歩兵戦車Mk.I マチルダI (A11)

Infantry Tank Mk.1 "Matilda-1" (A11)

英国陸軍 1937年

マチルダI
歩兵戦車Mk.I マチルダI

 高速を生かして偵察や突破任務に従事する巡航戦車と対極をなす戦車が歩兵戦車である。歩兵戦車の主任務は 徒歩で進軍する歩兵の支援で、1934年に英国陸軍参謀本部が歩兵戦車の開発を要請した段階では歩兵部隊の 先頭に立ち敵の機関銃陣地を制圧することが求められていた。そこで速度や砲火力を犠牲にして(と言うか高速 力や高い破壊力は求められなかった)、当時のあらゆる対戦車砲に耐えうる重装甲を施した戦車が製作されたの である。
 当初は 巡航戦車Mk.Iベースの車両が開発さ れたが、これは装甲が不十分だったため歩兵戦車には不適とされ(後に 巡航戦車Mk.IIとして採用された)、 新規にA11の名で設計が行われた。この設計では出来る限りコストを抑えるため既存の技術転用が図られており、 サスペンションやエンジンは旧式車両などで使用していたものがそのまま使われている。当時の戦車としては異 常ともいえる重装甲を施した当車は歩兵戦車Mk.Iとして制式採用され、後にマチルダという愛称で親 しまれるようになった。
 第二次大戦開戦時には旧式化していた当車だったが一部の実戦部隊では現役で、ダンケルク撤退の際にはドイ ツ軍の前に立ちふさがり部隊の撤退のための時間を稼ぐなどの活躍を示している(この時ドイツ軍の装備してい たラインメタル37mm対戦車砲では当戦車の装甲を貫通できなかったため、ドイツ軍は III号戦車の搭載砲を50mmに強化することとな った)。

スペックデータ(歩兵戦車Mk.I)
全長 4.85m全高 1.87m
全幅 2.29m重量11.0トン
最高速度12.8km/h行動距離130km
発動機フォード水冷V型8気筒ガソリンエンジン 70馬力×1基
乗員数2名総生産数139両
武装ビッカース7.7mm機銃×1(またはビッカース12.7mm機銃×1)
最大装甲厚(上面)10mm〜(前面)60mm
派生改良型 A11:陸軍での開発名称
歩兵戦車Mk.I:制式名称。愛称はマチルダ(後にマチルダとなった)