スレイプニル型 駆逐艦(水雷艇)

"Sleipner" Class Destroyers(Torpedo Boat)
"Sleipner" Klassen Jagere(Torpedobåter)


ノルウェー海軍 ノルウェー海軍


KNM Æger

KNM Odin
(上段)「エーゲル」(1936年)/(下段)「オーディン」(1939年)(両方ともPhoto from Wikimedia Commons)
スペックデータ(竣工時:兵装等は代表的なもの)
排水量:(基)597t ボイラー:Yarrow罐・重油専焼×3基 燃料搭載量:重油100t
全長:(全)74.3m
全幅:7.63m 主機:De Laval式ギヤードタービン×2基、2軸推進
吃水:2.2m
出力:12,500hp
武装:
40口径10.2cm単装砲3基、60口径40mm単装機関砲1基、
12.7mm単装機銃1基、53cm魚雷連装発射管1基、爆雷投射機4基
(Sleipnerは第二次大戦中に主砲を4inch単装高角砲2基へ換装した)
最大速力:32.0kt
航続距離:15ktで3,500浬
乗員定数:75名

同型艦名(6隻)
スレイプニル[Sleipner]エーギル[Æger]ギーレル[Gyller]
オーディン[Odin]バルドル[Balder]トール[Tor]

スレイプニル型 駆逐艦について
 スウェーデンとの同君連合時代から沿岸防衛に徹し、あまり規模の大きくない海軍しか保有していなかったノルウェーだが、1930年代に入って欧州情勢が不穏となったことから、海軍戦力の増強として小型駆逐艦の建造を行うこととした。
 1934年から王立海軍工廠にて1隻ずつ建造が行われた当クラスは、30年前に建造された「ドラグ」型より若干大型化したものの、同時代の他国駆逐艦に比べると小型で、資料によっては水雷艇として紹介されているものも見受けられる。主砲は「ドラグ」型の7.6センチよりも大型化した10.2センチ口径のものが搭載されたが、砲門数は3門と半分に低下した。また魚雷も世界標準となった21インチ(53.3センチ)直径のものに大型化しているが、発射管は2門に減少している。ただし建造当初から対空機関砲や爆雷投射機が搭載されるなど、航空機や潜水艦といった新鋭兵器への対抗を反映した兵装が装備されている。
 前期建造型とされる3隻(「スレイプニル」「エーギル」「ギーレル」)と後期建造型とされる3隻(「オーディン」「バルドル」「トール」)は若干設計が異なっており、後期型では対空機関砲をエリコン社製20ミリのものにするなどの変更が行われている。1940年にドイツ軍がノルウェーへ侵攻したため、後期型の「バルドル」と「トール」は未完成のままドイツ軍に捕獲され、「ギーレル」と「オーディン」もドイツ軍へ降伏し、この4隻はドイツ海軍に編入されることになった。「エーギル」はドイツ軍機の攻撃により戦没したが、イギリスへ逃れた「スレイプニル」とドイツ海軍で使用された4隻は第二次大戦を生き残り、終戦後はノルウェー海軍に復帰して1950年代末まで使用されている。

