T−35重戦車

Heavy Tank T-35

ソビエト赤軍 1935年

T-35
T−35重戦車(1935年型)

 第一次大戦末期にフランスが制作した 2C重戦車や1920年代に英国が開 発した多砲塔重戦車インディペンデントに影響を受けソビエトでも1930年代初頭にT−32重 戦車の開発が行われた。このT−32は中央におかれた主砲塔の周りに4基の副砲塔をおいたもの で、T−28中戦車の補充という意 味合いもあったのだが、ごく少数が生産されただけに終わっている。
 このT−32の改良型として生まれたのがT−35で、エンジンの高出力化や弾薬庫の拡大、装 甲強化、無線の搭載などの改良が施されている。主砲塔にはT−32と同様76.2mm戦車砲が搭載さ れ、4基ある副砲塔には45mm戦車砲(右前と左後)または7.62mm機銃(左前と右後)を装備した。
 大戦前のソビエト赤軍では軽戦車や中戦車を中心に考えていたため、T−35の生産数はごく少 ない。大戦初期の独ソ戦に投入されたが、鈍重なうえ車体の割に装甲が薄かったためドイツ軍対戦 車砲の餌食となってしまった。

スペックデータ(T−35)
全長 9.60m全高 3.43m
全幅 3.20m重量45.0トン
最高速度29km/h行動距離70km
発動機M-17M 水冷V型12気筒ガソリンエンジン 500馬力×1基
乗員数10名総生産数約30両
武装PS-3 76.2mm戦車砲×1、M1932 45mm戦車砲×2、7.62mm機銃×2〜6
最大装甲厚(上面)11mm〜(前面)35mm
派生改良型 T-35(初期型):1935年型と呼ばれる。角形副砲塔を持つ初期生産型
T-35(後期型):1938年型と呼ばれる。円錐形副砲塔搭載。車体一部が溶接構造となった
T-35指揮戦車:1935年型に無線装備を充実したモデル。主砲塔にフレームアンテナ装備
T-100:T-35の後継車として試作された車両。大型砲塔2基を階段配置とした多砲塔戦車