BT(БТ)−5中戦車

Medium Tank BT-5

ソビエト赤軍 1933年

BT-5
BT−5中戦車(1934年型)

 アメリカの技術者ウォルター・クリスティーが開発したクリスティー戦車シリーズは強力 なエンジンと高速走行を可能とするサスペンションの組み合わせにより高速戦車の一時代を 築いた。しかしアメリカ本国ではクリスティーの開発した戦車は注目されず、クリスティー 式を実戦車両に多用したのはソビエトだった。ソビエトでは輸入したクリスティーM1931戦 車を元にしたBT−1(BTは高速戦車を表すロシア語BystrochodnijTank:ビストロホドヌ イ・タンクの略)戦車を試作、続いて量産化に向いたBT−2、改良型のBT−3/4と独自 に改良発展を続け、これらの後継としてBT−5中戦車を完成させた。
 舗装道路では履帯を外し転輪のみでの高速走行が可能なのは他のクリスティー式戦車と同 様だが、これまでのBTシリーズよりも強化されたエンジン(航空機用のものを搭載)や大 型化された砲塔、強化サスペンションなどを備え、より大量生産に向くよう設計された当車 は大戦前のソビエト戦車部隊の中核として活躍、兵士たちは当車に「ベチューシカ」や「ベ トカ」という愛称を付け歓迎した。
 当車のバリエーションには76mm榴弾砲を搭載した近接支援型や無線装備を充実し砲塔にフ レームアンテナを装備した指揮戦車がある。

スペックデータ(BT−5)
全長 5.49m全高 2.21m
全幅 2.23m重量11.5トン
最高速度52km/h(車輪走行時最高74km/h)行動距離120km
発動機M-53 水冷V型12気筒ガソリンエンジン 350馬力×1基
乗員数3名総生産数1,884両
武装M1932-45mm戦車砲×1、7.62mm機銃×2
最大装甲厚(上面)6mm〜(前面)13mm
派生改良型 BT-5(初期型):1933年型とも呼ばれる初期型。砲塔後部に箱形張り出しがある
BT-5(後期型):1934年型とも呼ばれる量産型。大型円筒形砲塔を装備
BT-5A:主砲を76.2mm榴弾砲に換装した近接支援モデル
BT-5(V):BT-5TUとも呼ばれる。無線装備を充実した指揮戦車。砲塔にフレームアンテナ装備