シャーマン・ファイアフライ中戦車

Medium Tank "Sherman Firefly"

英国陸軍 1943年

ファイアフライ
シャーマンIV(米国名M4A3)に17ポンド戦車砲を搭載したファイアフライIVC

 第二次大戦中に英国陸軍の主力戦車であったのは、米国製の M4シャーマン中戦車であった。当初は 米国で製造されたM4A1などがそのまま使用されていたが、1943年になって英国で開発された高初 速の17ポンド戦車砲をシャーマンに搭載したものを開発する事に決定した。これは同17ポンド戦 車砲を搭載した 巡航戦車チャレンジャーが期待 できる性能を示せなかった場合の保険的意味合いが強かったのだが、結果的にこの保険は正解であっ たといえよう。
 米国からレンド・リース法により供与されたシャーマン中戦車の車体を利用して、17ポンド戦車 砲搭載の砲塔を組み合わせた車両であるが、砲が大きかったため砲塔は従来のシャーマン中戦車のも のに若干の改修が加えられ、砲も90度横向きに搭載されたため給弾は砲尾の左側(通常は上)から 行うようになっていた。砲尾のサイズが砲塔内一杯を占めていたため装填手は砲塔上部の車長用ハッ チから出入りできなくなり、別に装填手用ハッチが設けられている。また砲弾搭載スペースを増やす ため車体に装備された機銃座は廃止された。
 1944年から実戦配備が開始された当車は集中運用されることは無く、ヨーロッパへ展開した各 機甲師団へ1個中隊に1〜2両の割合で分散配備された。しかしドイツ戦車と対等に戦える火力こそ 得たものの、防御力は通常のシャーマン中戦車と同じなので近距離でドイツ重戦車や重対戦車砲と遭 遇すると不利であったため、先陣の露払いを務める駆逐戦車的な使用方法よりも味方戦車について行 く火力支援車的な扱いが多かった。

スペックデータ(ファイアフライIIC)
全長 7.42m全高 2.74m
全幅 2.67m重量32.7トン
最高速度40.0km/h行動距離160km
発動機コンチネンタルR-975-C1空冷9気筒ガソリンエンジン 400馬力×1基
乗員数4名総生産数600両
武装17ポンド(77mm)戦車砲×1、7.62mm機銃×1
最大装甲厚(上面)13mm〜(前面)89mm
派生改良型 Firefly IIC:M4A1(Sherman II)の車体を使用した車両
Firefly IVC:M4A3(Sherman IV)の車体を使用した車両
Firefly VC:M4A4(Sherman V)の車体を使用した車両