”ブリッジウォーター”型 スループ

"Bridgewater" (&"Formouth"&"Folkestone"&"Shoreham") Class Sloops

英国海軍 イギリス海軍


HMS Hastings
HMS Shoreham
(上段)HMS「ヘイスティングス」/(下段)HMS「ショアハム」
スペックデータ
排水量:(基)1,045t
 (Folmouth型は1,060t)
 (Shoreham型は1,105t)
ボイラー:Admiralty罐・重油専焼×2基 燃料搭載量:重油282t〜358t
全長:(全)81.2m〜85.8m
全幅:10.4m〜10.8m 主機:Parsons式蒸気タービン×2基、2軸推進
吃水:32.7m
出力:2,000hp
武装:
45口径4inch単装砲2基、12.7mm機銃4基(Bridgewater型は
3inch単装高角砲2基)、ヘッジホッグ投射機1基、爆雷搭載数不明
(投射機、投下軌条数不明:竣工時には掃海用具を搭載していた)
最大速力:16〜17kt
航続距離:15ktで4,750浬
乗員定数:100名

同型艦名(14隻)
ブリッジウォーター型(1927年次計画:2隻)
ブリッジウォーター[Bridgewater]サンドウィッチ[Sandwich]
フォルクストーン型(1928年次計画:4隻)
フォルクストーン[Folkestone]ヘイスティングス[Hastings]
ペンザンス[Penzance]スカーバラ[Scarborough]
ショアハム型(1929年次計画:4隻)
バイドフォード[Bideford]フォウェイ[Fowey]
ロチェスター[Rochester]ショアハム[Shoreham]
ファルマス型(1930年次計画:4隻)
ダンディー[Dundee]ファルマス[Falmouth]
ミルフォード[Milford]ウェストン[Weston]

”ブリッジウォーター”型スループについて

 第一次大戦の最中、ドイツの機雷により海上封鎖されたイギリスでは、掃海艇の不足を補うために商船構造で1軸推進に簡略化された艦隊掃海艇を計画し、そこで量産されたのが”フラワー”型(WW2で活躍した同名のコルベットとは異なる)だった。この艦隊掃海艇は船団護衛や哨戒任務にも使用できたため、大昔に途絶えたスループ(帆走の中型戦闘艦を指す言葉だったが、機走時代になって一時期消滅していた)という艦種名まで復活させて、多種多様な任務に投入されている。
 この”フラワー”型スループは第一次大戦戦後、海外植民地の警備や海上通商路の保護などに使用されていたが、兵装の旧式化により1920年代頃から順次退役していった。そこで英海軍では後継となる近代化されたスループ艦の建造を計画したが、戦争終結による世界的な大不況や軍縮傾向から建艦予算は縮減されており、1920年代後半になってようやく少数の艦を建造することができた。これが当クラスの艦である。

 これらのスループは1927年度計画の「ブリッジウォーター」型、1928年度計画の「フォルクストーン」型、1929年計画の「ショアハム」型とその小改良型である「ファルマス」型に分かれているが、造船所や計画年度により若干の相違があるだけで全体的に見れば一つの大きなグループとして分類できるため当サイトでは一つのクラスとしてまとめて扱った。
 ネーバル・ホリデー(建艦休暇期)に計画設計されたため、タービン機関や2軸推進など贅沢で量産に不向きな構造をしていたが、哨戒や対潜任務などには充分以上の能力を持っており、第二次大戦勃発後も護衛や哨戒などにその能力を発揮している。


