巡航戦車Mk.V カビナンター (A13Mk.III)

Cruiser Tank Mk.5 "Covenanter" (A13Mk.3)

英国陸軍 1940年

巡航戦車Mk.V
巡航戦車Mk.V(A13Mk.III)の先行量産型

 1937年に英国陸軍が提示した中・重戦車の要求に基づいてA14戦車が設計されたが193 9年の要求変更や最高速度の不足などから制式採用に至らなかった。そこで従前のA13系巡航戦 車を軍要求に合うよう改良する事が決定し、LMS鉄道会社の手により開発が行われた。
 A13Mk.IIIと名付けられた改良型は、軍の要求であった『出来る限り車高を低くす ること』を念頭に 巡航戦車Mk.IVの部 品を最大限流用するよう考慮されていた。 巡航戦車Mk.IIIから Mk.IVへの変化は穏やかだったものの、この巡航戦車Mk.Vでは車高を低く するため機関や砲塔のデザインが一新されており外観は一変した。
 メドウス水平対向エンジンを搭載する事で車体高を押さえる事に成功したものの、搭載スペー スの関係からラジエーターと冷却用吸気口が車体前部に搭載される事になり、これが後に冷却不 足という問題を引き起こす事になった。
 機関の冷却不足という深刻な問題が解決できず故障が多発したため戦場へは出せなかった当車は 採用後も本国部隊での訓練任務に使用されているが、それでも1700両以上という大量生産が行 われたことは世界に先駆けて重工業化を果たしたイギリスの面目躍如であるとともに、大戦初期の 英国陸軍における戦車不足が深刻であった事を表していると言えよう。

スペックデータ(巡航戦車Mk.V)
全長 5.79m全高 2.24m
全幅 2.62m重量18.26トン
最高速度50.0km/h行動距離160km
発動機メドウス水冷水平対向12気筒ガソリンエンジン 300馬力×1基
乗員数4名総生産数1,771両
武装2ポンド(40mm)戦車砲×1、ベサ7.92mm機銃×1
最大装甲厚(上面)7mm〜(前面)40mm
派生改良型 A13Mk.III:陸軍での開発名称
巡航戦車Mk.V:後にCovenanter Iと呼ばれる。実戦には投入されなかった
巡航戦車Mk.V*:冷却系を改良したモデル。Covenanter IIとも呼ばれる
巡航戦車Mk.V**:車体後部に冷却吸気口を増設したモデル。Covenanter III
Covenanter IV:Mk.V**の冷却系を更に改良したモデル
Covenanter CS:主砲を76.2mm榴弾砲に換装した近接支援モデル。各モデル改修
Covenanter AMRA:地雷処理ローラーARMA Mk.Icを装備したモデル