-13)
1943年 4月10日ロサンゼルス造船(同年トッド造船へ改組)にて起工
当初の艦名は「ピュージェット・サウンド」[Puget Sound]
1944年 1月18日進水
       6月 5日艦名を「ソールズベリー・サウンド」と改名
1945年11月26日竣工
1946年 2月〜西太平洋にて任務に従事
1950年 7月〜朝鮮戦争勃発により、台湾海峡などで哨戒任務に従事
1954年〜沖縄、フィリピン、台湾などで任務に従事
1964年 6月〜ベトナムへ展開。カムラン湾などで母艦任務に従事
1967年 3月31日退役(除籍日不明)
1968年 7月 3日海事局へ移管。国家予備船隊に配属
1972年 2月 7日スクラップとして売却。後に解体処分


検索画面に戻るときはブラウザの「戻る」等の機能を使用してください。 LAST UPDATE 2016,05,28