アドミラルティ 大型(嚮導)駆逐艦

Admiralty Large Design(Leader) Class Destroyers
(ex "Scott" Class)


英国海軍 他 イギリス海軍 オーストラリア海軍


HMS Douglas

HMS Campbell
(上段)「ダグラス」(1918年)/(下段)「キャンベル」(1942年)
スペックデータ
排水量:(常)1,801t ボイラー:Yarrow罐・重油専焼×4基 燃料搭載量:重油500t
全長:(全)95.1m
全幅:9.7m 主機:Parsons式ギヤードタービン×2基、2軸推進
    (Stuart、MontroseはBrown-Curtis式ギヤードタービン×2基)
吃水:3.8m
出力:40,000hp
武装:
45口径12cm(4.7inch)単装砲5基、45口径3inch単装高角砲1基、
40mm単装ポンポン砲2基、53cm魚雷3連装発射管2基
(第二次大戦時に主砲の一部を47口径57mm連装高角砲3基へ換装)
最大速力:36.5kt
航続距離:15ktで4,300浬
乗員定数:164名

同型艦名(8隻+キャンセル2隻)
スコット[Scott]ブルース[Bruce]ダグラス[Douglas]
キャンベル[Campbell]マルカム[Malcolm]マッケイ[Mackay]
スチュワート[Stuart]モントローズ[Montrose]バリントン[Barrington]
ヒューズ[Hughes]  

アドミラルティ 大型(嚮導)駆逐艦について
 1916年次計画で建造された大型駆逐艦で、駆逐隊の嚮導艦として設計されている。”V”型駆逐艦や”W”型駆逐艦に対応する嚮導艦は、ソーニクロフト社が建造を担当していたのだが、第一次大戦中の大量建艦によりソーニクロフト社の生産能力が限界に達したため、英海軍本部(アドミラルティ)が設計した嚮導艦を他の造船所でも建造することにしたものである。しかし、当クラスは駆逐艦黎明期からの老舗メーカーであるソーニクロフト社が設計した嚮導艦よりも、船体の軽量化の点で劣っており、設計上の最高速度である36ノット超を発揮できない艦もあったという。
 1916年に3隻、1917年に5隻、1918年に2隻の建造が発注されたが、第一次大戦の終結により8隻が完成したのみで、1918年発注の艦はキャンセルとなった。姉妹艦のうち「スコット」は第一次大戦で戦没し、「スチュワート」は1930年代にオーストラリアへ譲渡されており、また「ブルース」は第二次大戦時に再就役しなかったが、残りの5隻は第二次大戦に参戦し終戦まで生き残っている。第二次大戦に参戦した艦は、主砲や魚雷発射管を一部撤去し、対空兵装や対潜兵装を充実させた艦もあった。

