巡航戦車Mk.VIII クロムウェル (A27M)

Cruiser Tank Mk.8 "Cromwell" (A27M)

英国陸軍 1943年

クロムウェル
クロムウェルIII (セントーIからの改修車)

下記写真はデアゴスティーニ社発行「隔週刊 コンバット・タンク・コレクション」付属の模型です(クリックで拡大(要Javascript))
クロムウェル
第39号(2013.12.03)
「クロムウェルMk.IV」1944年


 巡航戦車Mk.III以来搭載されてきたリバティーエンジンであったが、戦車の装甲が厚くなるにしたがって馬力不足の感が否めなくなってきた。そこで英軍では戦闘機エンジンとして勇名を馳せていたマーリンエンジンの車載用改良(スーパーチャージャーの撤去と回転数の適正化)を行い、ミーティアエンジンと名付け新型重巡航戦車に搭載する事にしたのである。
 同エンジンを搭載する予定の車体(A27M)はクルセイダーキャバリアの流れを汲むものであった。しかし生産能力の問題や、エンジン製造会社の縄張り争いなどでミーティアの搭載型車両の量産化着手は遅れ、繋ぎとして従前のリバティーエンジンを搭載したセントー(A27L)が作られるに至っている(このA27に付随するLやMと言った記号は搭載エンジンの頭文字である)。
 1943年になってようやくミーティアエンジンを搭載した車両の量産が開始され、英国人の期待を受けクロムウェル(17世紀に共和制を勝ち取った将軍クロムウェルの名から取ったもので、英軍では待望の新型戦車のためにこの名前の使用を保留していた)と名付けられた車両は大戦後半の英軍主力戦車として各戦線で活躍しており、リバティーエンジンを搭載して暫定的に生産されていたセントーも後にミーティアエンジンへ換装され、クロムウェルとして戦線へ送り出されている。
 各種改良により車体の信頼性はかなり向上したし、強力なミーティアエンジンにより最高速度も時速50〜60キロ(モデルにより異なる)と満足いくものになったが、搭載される砲は依然として6ポンド戦車砲であったため対戦車戦闘には能力不足であり、後に開発された17ポンド戦車砲を搭載するには砲塔が小型すぎたため、結局はドイツ戦車と対等に戦える戦車では無かった。
 その後、アメリカが6ポンド砲弾の製造供給を中止すると、ようやくクロムウェルにもシャーマン戦車と同じ75ミリ砲を装備するようになり、Mk.IVおよびMk.VにはQF75ミリ砲(75ミリ速射砲)が搭載された。

スペックデータ(巡航戦車Mk.VIIIクロムウェルI)
全長 6.35m全高 2.49m
全幅 2.91m重量27.9トン
最高速度54.0km/h行動距離280km
発動機ミーティア水冷V型12気筒ガソリンエンジン 600馬力×1基
乗員数5名総生産数3,000両
武装6ポンド(57mm)戦車砲×1、ベサ7.92mm機銃×2
最大装甲厚(上面)8mm〜(前面)76mm
派生改良型 A27M:陸軍での開発名称
Cromwell I:初期生産型。機銃×2搭載
Cromwell II:幅広履帯を装備し、砲弾搭載量を増やすため車体機銃座を廃止した
Cromwell III:Centaur Iのエンジンをミーティアに換装した車両
Cromwell IV:Centaur IIIのエンジンをミーティアに換装した車両。75mm砲搭載
Cromwell Vw:75mm戦車砲搭載。車体を全溶接構造とされた後期生産型
Cromwell VI:95mm榴弾砲を装備した近接支援型
Cromwell VII:Cromwell IVに履帯幅拡大、増加装甲追加を施したモデル
Cromwell VIIw:Cromwell VwにVIIと同様の改良追加を施したモデル
Cromwell VIII:Cromwell VIにVIIと同様の改良追加を施したモデル
Cromwell CIRD:地雷処理用ローラーを装備したモデル。配備されなかった
Cromwell D:アップリケ増加装甲を装備したモデル。試作のみ
Cromwell OP:無線機器を装備した砲兵指揮車。主砲はダミーを搭載