M3スチュアート軽戦車

Light Tank M3 "Stuart"

米国陸軍 1940年

M3
円筒形の鋳造砲塔を搭載したM3後期型

 M2軽戦車シリーズの最終型であ るM2A4をベースに、大戦初期のフランスにおける英仏軍の戦訓を盛り込んで開発された軽戦車。装甲の 強化に伴う重量増加に対応するため接地式誘導輪が採用されており、車体の上部構造も若干延長され ている。しかし、ベースとなったM2そのままのリベット接合や車体両側に搭載された固定機銃など 古くさい部分も残されていた。
 1940年7月に制式採用となったものの、製造メーカーであるアメリカン・カー・アンド・フ ァンダリー社ではM2A4の製造が続いていたため当車の生産開始は翌年3月からとなっている。
 1941年7月から英軍の手により北アフリカ戦線へ投入され、その軽快さと高信頼性から優秀な 偵察車両として高い評価を得ており、翌年投入されたビルマ戦線では日本軍の 九五式軽戦車部隊を壊滅さ せるなどの活躍を示している。結局ビルマ戦線では歩兵兵力の圧倒的な差により英軍はラングーンか ら撤退しており、日本軍は無傷で捕獲した少数の当車両を鹵獲兵器として使用している。
 1942年中期になって後継車両である M5軽戦車が製造されるようになる と次第に第一線から引き上げられ、43年には完全に第一線装備から外された。
 なお各タイプに付けられているスチュアートI〜Vの名称は英軍での呼称であるが、最初にスチ ュアートと名付けられたのは米国から最初に供与された軽戦車M2A4であった。

スペックデータ(M3)
全長 4.52m全高 2.52m
全幅 2.24m重量12.3トン
最高速度57km/h行動距離110km
発動機コンチネンタルW670空冷星形7気筒ガソリンエンジン 250馬力×1基
乗員数4名総生産数13,859両
武装M5-37mm戦車砲×1、M1919-7.62mm機銃×5
最大装甲厚(上面)12mm〜(前面)38mm
派生改良型 M3 Sturat I (初期型):リベット接合の車体と砲塔を持つモデル
M3 Sturat I (中期型):溶接構造の車体にリベット接合の砲塔を搭載したモデル
M3 Sturat I (後期型):溶接構造の車体に円形の鋳造砲塔を搭載したモデル
M3 Stuart II:ギバーソン・ディーゼルエンジンを搭載したモデル。主に訓練用
M3E1:カミンズHBSディーゼルエンジンを搭載した試験用車両
M3E2:キャデラック自動車用エンジン2基、油圧式変速機を搭載した試験用車両
M3E3:M3E2の砲塔をバスケット式としたものを装備した試験用車両
M3E4:ストラウスラー浮航装置を装備した試験用車両
M3A1 Stuart III:キューポラを撤去し車高を下げたモデル。各部に改良が施された
M3A1 Stuart IV:Stuart IIIと同様の車体だが、ギバーソン・ディーゼルエンジンを搭載
M3A1 Satan:主砲の替わりにサタン火炎放射装置を搭載したモデル。米海兵隊が使用
M3A2:溶接構造の車体を持つ改良モデル。量産化されなかった
M3A3 Stuart V:シリーズ最終型。新設計の砲塔と車体を持ち若干サイズが拡大した
General Stuart:英国に供与された車両の英軍総称