”ブリッジウォーター”型スループの歴史
ブリッジウォーター[Bridgewater] (L01 / U01)
1928年 2月 6日ホーソン・レスリー社[Hawthorn Leslie]にて起工
       9月14日進水
1929年 3月14日竣工
1939年 9月〜第二次大戦勃発。南大西洋アフリカ沿岸にて哨戒・警護任務に従事
 南アフリカと英国を結ぶ船団の護衛任務に従事
1942年 6月〜英本国にて近代化改修を実施。同年10月戦線復帰
1943年10月〜英本国〜ジブラルタル間の船団護衛などに従事
1945年 5月欧州での戦闘終了に伴い第一線を退き、予備艦となる
1947年 5月22日除籍。スクラップとして売却
サンドウィッチ[Sandwich] (L12 / U12)
1928年 2月 9日ホーソン・レスリー社にて起工
       9月28日進水
1929年 3月23日竣工
1939年 9月〜第二次大戦勃発時は香港に展開中
      11月〜コロンボ、スエズ運河、地中海(ジブラルタル)経由で英本国へ帰還
1940年 1月〜英本国〜ジブラルタル間等で海上通商路の保護などに従事
      10月〜リバプール周辺の警備任務に従事
1942年 1月〜近代化改修を実施。同年4月戦線復帰。船団護衛などに従事
       7月31日アゾレス諸島沖にて独潜「U-213」を撃沈(他艦と共同)
      11月〜英本国〜ジブラルタル間の船団護衛などに従事
1945年 9月第二次大戦終結により退役
1946年 1月 8日除籍。スクラップとして売却
フォルクストーン[Folkestone] (L22 / U22)
1929年 5月21日スワン・ハンター&ウィガム・リチャードソン社[Swan Hunter & Wigham Richardson]
にて起工
1930年 2月12日進水
       6月25日竣工
1939年 9月〜第二次大戦勃発時は香港にて対潜装備工事を実施中
1940年 1月〜英本国へ帰還し、本国周辺の哨戒・護衛任務に従事
       5月〜大西洋などで海上通商路の保護などに従事
1942年 4月〜近代化改修を実施。同年7月戦線復帰
1944年10月調査の結果、修復の費用効果が無いと判定され退役
1945年末〜爆弾の破壊試験に使用される
1947年 5月22日除籍。スクラップとして売却
ヘイスティングス[Hastings] (L27 / U27)
1929年 7月29日デヴォンポート工廠[Devonport Dockyard]にて起工
1930年 4月10日進水
      11月26日竣工
1939年 9月〜第二次大戦勃発。本国周辺や北海にて哨戒・警護任務に従事
1940年12月 1日貨物船「ライムズレード」[Limeslade]と衝突損傷(翌年1月修理完了)
1941年 7月〜近代化改修を実施。同年10月戦線復帰。大西洋にて船団護衛に従事
1944年中盤〜潜水艦部隊の練習艦(標的艦)として訓練任務に従事
1946年 4月 2日除籍。スクラップとして売却
ペンザンス[Penzance] (L28)
1929年 7月29日デヴォンポート工廠にて起工
1930年 4月10日進水
1931年 1月15日竣工
1939年 9月〜第二次大戦勃発時は西インド諸島に展開中
      12月〜カリブ海などで海上通商路の保護などに従事
1940年 7月〜英本国へ帰還。北海にて船団護衛に従事
       8月24日アイスランド西方沖にて独潜「U-37」の雷撃を受け沈没
スカーバラ[Scarborough] (L25 / U25)
1929年 5月28日スワン・ハンター&ウィガム・リチャードソン社にて起工
1930年 3月14日進水
       7月30日竣工
1939年 9月〜第二次大戦勃発時はコロンボに展開中
      11月〜英本国へ帰還。翌年2月から大西洋などで海上通商路の保護などに従事
1941年 4月 5日アイスランド沖にて独潜「U-76」を撃沈(他艦と共同)
1942年 7月〜近代化改修を実施。同年10月戦線復帰
1943年〜地中海西部やジブラルタル方面の船団護衛に従事
1944年 5月〜ネプチューン作戦(ノルマンディ上陸)を支援
       8月退役。予備艦となる
1949年 6月 3日除籍。スクラップとして売却
バイドフォード[Bideford] (L43 / U43)
1930年 6月10日デヴォンポート工廠にて起工
1931年 4月 1日進水
1932年 2月23日竣工
1939年 9月〜第二次大戦勃発時は香港に展開中
      12月〜英本国へ帰還。翌年からジブラルタルにて船団護衛に従事
1940年 5月ダンケルク撤退(ダイナモ作戦)に参加
       5月29日ダンケルク沖にて独軍機の攻撃を受け損傷
       6月〜英本国へ帰還し修理を実施。同年12月戦線復帰
1941年〜大西洋方面にて船団護衛などに従事
1942年12月 9日ロンドンデリーにてカナダコルベット「ルイスバーグ」と衝突損傷
1943年 1月〜修理に際し、レーダー等の近代化改修を実施
       8月25日ビスケー湾にて独軍機の誘導爆弾攻撃を受け損傷
1944年 4月〜地中海にて船団護衛などに従事
1945年 7月退役。予備艦となる
1947年 9月14日除籍。スクラップとして売却
フォウェイ[Fowey] (L15 / U15)
1930年 3月24日デヴォンポート工廠にて起工
      11月 4日進水
1931年 9月11日竣工
1939年 9月〜第二次大戦勃発時はボンベイに展開中
