ハルシオン型 掃海艇

"Halcyon" Class Minesweepers

英国海軍 イギリス海軍


HMS Halcyon
掃海艇「ハルシオン」(1940年代)
スペックデータ(レシプロ機関型:【 】内はNiger、Salamanderのもの)
排水量:(基)815t ボイラー:Admiralty罐・重油専焼×2基 燃料搭載量:重油223〜264t
全長:(全)74.83m
   【(全)74.75m】
全幅:10.21m 主機:直立型複式蒸気機関×2基、2軸推進
   【直立型複式(三段膨張式)蒸気機関×2基、2軸推進】
吃水:3.12m
出力:1,770hp
   【2,000hp】
武装:
45口径4inch単装砲2基(一部の艇は3inch単装高角砲1基のみ)、
【12.7mm4連装機銃1基】、7.7mm単装機銃8基、
対潜爆雷40個搭載可能
最大速力:17.0kt
航続距離:10ktで7,200浬
乗員定数:80名
スペックデータ(タービン機関型)
排水量:同上 ボイラー:同上 燃料搭載量:重油223t
全長:(全)74.75m
全幅:同上 主機:Parsons式蒸気タービン×2基、2軸推進
吃水:同上
出力:1,750hp
武装:
45口径4inch単装両用砲2基、12.7mm4連装機銃1基、
7.7mm単装機銃8基、対潜爆雷40個搭載可能
最大速力:16.5kt
航続距離:15ktで4,200浬
乗員定数:同上

同型艦名(21隻)
第1グループ(レシプロ機関:1932年〜1934年計画)
ハルシオン[Halcyon]スキップジャック[Skipjack]ハリアー[Harrier]
フーザー[Hussar]スピードウェル[Speedwell] 
第2グループ(レシプロ機関:1935年計画)
ナイジャー[Niger]サラマンダー[Salamander] 
第3グループ(タービン機関:1936年計画)
フランクリン[Franklin]グリーナー[Gleaner]ゴッサマー[Gossamer]
ハザード[Hazard]ヒービー[Hebe]ジェイソン[Jason]
リーダ[Leda]シーガル[Seagull]シャープシューター
[Sharpshooter]
第4グループ(タービン機関:1937年計画)
ブランブル[Bramble]ブリトマート[Britomart]スコット[Scott]
スピーディ[Speedy]スフィンクス[Sphinx] 

ハルシオン型掃海艇について

 第一次大戦時に建造された「アスコット」型掃海艇(著名な競馬場がある地名を艦名としていたため「競馬場」[Racecourse]クラスとも呼ばれる)や「ハント」型掃海艇(第二次大戦時の同クラス名の駆逐艦とは異なる)の後継として、1930年代に計画・発注された艦隊掃海艇(艦隊に随伴して(もしくは先立って)進出先の掃海を行う大型艇)。
 当初に建造された艇では機関に複式(二段式)レシプロ機関を搭載しており、続く1935年計画の艇(「ナイジャー」「サラマンダー」)では三段膨張式レシプロ機関となったが、翌36年計画の艇からは蒸気タービン機関へ進化している。船体は長船首楼型のもので、同時期に建造された「グリムズビー」型スループの小型版と言えるものであった。兵装は自衛用程度のものであったが、船団護衛や対潜哨戒にも使用できるよう、対潜爆雷の搭載が可能となっている。  当クラスは軽量化や建造期間短縮のため溶接工法が幅広く採用されていたが、特に1936年計画の「シーガル」は全溶接工法とされ、イギリス海軍として最初の全溶接工法艦艇となっている。
 全部で21隻が建造されているが、一部の艇は建造途中もしくは竣工直後に非武装の測量艇[survey vessel]へ変換されている。しかし1939年に第二次大戦が勃発すると、これらの非武装艇も掃海艇への再変換が行われ、単装高角砲1基が装備されている。

 第二次大戦が勃発すると、当クラスは本国周辺や地中海での掃海任務や北海での船団護衛などに従事しており、ダンケルク撤退やソビエトへの輸送船団護衛などに参加もしている。連合軍が行う大規模な上陸作戦の際には先陣を切って掃海を行っているため、戦没した艇も多かった。
 大戦を生き残った艇の大半は1950年頃までに退役・廃船となっているが、一部の艇は測量船に改造され1950年代半ばまで使用されている。

 なお、当サイトでは当クラスを4つのグループに分けているが、資料によってはレシプロ機関搭載型(もしくはタービン機関搭載型)をひとまとめにした3グループや、レシプロ機関とタービン機関で分けた2グループとしているものも見受けられる。

