神風(2代)型 駆逐艦

Destroyer KAMIKAZE(2) Class


神風
駆逐艦「第一駆逐艦」(1922年:公試時/後に「神風」と改名)
春風
駆逐艦「春風」(1934年:Photo from Wikimedia Commons)
スペックデータ
排水量:(常)1,400t ボイラー:ロ号艦本式罐・重油専焼×4基 燃料搭載量:重油 422t
全長:97.54m
全幅:9.16m 主機:三菱・パーソンス式オールギヤードタービン×2基、2軸推進
 (「追風」他3隻は艦本式オールギヤードタービン×2基)
吃水:2.92m
出力:38,500hp
武装:
45口径12cm単装砲4基、6.5mm単装機銃2基、
53cm魚雷連装発射管3基6門、1号機雷16個
最大速力:37.25kt
航続距離:14ktで3600浬
乗員定数:154名

同型艦名(9隻)
神風(2代)"Kamikaze(2)"朝風(2代)"Asakaze(2)"春風(2代)"Harukaze(2)"
松風(2代)"Matukaze(2)"旗風"Hatakaze"追風(2代)"Oite(2)"
疾風(2代)"Hayate(2)"朝凪"Asanagi"夕凪(2代)"Yuunagi(2)"[Yûnagi(2)]

神風(2代)型駆逐艦について
 先に建造された「野風」型の改良型で、兵装配置や機関などは「野風」型と同じだが、艦の復原力・安定性を増すために若干船体が大型化している(そのため最大速力は若干低下した)。八八艦隊計画での主力大型駆逐艦として二十七隻の建造が予定されていたが、ワシントン海軍条約締結により九隻で建造は中止された。
 大量建艦計画だったため名称に使用する言葉が足りず、艦名は番号を付ける事になっていたのだが、旧式な三等駆逐艦(その時点では掃海艇として使用されていた)が退役した事や建造計画の縮小などにより「風」の名称が使えるようになったため、昭和3年8月1日付けで固有名称による艦名に変更されている。
 なお、「追風」以降に建造された艦は若干設計変更を行っており、主機に艦本式タービンを搭載、武装も搭載予備魚雷を増やしたり爆雷投射機を追加搭載している(資料によっては「追風」以降の艦を後期型とし、それ以前の艦を前期型と区分しているものも見受けられる)。
 昭和16年12月11日に戦没した七番艦「疾風」は太平洋戦争での水上艦喪失第一号となった。「疾風」の沈没により第一次ウェーキ島攻略作戦は中止となり攻略部隊は一時退却したが、これが第二次大戦において陸上砲台が海からの侵攻部隊を撃退した唯一の事例となっている。

