SU−100対戦車自走砲

100mm Self-Peopelled Gun SU-100

ソビエト赤軍 1944年

SU-100
ドイツ軍の撤退したチェコの町を進撃するSU−100

 85mm戦車砲を搭載したT−34/85中戦車が 戦線へ投入されるようになって、 対戦車自走砲SU−85の存在意義が薄くなっ てくると、SU−85の車台にさらに強力な砲を搭載した対戦車自走砲が望まれるようになってきた。そこで当 時のソビエトで最も装甲貫徹力が強いと考えられていたD-10S 100mm砲を搭載したSU−85の火力強化版が製 造されることになったのである。
 D-10Sはソビエト海軍の戦艦や重巡洋艦の副砲・高射砲として搭載されていた10cm砲をベースにしたもので、 約16kgの徹甲榴弾を初速1,000m/s以上で発射でき、1,000mの距離で厚さ185mmの防弾鋼板(垂直面)を貫通でき た。この威力はドイツ軍最強の戦車であった 6号戦車B型(ティーガーII、ケーニヒス・テ ィーガー)を正面から撃破可能なものであった。この砲は戦後ワルシャワ条約軍の中核となるT−54/ 55戦車にも搭載されている。
 1945年初頭から戦線へ投入されるようになった当自走砲だったが、想定されたドイツ重戦 車との対戦車戦闘はドイツ軍がすでに弱体化していたためほとんど行われず、主にトーチカ撃破 などの歩兵部隊支援に従事することが多かった。戦後余剰となった車両や戦後も続いて生産され た車両は東欧諸国軍へ供与された他、チェコスロバキアでは1950年代にライセンス生産が行 われ、チェコスロバキア製の車両はエジプトなどに輸出が行われており1970年代まで使用さ れている。

スペックデータ(SU−100)
全長 9.45m全高 2.25m
全幅 3.00m重量31.6トン
最高速度48km/h行動距離320km
発動機V-2-K 水冷V型12気筒ディーゼルエンジン 500馬力×1基
乗員数4名総生産数約1,700両(ソ連製のみ)
武装D-10S 100mm戦車砲×1
最大装甲厚(上面)不明〜(前面)45mm
派生改良型 SU-100:艦砲改良の戦車砲を搭載した対戦車自走砲