M18ヘルキャット対戦車自走砲

3inch Gun Moter Carriage M18 "Hellcat"

米国陸軍 1943年

M18
M18ヘルキャット対戦車自走砲(後期生産型)

 既存の中戦車車体を利用して開発された M10対戦車自走砲と同時期に新規 開発された戦車駆逐車。最初はクリスティー式サスペンションを利用した車体に37mm対戦車砲を搭載す る軽駆逐戦車として開発が始められたのだが、北アフリカでドイツ軍戦車に苦戦した英軍の戦訓から火 力を強化した駆逐戦車が望まれたため搭載砲を75mm戦車砲に変更して開発が続けられ、T67と名付け られた試作車両が完成している。
 T67の試験を行っている頃ビュイック社が米国メーカーとして初めてトーションバーサスペンショ ンを完成させたため、懸架装置にトーションバーを採用し76mm戦車砲を搭載するT70の試作が始まり、 43年7月に試作1号車が完成した。しかもT70の設計が開始されて間もない43年1月には1,000両 の生産発注が行われていたため試作車の完成と同時に量産へ着手、M18として制式採用された同年1 1月時点で既に数百両が完成している状態であった。
 M10同様に敵戦車との近接戦闘は考慮されていなかったため車体装甲は薄かったが、とりあえず砲 塔上面は鉄板でふさがれた。搭載するエンジンは米国中戦車の伝統であるコンチネンタル星形エンジン だが、M4中戦車の半分し か車体重量が無いため非常に機敏な機動性を持つことになった。米国戦車初のトーションバーも良好で、 以降開発される米国戦車にはトーションバーサスペンションが採用されている。
 ノルマンディー上陸作戦以降米軍の戦車駆逐大隊に配備され、ヒットエンドランを信条とした軽快な 戦闘車両として活躍した。

スペックデータ(M18対戦車自走砲)
全長 6.65m全高 2.58m
全幅 2.87m重量16.1トン
最高速度88km/h行動距離168km
発動機コンチネンタルR975-C1星形空冷9気筒ガソリンエンジン 340馬力×1基
乗員数5名総生産数2,507両
武装M1-76mm戦車砲×1、M2-12.7mm機銃×1
最大装甲厚(上面)12.7mm〜(前面)25.4mm
派生改良型 T70:試作車。米軍戦車初のトーションバー採用
M18:量産型。搭載砲にはM1A1、M1A1C、M1A2の細分があった
M39:当車の車体を流用した多用途装甲車。牽引・輸送・偵察などに使用された