T−26軽(歩兵)戦車

Light (Infantry) Tank T-26

ソビエト赤軍 1931年

T-26TU
手すり型アンテナを装備したT−26TU(T−26A−4V)指揮戦車

 1929年に始まった最初の5カ年計画によりソビエトでは各種サイズの国産戦車の開発を推進 していた。しかし構造的に不備が多かったり垢抜けない部分があったため、並行して海外から製造 ライセンスを入手して戦車を国内生産することで技術の習得を図った。
 ソビエト政府は1930年にイギリスから数種の戦車の見本車両と製造ライセンスを手に入れた が、そのうちビッカース社が主力輸出戦車として各国へ輸出していた6トン戦車がこのT−26軽 戦車の原型である。
 6トン戦車には複砲塔に機銃を搭載したA型と単砲塔のB型があったが、ソビエトが最初に制作 したのは複砲塔のA型に準ずるもので、搭載兵装以外はほぼビッカース製と同じ作りであった。
 ソビエトでは各種改良を加えつつ複砲塔型および単砲塔型を生産、火炎放射器を搭載した火炎放 射戦車や無線装備を搭載した指揮戦車などのバリエーションも開発され、当時の戦車としては群を 抜く数(12,000両弱)が生産された。
 スペイン内乱や大戦初期のフィンランド冬戦争などに投入され活躍した。またトルコや中国では 当車を輸入して配備したほか、フィンランドでは捕獲した当車が1941年以降の継続戦争初期に おいて陸軍戦車隊の中核をなすという面白い現象が起こっている。

スペックデータ(T−26A−5)
全長 4.80m全高 2.06m
全幅 2.39m重量 8.5トン
最高速度35km/h行動距離175km
発動機水平対向4気筒ガソリンエンジン 88馬力×1基
乗員数3名総生産数約12,000両
武装37mm戦車砲×1(右砲塔)、7.62mm機銃×1(左砲塔)
最大装甲厚(上面)6mm〜(前面)15mm
派生改良型 T-26A-1:1931年型とも言う。ビッカース社から購入した6トン戦車A型
T-26A-2:A-1と同様の車両だが、ソビエト国内で生産された。両砲塔に7.62mm機銃搭載
T-26A-3:A-2と同様の車両だが、右砲塔に12.7mm機銃を装備
T-26A-4:A-2と同様の車両だが、右砲塔に27mm機関砲を装備
T-26A-5:A-2と同様の車両だが、右砲塔に37mm戦車砲を装備
T-26TU:別名T-26A-4V。A-4に無線装備を搭載した指揮戦車。A-5ベースのA-5Vもある
OT-26:A型の左砲塔を撤去し右砲塔に火炎放射器を装備した火炎放射戦車
T-26B-1:1933年型とも言う。37mm砲(後期型は45mm砲)を装備した単砲塔型
T-26B-2:主要部を溶接構造とし、砲塔にカウンターウェイトを装備した
T-26B-1V:B-1に無線装備を搭載した指揮戦車。T-26TU,1933年型とも言う
AT-1:布張り複葉翼と双胴式尾翼を装着したグライダー戦車試作車。B-1ベース
OT-130:B型の主砲を火炎放射器に変更した火炎放射戦車
T-26S:1937年型ともT-26Cとも言う。大部分を再設計した改良型
T-26E:T-26S,1939年型ともT-26Eとも言う。追加装甲と主砲安定装置を搭載
OT-133:S型の主砲を火炎放射器に変更した火炎放射戦車
AT-1砲兵戦車:グライダー戦車と同名だが、こちらはB-1に76mm榴弾砲を装備した支援戦車
T-46:T-26の車体にクリスティー式サスペンションを搭載した試作車