M3リー/グラント中戦車

Medium Tank M3 "Lee" & "Grant"

米国陸軍 1941年

M3
上部車体が鋳造構造となったM3A1中戦車

下記写真はデアゴスティーニ社発行「隔週刊 コンバット・タンク・コレクション」付属の模型です(クリックで拡大(要Javascript))
M3
第57号(2014.08.19)
「M3グラントMk.」1943年


 新たに編成された米陸軍機甲部隊司令官と兵器局代表者の会議が1940年8月に行われ、新しい中戦車の仕様書が検討された。この仕様書にはポーランドやフランスでの戦訓を受け大口径砲の搭載や装甲強化が盛り込まれることになった。
 前年制式化されたM2A1中戦車もそれなりの性能を持っていたが、砲塔は37ミリ戦車砲用の小型のものだったため75ミリ砲を搭載できるはずもなく、また新規開発するにしても全周旋回砲塔に大口径砲を搭載した経験のない米国兵器局では開発に時間がかかるとして二の足を踏んだ。
 そこで75ミリ榴弾砲をスポンソン(車体の横に張り出した部分)に搭載したT5E2中戦車(M2中戦車の元となった試作車T5の試験用車両)に目を付け、この車体上部にさらに37ミリ砲を装備する全周旋回砲塔を搭載した車体を、M3中戦車として生産することにしたのである。当初は本格的な新型中戦車の完成までのつなぎとして限定的な生産が行われる予定だったのだが、北アフリカで苦戦している英軍が高性能よりもすぐに入手できる車両を欲していたため当車は大量に生産受注することになってしまった。
 1941年4月に生産が開始された量産型は、車体スポンソンに旧式榴弾砲を車載用に改良した75ミリM2戦車砲を搭載し、最上部の旋回砲塔にはM5軽戦車と同じ37ミ リM6戦車砲が搭載された。M4中戦車の生産が軌道に乗るまでの1年半に6,000両以上が生産され、その半分以上は英国やソ連へ供与された。

スペックデータ(M3)
全長 5.64m全高 3.12m
全幅 2.72m重量26.0トン
最高速度39km/h行動距離193km
発動機コンチネンタルR975-EC2空冷星形9気筒ガソリンエンジン 400馬力×1基
乗員数6名総生産数6,258両
武装M2-75mm戦車砲×1、M6-37mm戦車砲×1、M1919A4-7.62mm機銃×3
最大装甲厚(上面)13mm〜(前面)51mm
派生改良型 T5E2:元となった試作車。これに上部旋回砲塔を搭載したものが量産型となった
M3 (初期型):M2戦車砲を搭載したモデル
M3 (後期型):主砲をM3戦車砲に変更したモデル
M3 Diesel:ギバーソン・ディーゼルエンジンを搭載したモデル。M3A1、M3A2にもある
M3A1:上部車体が鋳造構造となったモデル
M3A1E1:ライカミング6気筒エンジンを3基搭載した試験用車両
M3A2:車体全体を溶接構造としたモデル
M3A3:M3と同様の車体だが、エンジンはGMディーゼル2基のモデル
M3A4:クライスラー・マルチバンクエンジン搭載型。若干車体長が延長された
M3A5:M3A3の車体を溶接構造に改めたモデル。サイドドア廃止
Lee:英国へ供与された車両の英軍呼称
Lee Mk.I:米軍のM3と同等
Lee Mk.II:米軍のM3A1と同等
Lee Mk.III:米軍のM3A2と同等
Lee Mk.IV:米軍のM3A3と同等
Lee Mk.V:米軍のM3A3と同等
Lee Mk.VI:米軍のM3A4と同等
Grant:英国向けモデル。上部砲塔が背の低いものに変更されている
Grant Mk.I:米軍のM3に準ずる車体
Grant Mk.I:米軍のM3A5に準ずる車体