潜水艦 ヴェシッコ

Submarine "Vesikko"
Sukellusvene "Vesikko"


フィンランド海軍 フィンランド海軍


Vesikko
「ヴェシッコ」(1936年)
スペックデータ
排水量(水上):254t排水量(水中):303t全長:(全)40.9m
出力(水上):700hp出力(水中):360hp全幅:4.10m
最大速力(水上):13.0kt最大速力(水中):8.0kt吃水:3.80m
航続距離(水上):13ktで1,500浬
         (8ktで1,350浬説あり)
航続距離(水中):5ktで50浬
         (4ktで40浬説あり)
乗員数:16〜19名
燃料搭載量:重油 9t安全潜行深度:90m
主機関:MWM社[Motorenwerke Mannheim]製(MAN式)ディーゼル機関×2基+Siemens式電動モーター×2基、2軸推進
武装:
《魚雷5発搭載》53cm魚雷発射管3門(艦首3)、
60口径20mm単装機関砲1基、12.7mm単装機銃1基、
機雷20個搭載可能

同型艦名(1隻)
ヴェシッコ [Vesikko]

潜水艦 ヴェシッコについて

 第一次大戦で敗戦しベルサイユ条約により再軍備が禁止されたドイツだったが、抜け道として外国と密約を結び、技術提供のかわりに新兵器開発や(禁じられた兵器を使った)兵員の訓練などに便宜を図ってもらっていた。戦車や航空機などはソビエトの領土内でテストや訓練が行われているが、潜水艦に関してはフィンランドがその環境を提供することになった。
 1930年代初頭には、フィンランド海軍が発注・建造した「ヴェテヒネン」型潜水艦を使ってドイツ海軍の潜水艦乗員育成が行われているが、さらに一歩進んでドイツ海軍が再軍備を行う際に配備したい通商破壊作戦用の小型潜水艦の試作を計画し、フィンランド海軍に売却するという名目で1隻のプロトタイプが建造されることになった(註:国際連盟の協約でドイツ軍用の潜水艦建造は禁じられていたが、すでに潜水艦を保有している諸外国へ新造潜水艦の売却は可能とされていた)。

 オランダに設立されたIvS社[Ingenieurskantoor voor Scheepsbouw]により設計された艦は、1931年からフィンランドのクライトン−バルカン社で建造が開始されている。電気溶接を多用した船体を持つ当艦は1933年に進水し、ドイツ人の手により約1年間もかけて各種の試験がおこなわれ、1934年に竣工している。34年秋にフィンランド海軍が運行を引き継いだが、フィンランド議会が潜水艦の購入を認めたのは1935年末になってからで、海軍籍には36年初頭に編入となっている。

 1939年に勃発したソビエトとの戦争(冬戦争)では、当艦はフィンランド西部の哨戒任務に従事しているが、12月になって湾内が凍結するようになると行動が制限されたため、ほとんど活躍することはなかった。1941年に再燃した戦争(継続戦争)ではフィンランド湾東方やエストニア沿岸、ボスニア湾などで行動しているが、終戦後フィンランドの潜水艦保有が禁じられると退役となった。1950年代までドックに係留されてたが、スクラップとされる直前に博物館船としての展示が決定した。しかし長年放置されていた当艦は荒れ果ててしまい、引きはがされた部品も多かったため10年の歳月をかけて修復が行われ、1973年からようやく展示が開始されている。(Google Map


潜水艦 ヴェシッコの歴史
ヴェシッコ [Vesikko]
1931年 3月 7日クライトン−バルカン[Crichton-Vulcan]社にて仮称「CV707」として起工
1933年 5月10日進水
 ドイツ人により試験運行が行われる
1934年 4月30日竣工。同年8月フィンランドへ引き渡し
1936年 1月19日フィンランド海軍へ編入。艦名を「ヴェシッコ」と命名
1939年11月〜(ソビエトとの戦争勃発(冬戦争))
      12月〜フィンランド湾で哨戒に従事するも、同月中旬以降は海面凍結により行動不能
1940年 3月 6日(停戦協定締結。同月12日モスクワ講和条約締結)
1941年 6月26日(独軍の攻勢にあわせ、ソビエトに対し宣戦布告(継続戦争))
       6月〜フィンランド湾の哨戒に従事
同年秋以降はエストニア沿岸の哨戒や機雷敷設に従事
1944年 6月カレリア地峡にて船団護衛に従事
       9月(モスクワ休戦協定締結。継続戦争終了)
(国内の独軍を排除するための戦闘を開始(ラップランド戦争))
1946年退役。将来、潜水艦保有が認められた時のために保管船となる
1959年スクラップとして売却を決定するが、旧乗員や軍事史研究所からの要望により
博物館船として残されることとなり、修復作業が開始される
1973年 7月 9日博物館船として公開開始


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