歩兵戦車Mk.III バレンタイン

Infantry Tank Mk.3 "Valentine"

英国陸軍 1940年

バレンタイン
砲塔を拡大したバレンタインIII

 1938年に マチルダ歩兵戦車の後継開発要求が 出されたときにビッカース社が自主開発していた戦車。 巡航戦車Mk.IIをベースに 設計が進められており、英軍は試作車が完成していないにもかかわらず275両の第一次発注を行って いる。
 1940年2月14日(バレンタインディ)に試作車が完成した事から、バレンタインと名付けら れた当車は、巡航戦車Mk.II同様に3個一組のボギー式転輪を持つ車体であり、装甲を強 化した際の重量増加を危惧した設計陣により砲塔は小型化されている(後にこの小型砲塔では扱いづ らいとしてサイズが拡大された)。
 実戦部隊に配備されたのは1940年末からで、北アフリカ戦線では故障知らずの高い信頼性が好 評を得た。また太平洋戦域にも配備されベララベラやマダガスカルでの戦闘に使用されている。19 44年のノルマンディ作戦頃には実戦部隊から退きつつあり、引退した車両は架橋戦車や地雷処理車、 対戦車自走砲などに改造されている。
 なおカナダで生産された車両の大半はソビエトへの供与に使われており、ソビエト軍兵士の間では 「連合国から供与された戦車のうちでは最優秀」との評価もあった。

スペックデータ(歩兵戦車Mk.III)
全長 6.02m全高 2.27m
全幅 2.63m重量17.3トン
最高速度24.1km/h行動距離145km
発動機AEC水冷直列6気筒ガソリンエンジン 135馬力×1基
乗員数4名総生産数8,275両
武装2ポンド(40mm)戦車砲×1、ベサ7.92mm機銃×1
最大装甲厚(上面)8mm〜(前面)65mm
派生改良型 歩兵戦車Mk.III:初期生産型。ガソリンエンジン搭載。Valentine I
歩兵戦車Mk.III*:AECディーゼルエンジン(165hp)搭載。サイドスカート装備。Valentine II
Valentine III:Valentine IIの砲塔を拡大したモデル
Valentine IV:Valentine IIと同様だが、GMCディーゼルエンジンを搭載している
Valentine V:Valnetine IIIと同様だが、GMCディーゼルエンジンを搭載している
Valentine VI:カナダでの生産型。GMCディーゼル搭載、ブローニング機銃装備。大半はソ連へ供与
Valentine VII:カナダ生産型の改良型。投棄可能な外部燃料タンクを装備。同様なVII A型もある
Valentine VIII:Valentine IIIに6ポンド戦車砲を搭載したモデル
Valentine IX:Valentine Vに6ポンド戦車砲を搭載したモデル
Valentine X:Valentine IXに似るが新規に生産されたモデル
Valentine XI:75mm戦車砲搭載モデル。全体が溶接構造化された
Valentine DD:水上走行フロートを装備したモデル。少数が実戦参加した
Valentine ARMA Mk.Ib:地雷処理装置ARMAを装備したモデル
Valentine 火炎放射戦車:火炎放射器装備型。着火方式に無煙火薬式とガス式の二種類がある