注意!「この型は同型艦が多いため他のページとは年表の形が異なります。年月日は総て西暦表示です。」
造船所略号
 JBC = ジョン・ブラウン社 [John Brown & Company]
 THO = ソーニクロフト社 [John I. Thornycroft & Company]
 WHC = ウィリアム・ハミルトン社 [William Hamilton and Company]
 JSW = ホワイト社 [J. Samuel White]
 ASC = エールサ造船 [Ailsa Shipbuilding Company]
 WGC = ウィリアム・グレイ社 [William Gray & Company]
 DEV = デヴォンポート工廠 [H.M. Dockyard, Devonport]
 CSE = カレドン造船 [Caledon Shipbuilding & Engineering Company]
ハルシオン型掃海艇の歴史
艦番艦名造船所起工進水竣工戦歴など
J42ハルシオン[Halcyon]JBC'33.03.27'33.12.20'34.04.18'39.09第二次大戦に参加。第1掃海艇隊旗艦として任務に従事
'40年〜ソビエト向け船団の護衛に従事
'44年ノルマンディ上陸(ネプチューン作戦)に参加。'50.04.19廃船。売却処分
J38スキップジャック[Skipjack]JBC'33.04.04'34.01.18'34.05.03'39.09第二次大戦に参加
'40.06.01ダンケルク撤退に参加。ダンケルク沖にて独軍機の爆撃を受け沈没
J71ハリアー[Harrier]THO'33.07.11'34.04.17'34.11.09'39.09第二次大戦に参加。第5掃海艇隊所属。本国周辺の掃海に従事
'40.05.25ゼーブルッヘ(ベルギー)沖にて独軍機の攻撃を受け損傷を負う(翌月末修理完了)
'40.09月〜北海にて船団護衛に従事
'41.09月〜北極海(ソビエト向け船団航路)の掃海・船団護衛に従事
'44年ノルマンディ上陸(ネプチューン作戦)に参加。'46年退役。'50.06.06廃船。売却処分
J82フーザー[Hussar]THO'33.08.10'34.08.27'35.01.16'39.09第二次大戦に参加。第5掃海艇隊所属。本国周辺の掃海に従事
'40.05.15オランダ沖にて独軍機の攻撃を受け損傷(翌月修理完了)
'40.07.10オーフォードネス沖にて独軍機の攻撃を受け損傷(11月修理完了)
'40.12月〜北海にて船団護衛に従事
'41.09月〜北極海(ソビエト向け船団航路)の掃海・船団護衛に従事
'42.10月〜北アフリカ上陸(トーチ作戦)支援に参加。以降地中海にて掃海に従事
'43.12月〜北極海の掃海・船団護衛に従事
'44年ノルマンディ上陸(ネプチューン作戦)に参加
'44.08.27ル・アーブル沖にて仏軍機の誤爆により沈没
J87スピードウェル[Speedwell]WHC'34.06.20'35.03.21'35.09.30'39.09第二次大戦に参加
'40.06月ダンケルク撤退に参加
'41年〜北海・北極海にて船団護衛等に従事
'41.06.29アイスランド沖にて独潜「U-651」を撃沈(他艦と共同)
'42.10月〜北アフリカ上陸(トーチ作戦)支援に参加
'43年〜北極海の掃海・船団護衛に従事
'44年ノルマンディ上陸(ネプチューン作戦)に参加。以降は終戦まで北海にて掃海に従事
'46年退役。'46.12.05売却処分
J73ナイジャー[Niger]JSW'35.04.01'36.01.29'36.06.04'39.09第二次大戦に参加。第5掃海艇隊所属。本国周辺の掃海に従事
'40.02.21ダンカンスビー岬沖にて未確認潜を攻撃。損傷を与えたと推測
'40.06月ダンケルク撤退に参加
'40.08月〜北海・北大西洋にて船団護衛等に従事
'42.02月〜北極海の掃海・船団護衛に従事
'42.07.05アイスランド北西沖にて触雷沈没
J86サラマンダー[Salamander]JSW'35.04.18'36.03.24'36.07.18'39.09第二次大戦に参加。第5掃海艇隊所属。本国周辺の掃海に従事
'40.06.01ダンケルク撤退に参加。ダンケルク沖にて独軍機の攻撃を受け損傷(8月修理完了)