スレイプニル型 駆逐艦の歴史
スレイプニル[Sleipner]
1934年10月 3日ホルテンの王立海軍工廠にて起工
1936年 5月 7日進水
1937年 7月 1日竣工
1939年 9月〜第二次大戦勃発。沿岸部での哨戒任務などに従事
      10月20日ドイツ艦から逃れトロムソへ避難した米商船「シティ・オブ・フリント」を領海外へ
退去させる(ノルウェーは中立だったため24時間以内の滞在しか許可しなかった)
1940年 4月 8日〜トロンデラーグ沿岸域へ配備される
       4月 9日ドイツ軍のノルウェー侵攻開始
同月12日独輸送船2隻を追尾、1隻を拿捕するも1隻は自沈される
       4月20日〜ソグネ・フィヨルドにて防空任務に従事
       4月25日〜英国へ向け脱出。翌日ラーウィックへ到着
       6月〜英海軍指揮下でイングランド南方沿岸にて船団護衛に従事
1942年兵装の換装工事を実施
1944年 3月10日第一線任務を退役。英海軍予備役艦隊に編入
1945年 5月ドイツ降伏により、ノルウェーへ帰還するが保管船となる
1948年再就役。対潜フリゲートへ類別変更
1959年スクラップとして売却。後に解体処分
エーギル[Æger]
1936年?ホルテンの王立海軍工廠にて起工
1936年 8月25日進水
1937年竣工
1939年 9月〜第二次大戦勃発。沿岸部での哨戒任務などに従事
1940年 4月 8日〜トロンデラーグ沿岸域へ配備される
       4月 9日スタヴァンゲルにて独貨物船「ロダ」[Roda]を捕捉するも拿捕を拒否される
貨物船乗組員の退避後、沖合にて砲撃し自沈処分を行う
同日、スタヴァンゲル沖Hundvåg島付近で独軍機の攻撃を受け大破。船体放棄となる
 船体はHundvåg島へ漂着し、後に解体処分される
ギーレル[Gyller]
1938年?ホルテンの王立海軍工廠にて起工
1938年 7月 7日進水
1939年 9月 1日竣工
 ソ・フィン戦争(冬戦争)に伴い、中立を保つため北方海域にて哨戒任務に従事
1940年 4月〜クリスチャンサン沿岸域へ配備される
       4月 9日ドイツ軍のノルウェー侵攻開始
クリスチャンサンにて独軍に抵抗を行うが、同月11日埠頭にて鹵獲される
1940年後半〜独海軍へ編入。艦名を「レーヴェ」[Löwe]と改名し水雷艇に類別される
 独海軍水雷艇隊にて練習任務や護衛任務に従事
1945年 5月ドイツ降伏によりノルウェーへ返還され、ノルウェー海軍に駆逐艦として再就役
1948年対潜フリゲートへ類別変更
1959年スクラップとして売却。後に解体処分
オーディン[Odin]
1938年?ホルテンの王立海軍工廠にて起工
1939年 1月24日進水
      11月17日竣工
 ソ・フィン戦争(冬戦争)に伴い、中立を保つため北方海域にて哨戒任務に従事
1940年 4月〜クリスチャンサン沿岸域へ配備される
       4月 9日ドイツ軍のノルウェー侵攻開始
クリスチャンサンにて独軍に抵抗を行うが、同月11日降伏し鹵獲される
1940年後半〜独海軍へ編入。艦名を「パンター」[Panther]と改名し水雷艇に類別される
 独海軍水雷艇隊にて練習任務や護衛任務に従事
1945年 5月ドイツ降伏によりノルウェーへ返還され、ノルウェー海軍に駆逐艦として再就役
1948年対潜フリゲートへ類別変更
1959年スクラップとして売却。後に解体処分
バルドル[Balder]
1939年?ホルテンの王立海軍工廠にて起工
1939年10月11日進水
1940年 4月10日未竣工の状態で、侵攻した独軍に鹵獲。独軍の手により艤装工事続行
       7月26日独海軍編入。艦名を「レオパルド」[Leopard]と改名し水雷艇に類別される
 独海軍水雷艇隊にて練習任務や護衛任務に従事
1945年 5月ドイツ降伏によりノルウェーへ返還され、ノルウェー海軍に駆逐艦として再就役
1948年対潜フリゲートへ類別変更
1959年スクラップとして売却。後に解体処分
トール[Tor]
1938年11月FMV[Fredrikstad Mekaniske Verksted]社にて起工
1939年 9月 9日進水。王立海軍工廠へ回航され艤装工事を実施
1940年 4月12日未竣工の状態で侵攻した独軍に鹵獲。独軍の手により艤装工事続行
       6月13日独海軍編入。艦名を「ティーガー」[Tiger]と改名し水雷艇に類別される
 独海軍水雷艇隊にて練習任務や護衛任務に従事
1945年 5月ドイツ降伏によりノルウェーへ返還され、ノルウェー海軍に駆逐艦として再就役
1948年対潜フリゲートへ類別変更
1959年スクラップとして売却。後に解体処分


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