神風(2代)型駆逐艦の歴史
「神風」(2代)「神風」=神の威徳によって引き起こされる風のこと
1921年12月15日三菱長崎造船所にて「第一駆逐艦」として起工
1922年 9月25日進水
      12月28日竣工
1924年 4月24日艦名を「第一号駆逐艦」と改名
1927年12月〜大湊を根拠地に北方警備に従事
1928年 8月 1日艦名を「神風」と改名
1941年12月太平洋戦争に参加。北洋方面にて作戦に従事
1942年 6月アリューシャン攻略作戦に参加
      11月〜津軽海峡、宗谷海峡方面などで船団護衛に従事
1945年 1月〜南方海域に転戦。船団護衛、対潜作戦に従事
       5月16日ペナン沖にて英駆逐隊と交戦(ペナン沖海戦)
       6月 8日バンカ海峡にて英潜水艦に撃沈された重巡「足柄」の乗員を救助
       8月15日シンガポールにて終戦を迎える
      10月 5日内地に帰投。除籍
      12月 1日〜特別輸送艦に指定。復員輸送に従事
1946年 6月 7日御前崎付近にて座礁した元海防艦「国後」を救援中に座礁大破。船体は放棄される
       6月26日特別輸送艦の指定解除。翌年解体処分される
「朝風」(2代)「朝風」=朝に吹く風。また隼の異名でもある
1922年 2月16日三菱長崎造船所にて「第三駆逐艦」として起工
      12月 8日進水
1923年 6月16日竣工
1924年 4月24日艦名を「第三号駆逐艦」と改名
1927年12月〜大湊を根拠地に北方警備に従事
1928年 8月 1日艦名を「朝風」と改名
1941年12月太平洋戦争に参加。南方方面にて作戦に従事
1942年 3月バタビア沖海戦に参加
1943年〜フィリピン・ボルネオ方面の哨戒・護衛任務に従事
1944年 8月24日フィリピン沖にて米潜水艦「ハッド」の雷撃を受け沈没
      10月10日除籍
「春風」(2代)「春風」=春の暖かい風。東風(こち)と言い表す場合もある
1922年 5月16日舞鶴工廠にて「第五駆逐艦」として起工
      12月18日進水
1923年 5月31日竣工
1924年 4月24日艦名を「第五号駆逐艦」と改名
1927年12月〜大湊を根拠地に北方警備に従事
1928年 8月 1日艦名を「春風」と改名
1934年〜第一航空戦隊に転属。空母「龍驤」の直衛艦として任務に従事
1935年 9月26日演習中に暴風雨に遭遇。船体を損傷(第四艦隊事件)
1941年12月太平洋戦争に参加。フィリピン方面にて作戦に従事
1942年 3月バタビア沖海戦に参加。敵艦の砲撃を受け小破
      11月16日スラバヤ沖にて触雷、大破。呉工廠にて修理(翌年8月完了)
1943年 9月〜内地〜東南アジア間での船団護衛に従事
1944年10月24日船団護衛中、米潜「シャーク(2代)」と交戦、撃沈する
      11月 4日米潜「セイルフィッシュ」の雷撃を受け、艦尾を切断大破
1945年 8月15日大破したまま、佐世保にて終戦を迎える
     11月10日除籍
1948年船体は京都府竹野港の防波堤として使用されたが、台風により破損したため解体撤去
「松風」(2代)「松風」=松に吹く風。古来より詩歌に歌われる言葉である
1922年12月 2日舞鶴工廠にて「第七駆逐艦」として起工
1923年10月30日進水
1924年 4月 5日竣工
       4月24日艦名を「第七号駆逐艦」と改名
1928年 8月 1日「松風」と改名
1941年12月太平洋戦争に参加。ジャワ攻略作戦等に従事
1942年 3月バタビア沖海戦に参加
1943年 7月13日コロンバンガラ島沖夜戦に参加
1944年 2月17日トラック島にて敵機の攻撃を受け損傷するも、横須賀へ帰投する
       6月 9日父島近海にて米潜水艦「ソードフィッシュ」の雷撃を受け沈没
       8月10日除籍
「旗風」「旗風」=旗にあたってはためかせる風のこと
1923年 7月 3日舞鶴工廠にて「第九駆逐艦」として起工
1924年 3月15日進水
       4月24日艦名を「第九号駆逐艦」と改名
       8月30日竣工
1928年 8月 1日艦名を「旗風」と改名
1941年12月太平洋戦争に参加。蘭印攻略・フィリピン攻略作戦等に従事
1942年 3月バタビア沖海戦に参加
      5月横須賀警備隊に編入。対潜作戦に従事
      9月〜空母「雲鷹」の直衛としてトラックへ進出
1943年〜船団護衛等に従事
1945年 1月15日台湾にて敵機の攻撃を受け沈没
       3月10日除籍
「追風」(2代)「追風」=順風のこと。背後から吹く追い風
1923年 3月16日浦賀船渠にて「第十一号駆逐艦」として起工
1924年11月27日進水
1925年10月30日竣工
1928年 8月 1日艦名を「追風」と改名
1941年12月太平洋戦争に参加。ウェーキ島攻略作戦に従事
1942年 1月〜ラバウル・ラエ・サラモア攻略作戦に参加
       5月珊瑚海海戦に参加
       8月ガダルカナル島砲撃に参加
       9月〜船団護衛任務に従事
1944年 2月18日トラックにて敵機の攻撃を受け沈没
       3月31日除籍
「疾風」(2代)「疾風」=急に激しく吹きおこる風を指す
1922年11月11日石川島造船所にて「第十三号駆逐艦」として起工
1925年 3月23日進水
      12月21日竣工
1928年 8月 1日艦名を「疾風」と改名
1941年12月11日ウェーキ島攻略作戦中、敵陸上砲台の砲撃を受け沈没
1942年 1月15日除籍
「朝凪」「朝凪」=朝、陸風から海風に変わる際に一時的に
海上が無風状態となる現象を指す
1923年 3月 5日藤永田造船所にて「第十五号駆逐艦」として起工
1924年 4月21日進水
1925年12月29日竣工
1928年 8月 1日艦名を「朝凪」と改名
1941年12月太平洋戦争に参加。ウェーキ島攻略作戦に従事
1942年 7月26日ニューギニア付近にて敵機の攻撃を受け損傷
1943年〜船団護衛任務に従事
1944年 5月17日父島近海にて米潜水艦「ポーラック」の雷撃を受け沈没
       7月10日除籍
「夕凪」(2代)「夕凪」=夕方、海風から陸風に変わる際に一時的に
海上が無風状態となる現象を指す
1923年 9月17日佐世保工廠にて「第十七号駆逐艦」として起工
1924年 4月23日進水
1925年 4月24日竣工
1928年 8月 1日艦名を「夕凪」と改名
1941年12月太平洋戦争に参加。ウェーキ島攻略作戦に従事
1942年 8月 8日第一次ソロモン海戦に参加
1943年 7月13日コロンバンガラ島沖海戦に参加
     11月 2日ブーゲンビル島沖海戦に参加
1944年 6月19日マリアナ沖海戦に参加
       8月25日フィリピン沖にて米潜水艦「ピクダ」の雷撃を受け沈没
      10月10日除籍


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