'40.09月〜北海にて掃海や船団護衛に従事
'41.08月〜北極海の掃海・船団護衛に従事
'43.04月〜本国周辺の掃海に従事
'44年ノルマンディ上陸(ネプチューン作戦)に参加。以降は終戦まで北海にて掃海に従事
'45.02予備役艦となる。'46退役
'46.12.15売却処分。'47年解体
J84フランクリン[Franklin]ASC'36.12.17'37.12.22'38.08.17非武装の測量艇として就役
'39.08掃海艇へ再変換改修(3inch砲1基)
'39.09第二次大戦勃発。本国周辺を掃海
'44年ノルマンディ上陸(ネプチューン作戦)に参加。作戦後はスヘルデ川河口付近の測量に従事
'45.05月欧州の戦闘終了後、ドイツ港湾の掃海に従事
'45.10月〜イングランド東部沖の掃海任務に従事
'53.01月退役。'56年解体処分
J83グリーナー[Gleaner]WGC'36.06.17'37.06.10'38.08.30非武装の測量艇として就役
'39.08掃海艇へ再変換改修(4inch砲2基)
'39.09第二次大戦勃発。本国周辺の対潜哨戒に従事
'40.02.12ノース海峡にて独潜「U-33」を撃沈
'42年〜北海などで掃海・船団護衛に従事
'44年ノルマンディ上陸(ネプチューン作戦)に参加
'44.08.25カップ・ダンティフェール(仏)沖にて触雷大破。本国へ曳航され修理。修理後はドーバー海峡付近の掃海に復帰
'45.03.14マーゲイト沖にて水先案内船と衝突、損傷。以降はファルマスにて予備船として係留
'46.09.02退役。'50年売却処分
J63ゴッサマー[Gossamer]WHC'36.11.02'37.10.05'38.03.31'39.09第二次大戦勃発。ジブラルタル周辺の対潜哨戒に従事
'40.06ダンケルク撤退に参加
'41年〜北海にて掃海に従事
'42年〜北極海(ソビエト向け船団航路)の掃海・船団護衛に従事
'42.06.24ムルマンスクにて独軍機の攻撃を受け沈没
J02ハザード[Hazard]WGC'36.05.27'37.02.26'37.11.24'39.09第二次大戦勃発。本国周辺を掃海
'41年〜北海にて船団護衛に従事
'41.11月〜北極海(ソビエト向け船団航路)の掃海・船団護衛に従事
'43年〜地中海にて船団護衛などに従事
'45年〜北海にて船団護衛などに従事
欧州での戦闘終了後は掃海任務に従事
'45.07.26北海にて姉妹艇「ジェイソン」と衝突損傷
'46.06月退役。'49年売却処分
J24ヒービー[Hebe]DEV'36.04.27'36.10.28'37.10.23'39.09第二次大戦勃発。本国周辺を掃海
'40.06月ダンケルク撤退に参加
'41年〜北海にて船団護衛に従事
'41.11月〜北極海(ソビエト向け船団航路)の掃海・船団護衛に従事
'42.06月〜地中海にて船団護衛などに従事
'43.11.22バリ(伊)沖にて触雷沈没
J99ジェイソン[Jason]ASC'36.12.12'37.10.06'38.06.09非武装の測量艇として就役
'39.08掃海艇へ再変換改修(4inch砲2基)
'39.09第二次大戦勃発。本国周辺を哨戒
'43.02月〜北極海(ソビエト向け船団航路)の掃海・船団護衛に従事
'44年ノルマンディ上陸(ネプチューン作戦)に参加。以降は英仏海峡にて掃海に従事
'45.01月〜北海にて掃海に従事
'45.07.26北海にて姉妹艇「ハザード」と衝突損傷
'46.06月退役。'49年解体処分
J93リーダ[Leda]DEV'36.11.16'37.06.08'38.05.19'39.09第二次大戦勃発。本国周辺を掃海
'40.06月ダンケルク撤退に参加
'40.08月〜北海にて掃海に従事
'41.08月〜北大西洋にて船団護衛に従事
'41.10月〜北極海(ソビエト向け船団航路)の掃海・船団護衛に従事
'42.09.20グリーンランド海にて独潜「U-435」の雷撃を受け沈没
J85シーガル[Seagull]DEV'37.02.15'37.10.28'38.05.30'39.09第二次大戦勃発。本国周辺を掃海
'41.10月〜北極海(ソビエト向け船団航路)の掃海・船団護衛に従事
'44年ノルマンディ上陸(ネプチューン作戦)に参加。以降は英仏海峡にて掃海に従事