アドミラルティ 大型(嚮導)駆逐艦の歴史
スコット[Scott] (F98)
1917年キャンメル・レイアード社にて起工
      10月18日進水
1918年竣工。本国艦隊へ配属
       8月15日ハーグ(オランダ)北西沖にて触雷、沈没
ブルース[Bruce] (D81)
1917年 5月12日キャンメル・レイアード社にて起工
1918年 2月26日進水
       5月29日竣工。本国艦隊に配属
1923年〜地中海艦隊へ転属
1927年〜英海軍中国ステーションへ転属
1930年代後半予備役艦となる。第二次大戦勃発時も予備役のまま
1939年11月29日実艦標的として使用され、ワイト島沖にて沈没
ダグラス[Douglas] (D90 → I90)
1917年 6月30日キャンメル・レイアード社にて起工
1918年 6月 8日進水
       8月30日竣工
1920年代初頭予備役艦となる
1939年 8月再就役。予備役艦隊に配属される
       9月〜第二次大戦勃発。欧州南西部や地中海にて船団護衛に従事
1940年 7月フランス艦艇の動向偵察のためオラン(アルジェリア)沖へ展開
       8月〜本国へ帰還。本国周辺にて哨戒任務に従事
1941年 2月〜大西洋にて船団護衛に従事
       4月28日アイスランド南東沖にて独潜「U-65」を攻撃・撃沈
1942年 2月〜オーバーホール及びレーダー等の設置工事を実施(完了は同年5月)
       6月〜北海や大西洋にて船団護衛に従事
1943年 7月〜欧州南西部(ジブラルタル)にて船団護衛に従事
      10月31日タンジール(モロッコ)沖にて独潜「U-732」を攻撃・撃沈(他艦と共同)
1944年 1月〜本国へ帰還。本国周辺にて船団護衛や哨戒任務に従事
1945年 2月予備役艦となる
       3月20日スクラップとして売却。同年解体処分
キャンベル[Campbell] (D60)
1917年11月10日キャンメル・レイアード社にて起工
1918年 9月21日進水
      12月21日竣工。大西洋艦隊に配属
1925年予備役艦となる
1939年 9月〜第二次大戦勃発。再就役。北海などで船団護衛に従事
       4月〜ノルウェーへの輸送船団護衛や上陸作戦支援に従事
       6月〜北海や本国周辺にて船団護衛などに従事
      11月20日サウスウォールド沖にて独魚雷艇「S38」と交戦・撃沈(他艦と共同)
1943年前半オーバーホール及びレーダー等の設置工事を実施
1944年 4月〜南仏上陸作戦のため、上陸船団護衛に転属
       6月ノルマンディ上陸(ネプチューン作戦)を支援
       7月〜北海などで船団護衛や哨戒任務に従事
1945年 1月〜本国周辺にて哨戒任務に従事
       5月欧州での戦闘終了。再占領の支援を実施後、予備役艦となる
1947年 2月18日スクラップとして売却。同年解体処分
マルカム[Malcolm] (D19 → I19)
1918年 3月27日キャンメル・レイアード社にて起工
1919年 5月29日進水
      12月14日竣工。大西洋艦隊へ配属
1920年代予備役艦隊へ転属
1939年 9月〜第二次大戦勃発。本国周辺の哨戒任務などに従事
1940年 4月〜フランス・オランダからの連合軍脱出を支援する
       7月〜本国周辺や北海にて哨戒任務などに従事
      10月〜大西洋にて哨戒任務や船団護衛に従事
1941年 6月29日アイスランド南方沖にて独潜「U-651」を攻撃・撃沈(他艦と共同)
1942年 2月 3日船団護衛中、英駆「バーナム」(旧米駆「オーリック(初代)」)と衝突、損傷を負う
       8月ジブラルタルへ転戦。マルタ救援(ペデスタル作戦)に参加
       9月北海にて船団護衛に従事
      10月大西洋にて船団護衛に従事
      11月北アフリカ上陸支援のため艦隊に合流
      11月 8日アルジェ沖にて上陸支援中、陸上砲台の砲撃を受け損傷を負う
      12月〜本国へ帰還し、修理およびレーダー等の装備を実施(完了は翌年1月)
1943年 3月〜本国周辺や大西洋にて船団護衛に従事
1945年 5月欧州での戦闘終了。再占領の支援を実施後、予備役艦となる
       7月25日スクラップとして売却。同年解体処分
マッケイ[Mackay] (D70 → I70)
1918年 3月 5日キャンメル・レイアード社にて起工
      12月21日進水
