ソーニクロフト”V”型&”W”型 駆逐艦

Thornycroft "V" and "W" Class Destroyers

英国海軍 イギリス海軍


HMS Viceroy
「ヴァイスロイ」(1940年代)
スペックデータ(竣工時:【 】内は改"W"型の数値)
排水量:(常)1,120t
     【(常)1,140t】
ボイラー:Yarrow罐・重油専焼×3基 燃料搭載量:重油374t【367t】
全長:(全)95.1m
全幅:9.4m 主機:Brown-Curtis式ギヤードタービン×2基、2軸推進
吃水:2.9m
出力:30,000hp
武装:
45口径10.2cm(4inch)単装砲4基【45口径12cm単装砲4基】、
45口径7.6cm単装高角砲1基、53cm魚雷連装発射管2基("W"型は
3連装2基。"V"型も後に3連装へ換装)【同3連装発射管2基】
(第二次大戦時の改修内容についてはアドミラリティ"V"型などに準ずる)
最大速力:36.0kt
      【34.0kt】
航続距離:15ktで2,250浬
      【15ktで2,800浬】
乗員定数:134名

同型艦名(6隻)
”V”型 (2隻)
ヴァイスロイ[Viceroy]ヴァイカウント[Viscount]
”W”型 (2隻)
ウルジー[Wolsey]ウールストン[Woolston]
改”W”型 (2隻)
ウィシャート[Wishart]ウィッチ[Witch]

ソーニクロフト”V”型&”W”型駆逐艦について
 1916年次の計画で計画・建造された駆逐艦。同時期に英海軍本部(アドミラリティ)で設計された”V”型とそれに準ずる”W”型の設計を踏襲しているが、駆逐艦黎明期からのトップメーカーであるソーニクロフト社独自の改良が加えられている。”S”型と同程度の速度を発揮させるために出力を強化した機関が搭載されており、最高速度は36ノット超を発揮できた。
 最初に2隻(”V”型)を発注、半年後に2隻(”W”型)が発注されているが、アドミラリティ型と同様”V”型建造の時点では3連装魚雷発射管の開発が間に合わなかったため、”V”型には竣工当初は連装の発射管が搭載された。その後1918年になって、ソーニクロフト社が”W”型を独自に改設計した改型も2隻が発注されたため、全部で計6隻となった。
 先に建造された4隻は第一次大戦末期に竣工しており、第二次大戦で高速護衛艦型(Viscount以外の3隻)や長距離護衛艦型(Viscountのみ)へ改装されたのは、アドミラリティ型駆逐艦と同様であったが、後で建造された改型2隻は第一次大戦終結に間に合わず、完成が急がれなかったため1920年代になって竣工し、第二次大戦でもレーダーを追加装備した程度で、大きな改修は施されなかった。
 6隻とも第二次大戦を無事に生き残っているが、終戦後まもなく解体処分となっている。