      10月〜地中海経由で英本国へ帰還
      12月〜大西洋にて船団護衛や哨戒に従事
1943年 1月近代化改修を実施。同年5月戦線復帰
1945年 5月欧州での戦闘終了に伴い第一線を退き、予備艦となる
1946年10月除籍。民間商船「ローロック」[Rowlock]として売却
1950年頃廃船、スクラップ
ロチェスター[Rochester] (L50 / U50)
1930年11月24日チャタム工廠[Chatham Dockyard]にて起工
(一部工事はJ・S・ホワイト社[J.S. White & Co.]にて実施)
1931年 7月16日進水
1932年 3月31日竣工
1939年 9月〜第二次大戦勃発時はアデンに展開中
      11月〜英本国へ帰還。大西洋にて船団護衛に従事
1941年10月19日ジブラルタル西南にて独潜「U-204」を撃沈(他艦と共同)
1942年 2月 6日アゾレス諸島沖にて独潜「U-82」を撃沈(他艦と共同)
       4月〜近代化改修を実施。同年7月戦線復帰
       7月31日アゾレス諸島沖にて独潜「U-213」を撃沈(他艦と共同)
1943年 7月15日大西洋にて独潜「U-135」を撃沈(他艦・航空機と共同)
1944年 5月〜ネプチューン作戦(ノルマンディ上陸)を支援
       5月31日英本土南西海域にて英スループ「ハート」と衝突、損傷
(修理実施のためノルマンディ上陸には参加していない)
      12月〜練習艦設備の設置工事を実施。翌年3月完了
1945年 4月〜航海練習艦として任務に従事
1951年 1月 6日除籍。スクラップとして売却
ショアハム[Shoreham] (L32 / U32)
1929年12月19日チャタム工廠にて起工(一部工事はJ・S・ホワイト社にて実施)
1930年11月22日進水
1931年11月 2日竣工
1939年 9月〜第二次大戦勃発時はボンベイにて改装工事中
      10月〜ペルシャ湾に展開し、警備任務などに従事
1940年 4月〜インド洋・紅海での船団護衛などに従事
       6月23日紅海にて伊潜「エヴァンジェリスタ・トリチェリ」と交戦損傷
1941年 1月〜損傷修理後は戦線復帰。インド洋や紅海で任務に従事
1943年 1月〜地中海へ転戦。船団護衛や哨戒任務に従事
同年9月からは再度インド洋へ転戦
1945年 8月第二次大戦終結後も東洋艦隊に残り、ペルシャ湾の防衛に従事
1946年10月 4日除籍。スクラップとして売却
ダンディー[Dundee] (L84)
1931年12月 1日チャタム工廠にて起工(一部工事はホーソン・レスリー社にて実施)
1932年 9月20日進水
1933年 3月31日竣工
1939年 9月〜第二次大戦勃発時は西インド諸島に展開中
 カリブ海などで海上通商路の保護などに従事
1940年 9月 2日〜カナダから英本国へ向かう船団の護衛に従事
       9月15日アイルランド沖にて独潜「U-48」の雷撃を受け沈没
ファルマス[Falmouth] (L34 / U34)
1931年 8月31日デヴォンポート工廠にて起工(一部工事はホーソン・レスリー社にて実施)
1932年 4月19日進水
      10月27日竣工
1939年 9月〜第二次大戦勃発時は香港に展開中
1940年 3月〜インド洋方面へ転戦。ペルシャ湾の哨戒任務に従事
       6月24日オマーン湾にて伊潜「ルイジ・ガルヴァニ」を撃沈
1942年 1月〜セイロン〜インド沿岸地域の船団護衛などに従事
1943年11月〜近代化改修を実施。翌年3月戦線復帰
1945年 8月〜第二次大戦終結後も東洋艦隊に残り、ペルシャ湾の防衛に従事
1952年 1月英海軍予備員部隊(RNVR)の練習船「カリオペ」[Calliope]となる
1968年 4月廃船。スクラップとして売却
ミルフォード[Milford] (L51 / U51)
1931年 9月14日デヴォンポート工廠にて起工
(一部工事はヤーロー社[Yarrow Shipbuilders Ltd.]にて実施)
1932年 6月11日進水
      12月22日竣工
1939年 9月〜第二次大戦勃発に伴い大西洋(アフリカ西岸)にて哨戒に従事
1940年 7月〜ダカール攻略を支援
      11月 7日ガボン侵攻戦に参加。仏潜「ポンスレ」を撃沈
1941年〜大西洋にて船団護衛などに従事
1942年 7月〜近代化改修を実施。同年9月戦線復帰
1943年11月21日独軍機の滑空爆弾攻撃により損傷。同年12月戦線復帰
1944年 4月〜対潜兵装の更新工事を実施。同年11月戦線復帰
復帰後は潜水艦部隊の対潜訓練に従事
1946年第一線を退き、予備艦となる
1949年 6月 3日除籍。スクラップとして売却
ウェストン[Weston] (L72 / U72)
1931年 9月 7日デヴォンポート工廠にて起工(一部工事はヤーロー社にて実施)
1932年 7月23日進水
1933年 2月23日竣工
1939年 9月〜第二次大戦勃発に伴い北海にて護衛任務に従事
1940年 5月31日北海にて独潜「U-13」を撃沈
1941年後半〜南大西洋(アフリカ西岸)にて船団護衛に従事
1942年 6月〜近代化改修を実施。同年9月戦線復帰
1945年 5月欧州での戦闘終了に伴い第一線を退き、予備艦となる
1947年 5月22日除籍。スクラップとして売却


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