1919年 5月19日竣工。大西洋艦隊に配属
1920年代初頭〜地中海艦隊や大西洋艦隊などで任務に従事
1938年〜本国艦隊へ転属。第2潜水艦隊に配属
1939年 9月〜第二次大戦勃発。本国周辺や北海にて哨戒任務や船団護衛に従事
      10月〜大西洋や欧州南西部にて船団護衛に従事
1940年 5月〜ダンケルク撤退を支援する
       5月28日ダンケルク沖にて姉妹艦「モントローズ」と衝突、損傷を負う
       7月〜北海や本国周辺などで哨戒任務や船団護衛に従事
1943年10月25日北海にて独魚雷艇隊と交戦、独魚雷艇「S63」を体当たりにて撃沈する
1944年 4月〜南仏上陸作戦のため、上陸船団護衛に転属
       6月ノルマンディ上陸(ネプチューン作戦)を支援
       7月〜北海や本国周辺などで船団護衛や哨戒任務に従事
1945年 5月〜欧州での戦闘終了。再占領の支援を実施後、ノア管区に転属
       8月第二次大戦終結。予備役艦となる
1947年 2月18日スクラップとして売却。翌年解体処分
スチュワート[Stuart] (D00 → I00)
1917年10月18日キャンメル・レイアード社にて起工
1918年 8月22日進水
      12月21日竣工。地中海艦隊へ配属
1919年ロシア内戦のため警備艦として黒海へ展開
1920年代〜地中海などで任務に従事
1933年5月に英海軍除籍。同年10月11日オーストラリア海軍へ譲渡・艦籍編入
(同月17日チャタムにて引き渡し、12月21日シドニー到着)
1939年 9月〜第二次大戦勃発。シドニーを拠点に哨戒任務に従事
      10月英海軍中国ステーションへ配備。英海軍指揮下となる
      11月〜コロンボ・アデンを経由して地中海へ進出。地中海艦隊へ転属
1940年 7月 9日マルタ島救援行動中、シチリア島東方沖にて伊艦隊と交戦(カラブリア岬沖海戦)
       8月23日ボンバ湾(リビア)の伊水上機基地を砲撃
       9月30日アレクサンドリア沖にて伊潜「ゴンダル」を攻撃・撃沈(他艦・航空機と共同)
      10月〜マルタ島にて修理を実施(完了は翌年1月)
1941年 2月〜地中海にて哨戒任務や船団護衛に従事
       4月〜クレタ島の英軍を支援。その後、英軍の脱出輸送に参加
       8月〜オーストラリアへ帰還
9月末から濠州ウィリアムズタウン工廠にて修理を実施(完了は翌年3月)
1942年 4月〜濠州周辺(南太平洋)にて船団護衛や上陸支援などに従事
1944年〜太平洋戦線にて兵員輸送や物資輸送に従事
1945年 8月第二次大戦終結。予備役艦となる
1946年 4月27日スクラップとして売却。翌年解体処分
モントローズ[Montrose] (D01 → I01)
1917年10月 4日ホーソンレスリー社にて起工
1918年 6月10日進水
       9月14日竣工。大西洋艦隊に配属
1919年ロシア内戦のため警備艦として黒海へ展開
1920年代〜地中海艦隊や本国艦隊などで任務に従事
1930年代前半予備役艦となる
1939年 8月再就役。予備役艦隊に配属
       9月〜第二次大戦勃発。欧州南西部や北海などで船団護衛に従事
1940年 5月〜ダンケルク撤退を支援する
       5月28日ダンケルク沖にて姉妹艦「マッケイ」と衝突する
       6月〜北海にて船団護衛に従事
       7月28日オールドバラ沖にて独軍機の攻撃を受け、損傷を負う
       8月〜修理を実施(完了は翌年1月)
1941年 2月〜北海や本国周辺にて船団護衛に従事
1943年 2月17日北海(?)にて独魚雷艇隊と交戦、独魚雷艇「S71」を撃沈(共同)
1944年 4月〜南仏上陸作戦のため、上陸船団護衛に転属
       6月ノルマンディ上陸(ネプチューン作戦)を支援
       6月 7日上陸作戦支援中、米輸送船と衝突し損傷を負う
       7月〜修理のため損傷状況の調査を行うが、全損判定となり修理は行われず
1945年 2月廃棄処分となり、翌年スクラップとして売却、解体処分
バリントン[Barrington]
1918年キャンメル・レイアード社へ発注されるが、1918年12月キャンセル
ヒューズ[Hughes]
1918年キャンメル・レイアード社へ発注されるが、1918年12月キャンセル


検索画面に戻るときはブラウザの「戻る」等の機能を使用してください。 LAST UPDATE 2018,02,28(FirstUp 2016,04,23)