'44.11月〜北海にて掃海に従事(終戦後も継続)
'45.09月〜退役。測量艇への改装工事を実施
'46.04〜測量艇として再就役
'51.03月退役。予備役艦となる
'55年予備志願兵の練習船として使用
'56.07月廃船。解体処分
J68シャープシューター
[Sharpshooter]
DEV'36.06.08'36.12.10'37.12.17'39.09第二次大戦勃発。本国周辺を掃海
'40.06月ダンケルク撤退に参加
'40.10月〜北海等にて掃海に従事
'41.12月〜北極海(ソビエト向け船団航路)の掃海・船団護衛に従事
'42.03.24バレンツ海にて独潜「U-655」を体当たりで撃沈
'43.04月〜地中海へ転戦。掃海に従事
'43.07月シチリア上陸(ハスキー作戦)を支援
'44.04.05東地中海にて正体不明の雷撃を受け損傷。ハイファへ曳航され修理(6月完了)
'44.09月〜本国へ帰還。掃海に従事
'45.06月〜退役。測量艇への改装工事を実施
'46.03月測量艇として再就役
'46.04.03商船「フィールティ」[MV Fealtie]と衝突損傷
'46.06月〜シンガポールへ進出。測量に従事
'47.10.13商船「セレベス」[MV Celebes]と衝突損傷
'48.04月〜本国へ帰還。測量に従事
'53.06艇名を「シャクルトン」[Shackleton]と改称
'59.08ブリストル海峡にて墜落機捜索に参加
'61.11退役。予備役艦となる
'65.11廃船。解体処分
J11ブランブル[Bramble]DEV'37.11.22'38.07.12'39.06.22'39.09第二次大戦勃発。本国周辺を掃海
'40.05月〜北大西洋にて船団護衛に従事
'41.11月〜北極海(ソビエト向け船団航路)の掃海・船団護衛に従事
'42.12.31バレンツ海にて独艦隊と交戦(バレンツ海海戦)。独駆の砲雷撃により沈没
J22ブリトマート[Britomart]DEV'38.01.01'38.08.23'39.08.24'39.09第二次大戦勃発。本国周辺を掃海
'40.01月〜北大西洋にて船団護衛に従事
'40.06月〜本国周辺の掃海に従事
'41.02.15英仏海峡にて独軍機の攻撃を受け損傷。ポーツマスに帰還し修理(6月完了)
'41.08月〜北大西洋にて船団護衛に従事
'41.10月〜北極海(ソビエト向け船団航路)の掃海・船団護衛に従事
'44.01月〜北海の掃海や哨戒に従事
'44.04月〜ノルマンディ上陸(ネプチューン作戦)に参加
'44.07月〜英仏海峡の掃海に従事
'44.08.27ル・アーブル沖にて仏軍機の誤爆により沈没
J79スコット[Scott]CSE'37.08.30'38.08.23'39.02.23'39.09第二次大戦勃発。本国周辺の掃海や海流調査に従事
'41.12月英軽巡「アリシューザ」と衝突損傷
'42年〜修理完了後、北海にて機雷敷設の調査を実施
'44年モレー湾や仏沿岸の調査を実施
戦後は、各地で沈船位置調査を実施
'64年退役。'65年廃船、解体処分
J17スピーディ[Speedy]WHC'37.12.01'38.11.23'39.04.07'39.09第二次大戦勃発。本国周辺や北海にて掃海に従事
'41.10月〜北極海(ソビエト向け船団航路)の掃海・船団護衛に従事
'41.12.17バレンツ海にて独駆逐隊と交戦し損傷。本国へ帰還後修理(4月完了)
'42.06月〜地中海へ転戦。マルタ島への船団護衛。到着後はマルタ島周辺の掃海を実施
'43.05.15マルタ島沖にて触雷損傷。応急修理後、本国へ帰還し修理(翌年3月完了)
'44.07月〜修理に不具合があり再度ドック入り(9月完了)
'44.10月〜英仏海峡の掃海に従事
終戦後は北海の掃海に従事
'46.06月退役。'46.11月売却処分。商船「スピードン」[Speedon]となる
'57年廃船、解体処分
J69スフィンクス[Sphinx]WHC'38.01.17'39.02.07'39.07.27'39.09第二次大戦勃発。本国周辺を掃海
'40.01月〜北海にて掃海に従事
'40.02.03モレー湾にて独軍機の攻撃を受け大破、船体放棄となる


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