M5スチュアートVI軽戦車

Light Tank M5 "Stuart6"

米国陸軍 1942年

M5
改良型砲塔を採用したM5A1軽戦車

 太平洋戦争が始まりM3軽戦車の生 産が拡大していくとM3に搭載するコンチネンタルエンジンの生産が車体の生産に追いつかなくなって きた。そこで米国陸軍では供給不足を補うつなぎとしてギバーソンディーゼルエンジン搭載型のM3 (およびM3A1)も生産したのだが、このディーゼルエンジン搭載型は実戦部隊の評判が良くなかっ たため、主に訓練任務に使用されるのみにとどまった。
 1941年後半になって自動車メーカーであるGM社キャデラック部門がM3軽戦車の動力として 自社製自動車用エンジン2基を搭載することを提案、試験用車両M3E2を制作しテストを行ったと ころ約800kmの距離を無故障で走破して高信頼性を示したため制式採用となりM5軽戦車と名付けら れた。実際にはM4と名付けるべきであったのだが、米軍の主力であり同型式番号を持つ中戦車( M4シャーマン)との混同を避ける ため軽戦車はM4が欠番となった。
 キャデラックエンジンは星形エンジンであるコンチネンタルよりも小さく、駆動シャフトも低い位 置に取り付けられるため車内が広くなり、窮屈だった砲塔バスケットが下方へ延長されている。また 当車には自動変速装置が採用されているため操縦も非常に容易となっている。
 ヨーロッパ戦線では他の軽戦車同様に偵察車両として終戦まで使用されたが、太平洋戦線では旧式 かつ弱体の日本戦車を相手に圧倒的な威力を発揮し、戦列戦車として1943年末頃にM4中戦車が 大量に配備されるようになるまで活躍している。

スペックデータ(M5)
全長 4.34m全高 2.30m
全幅 2.24m重量14.1トン
最高速度58km/h行動距離160km
発動機キャデラック水冷V型8気筒ガソリンエンジン 110馬力×2基
乗員数4名総生産数8,884両
武装M6-37mm戦車砲×1、M1919A4-7.62mm機銃×3
最大装甲厚(上面)25mm〜(前面)38mm
派生改良型 M5 Stuart VI:初期生産型。車体・砲塔はM3A1の改良型である
M5A1:後期生産型。車体や砲塔をM3A3同様のものに変更、各部に改良を加えられた
M5A1 E7-7:主砲の替わりにE7-7火炎放射装置を搭載した車両
M5A1 E9-9:英軍のCrocodile火炎放射装置をベースにしたE9-9を搭載した車両
M5A1 T39:T39ロケットランチャー(72inchロケット弾×20)を装備した車両
M5A1E1:幅広の鋼製履帯を装備した試験用車両