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スペックデータ | ||
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排水量(水上):980t | 排水量(水中):1,250t | 全長:(全)78.5m |
出力(水上):1,800hp | 出力(水中):1,200hp | 全幅:5.89m |
最大速力(水上):14.5kt | 最大速力(水中):9.5kt | 吃水:4.19m |
航続距離(水上):10ktで3,500浬 | 航続距離(水中):5ktで100浬 | 乗員数:46〜54名 |
燃料搭載量:重油139t | 安全潜行深度:80m | |
主機関:Vickers-Normand式ディーゼル機関×2基、(メーカー不詳)電動モーター×2基、2軸推進 | ||
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ルィシュ [Ryś] | ヴィルク [Wilk] | ジュブィク [Żbik] |
第一次大戦終結により領土割譲でポーランド共和国が再誕した後、1924年に海軍戦力強化を目指す整備計画が策定され、その第一弾としてフランスに駆逐艦2隻(「ブルザ」型駆逐艦の項参照)とともに潜水艦3隻が発注された。
1926年に発注された当クラスは、仏海軍が第一次大戦末に建造した「ピエール・シャイレ」[Pierre Chailley](1917年起工、1921年進水。1936年退役)の設計を参考にしており、当時フランスで建造中だった「サフィール」型敷設潜水艦の拡大型とも言える艦であった。フランス式55センチ魚雷の発射管を6門(艦首に4、艦後部舷側の上構内に旋回式2)を持ち、艦内のノルマン・フノー式機雷収納筒に最大40個の機雷を搭載することが可能であった。
当クラスは1930年代初頭に順次竣工、ポーランド海軍に就役した。1939年の第二次大戦勃発前に当クラスはグダニスク湾の哨戒や機雷敷設などに従事しているが、同年9月ドイツ軍がポーランドへ侵攻すると散り散りとなり、全艦がイギリスへ向け脱出したが、「ルィシュ」と「ジュブィク」はイギリスへ向かうのを諦め、スウェーデンに脱出し中立国だったスウェーデンに終戦まで抑留された。「ヴィルク」のみがイギリスへたどり着き自由ポーランド海軍の一隻として哨戒任務や訓練に従事している。
終戦後は全艦がポーランドへ戻って、「ルィシュ」などは1950年代初頭には兵装をソビエト式に改めているが、全艦が1950年中盤に除籍された。
なお、最も竣工が早かった「ルィシュ」をネームシップとせず、「ルィシュ」よりも進水が早く第二次大戦で最も活躍した「ヴィルク」をネームシップとしている資料も多く見受けられる。
ルィシュ型 潜水艦の歴史 | |
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ルィシュ [Ryś] | |
1927年 5月28日 | 仏ロワール造船所[Ateliers et Chantiers de la Loire]にて起工 |
1929年 4月22日 | 進水 |
1931年 8月 2日 | 竣工 |
1932年〜 | 訓練任務や諸外国訪問航海などを実施 |
1936年 4月 1日 | 船内にて蓄電池の爆発事故発生。乗員14名が負傷 |
1939年 3月〜 | 欧州の情勢不安からグダニスク湾にて哨戒任務に従事 |
9月 1日〜 | 第二次大戦勃発。ポーランドが独軍の侵攻を受けたため、 同月中旬イギリスへ向け脱出するが燃料不足のためスウェーデンへ行先変更 |
9月18日 | スウェーデンに到着。24時間の猶予中に再出港できずスウェーデンに抑留となる |
1945年 8月 | 大戦終結により抑留解除。乗員のみポーランドへ帰還 |
10月 | 船体がポーランドへ返還される |
1946年 5月〜 | 修理及び近代化改修工事を実施(完了は49年) |
1949年〜 | 訓練任務やソビエトへの訪問航海などを実施 |
1951年頃 | 兵装をソビエト式のものに改修 |
1955年 1月10日 | 除籍。翌年解体処分 |
ヴィルク [Wilk] (英海軍艦番号 N63) | |
1927年 | 仏オーギュスタン・ノルマン造船所[Chantiers et Ateliers Augustin Normand]にて起工 |
1929年 4月12日 | 進水 |
1931年10月31日 | 竣工 |
1932年〜 | 訓練任務や諸外国訪問航海などを実施 |
1939年 9月 1日〜 | 第二次大戦勃発。ポーランドが独軍の侵攻を受けたため、 同月中旬イギリスへ向け脱出 |
9月20日 | 英ロサイスへ到着。同年10月から英海軍式の兵装への換装を実施 |
11月〜 | 英海軍指揮下で北海にて哨戒任務に従事 |
1940年 6月20日 | 任務中、正体不明の物体に衝突し軽微な損傷を負う (独潜や蘭潜に衝突したとの説があるが、明確な証拠はない) |
1941年 8月〜 | 第一線任務を退き、訓練任務に従事するようになる |
1942年 4月 2日 | 退役。デヴォンポートにて予備役艦として係留される |
1945年 8月 | 大戦終結。46年9月乗員のみポーランドへ帰還 |
1952年10月 | 船体がポーランドへ返還される |
1954年 | 除籍。後に解体処分 |
ジュブィク [Żbik] | |
1929年 | 仏フランセ造船所[Chantiers Naval Français]にて起工 |
1930年 6月14日 | 進水 |
1932年11月20日 | 竣工 |
1939年 9月 1日〜 | 第二次大戦勃発。ポーランドが独軍の侵攻を受けたため、 同月中旬イギリスへ向け脱出するが燃料不足のためスウェーデンへ行先変更 |
9月25日 | スウェーデンに到着。24時間の猶予中に再出港できずスウェーデンに抑留となる |
1945年 8月 | 大戦終結により抑留解除。乗員のみポーランドへ帰還 |
10月 | 船体がポーランドへ返還される |
1946年〜 | 修理及び近代化改修工事を実施 |
1955年 9月 9日 | 除籍。翌年解体処分 |