ソーニクロフト”V”型&”W”型駆逐艦の歴史
ヴァイスロイ[Viceroy] (D91 → L21)
1916年12月25日ソーニクロフト社にて起工
1917年11月17日進水
1918年 1月18日竣工
1920年代?予備役艦となる
1940年 4月〜高速護衛艦への改装工事を実施(完了は同年12月)
1941年 1月工事完了と供に再就役。動作試験・習熟訓練を実施
       2月〜北海にて船団護衛や哨戒任務に従事
1943年 5月〜地中海艦隊へ転属。シチリア上陸作戦のため演習等を行う
       7月〜シチリア上陸(ハスキー作戦)に参加
      10月〜北海での船団護衛や哨戒任務へ復帰
1945年 1月〜ノア管区へ転属。本国周辺の哨戒任務に従事
       4月16日ニューカッスル沖にて独潜「U-1274」を攻撃・撃沈
       5月〜ノルウェーの再占領支援などに従事
       8月第二次大戦終結。予備役艦となる
1948年 5月27日スクラップとして売却。同年解体処分
ヴァイカウント[Viscount] (D92 → I92)
1916年12月20日ソーニクロフト社にて起工
1917年12月29日進水
1918年 3月 4日竣工
1920年代大西洋艦隊や地中海艦隊などに所属し任務に従事
1938年第6潜水艦隊へ配属される
1939年 9月〜第二次大戦勃発。本国周辺や欧州南西部にて船団護衛などに従事
1940年 5月〜ノルウェー方面にて艦隊護衛に従事
       6月 8日フェロー諸島東方にて独軍機の攻撃を受け損傷を負う
       7月〜修理完了後、大西洋にて船団護衛に従事
1941年 6月〜長距離護衛艦への改装工事を実施(完了は同年11月)
1942年 1月〜大西洋にて船団護衛に従事
      10月15日北大西洋にて独潜「U-661」と交戦、体当たりにて撃沈する
      12月〜体当たりによる損傷の修理を実施(完了は翌年1月)
1943年 2月〜大西洋にて船団護衛に従事
       2月16日北大西洋にて独潜「U-201」と交戦、体当たりにて撃沈する
(同日の独潜「U-69」撃沈も当艦の戦果とする資料もある)
       3月〜体当たりによる損傷の修理を実施(完了は同年4月)
       5月〜大西洋にて船団護衛に従事
1945年 1月予備役艦となる
1947年 5月27日スクラップとして売却。同年解体処分
ウルジー[Wolsey] (D98 → L02)
1917年 3月28日ソーニクロフト社にて起工
1918年 3月16日進水
       5月14日竣工
1920年代?大西洋艦隊にて任務に従事後、予備役艦となる
1938年〜高速護衛艦への改装工事を実施(完了は翌年12月)
1940年 1月〜本国周辺などで船団護衛に従事
       5月〜ダンケルク撤退(ダイナモ作戦)を支援
       7月〜北海や大西洋にて船団護衛や哨戒任務に従事
1941年 1月〜ロサイスを拠点に北海にて船団護衛に従事
1945年 5月〜ノルウェーの再占領支援などに従事
       6月予備役艦となる
1947年 3月 4日スクラップとして売却。後に解体処分
ウールストン[Woolston] (D95 → L49)
1917年 4月25日ソーニクロフト社にて起工
1918年 1月27日進水
       6月26日竣工
1920年代?大西洋艦隊にて任務に従事後、予備役艦となる
1938年〜高速護衛艦への改装工事を実施(完了は翌年9月)
1939年12月〜大西洋や北海などで船団護衛や哨戒任務に従事
1943年 5月〜地中海艦隊へ転属。シチリア上陸作戦のため演習等を行う
       7月〜シチリア上陸(ハスキー作戦)に参加
      10月〜北海での船団護衛や哨戒任務へ復帰
1945年 5月〜ノルウェーの再占領支援などに従事
       8月第二次大戦終結。予備役艦となる
1947年 2月18日スクラップとして売却。同年解体処分
ウィシャート[Wishart] (D67)
1918年 5月18日ソーニクロフト社にて起工
1919年 7月18日進水
1920年 6月竣工
1920年代大西洋艦隊や地中海艦隊にて任務に従事
1939年 9月〜第二次大戦勃発。本国周辺やジブラルタルにて船団護衛などに従事
      12月27日チピオナ(スペイン)沖にて独商船「グリュックスブルク」[Glücksburg]を拿捕しようと
するも、独商船は捕獲をおそれ自沈した
1941年 6月27日ジブラルタル西方にて伊潜「グラウコ」と交戦・撃沈
       8月〜兵装の換装工事を実施(完了は同年末)
(本艦は長距離護衛艦への改装は行われず、短距離護衛艦と分類された)
1942年 3月〜ジブラルタルにて船団護衛に従事
       5月 2日スペイン沖にて独潜「U-74」を攻撃・撃沈(他艦、航空機と共同)
1943年 7月〜シチリア上陸(ハスキー作戦)に参加
       8月〜本国周辺や地中海西部での船団護衛へ復帰
1944年 2月24日タンジール(モロッコ)近海にて独潜「U-761」を攻撃・撃沈(他艦と共同)
1945年 1月予備役艦となる
       3月20日スクラップとして売却。後に解体処分
ウィッチ[Witch] (D89)
1918年 6月13日ソーニクロフト社にて起工
1919年11月11日進水
1924年 3月進水後、デヴォンポートへ曳航され一時期放置となる
その後、王立造船所[HM Dockyard]にて艤装が行われ1924年竣工
1920年代?大西洋艦隊にて任務に従事後、予備役艦となる
1939年再就役。予備役艦隊に配属
       9月〜第二次大戦勃発。大西洋にて船団護衛に従事
1940年 4月〜ノルウェー方面での作戦支援に従事
       6月〜北海や本国周辺にて船団護衛や哨戒任務に従事
1941年 7月〜大西洋にて船団護衛に従事
1942年 8月〜兵装の換装工事を実施(完了は同年9月)
(本艦は長距離護衛艦への改装は行われず、短距離護衛艦と分類された)
      10月〜大西洋や北海にて船団護衛に従事
1945年 6月〜欧州方面の再占領支援などに従事
       8月第二次大戦終結。予備役艦となる
1946年 7月12日スクラップとして売却。後に解体処分


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