M10 対戦車自走砲

3inch Gun Moter Carriage M10

米国陸軍 1942年

M10
M10対戦車自走砲(後期生産型)

 中戦車の車体を利用した自走榴弾砲( M7プリースト)の成功に自信を 得た米国陸軍では、次に高初速砲を搭載した戦車駆逐車を開発することにした。戦車駆逐車とは対 戦車戦闘を主眼においた自走砲で、歩兵部隊を敵戦車から守るのが主任務である(通常の中戦車は 歩兵部隊と協同するよりも独立集中運用されることが多い)。
 M3中戦車の車体に限定旋回式 3インチ高射砲を搭載したM9自走砲がまず制作され42年4月に準正式となったが、実戦部隊か ら『全周旋回砲塔を装備し被弾率を下げるため背の低い車両』を再度要求してきたため M4中戦車の車体に M6重戦車の主砲を搭載したT35 の試作が開始され、このT35の側面装甲を傾斜させ車体高を低くした改良型T35E1が6月に M10として制式化された。
 オープントップの五角形全周砲塔は重量バランスが悪く、旋回に支障があったため砲塔後部にカ ウンターウェイトが取り付けられている。なお英国へ供与された車体の大半は主砲を17ポンド砲 に換装したアキリーズへ 改修された。
 17ポンド砲を搭載したアキリーズはドイツ軍重戦車の装甲し対して威力を発揮できたため対戦 車戦闘でも活躍したが、米軍が使用していた3インチ砲搭載のM10は ティーガーパンターといった高 い防御力を誇る戦車に対抗できず非力だったため歩兵直協任務以外に使用されることは少なかった (そのため M36対戦車自走砲が 開発されることになった)。

スペックデータ(M10対戦車自走砲)
全長 5.96m全高 2.89m
全幅 3.04m重量29.6トン
最高速度48km/h行動距離320km
発動機GMC水冷直列6気筒ディーゼルエンジン 210馬力×2基
乗員数5名総生産数6,706両
武装M7-3inch戦車砲×1、M2-12.7mm機銃×1
最大装甲厚(上面)なし〜(前面)57mm
派生改良型 T35:M4中戦車ベースの試作車。砲塔は円形だった
T35E1:改良型試作車。砲塔は五角形になり、側面装甲に傾斜がついた
M10:M4A2中戦車をベースにした量産型。後期型は砲塔容積が拡大している
M10A1:M4A3中戦車の車体(ガソリンエンジン)をベースにしたモデル
Achilles:英国へ供与された車体。詳細は英国戦車の項を参照