巡航戦車Mk.I (A9)

Cruiser Tank Mk.1 (A9)

英国陸軍 1937年

巡航戦車Mk.I
巡航戦車Mk.I

 英国陸軍の中戦車Mk.IやMk.IIの後継として1920年代末に開発された A6試作車は中戦車Mk.IIIとして発展製作されるはずであったが、軍事費の大幅削減によ り試作車のみの製造に終わった。
 このA6系戦車の優れた点を取り入れ、機動性に優れた新型中戦車として1936年にビッカース社 が開発を開始したのが当車であり、開発段階では中戦車Mk.IVの名が与えられていたが、 英国陸軍の戦車区分変更に伴って最初の巡航戦車(歩兵直協が主任務の歩兵戦車とは異なり、高速性 を生かした偵察や強行突破・後方攪乱などを主任務とするのが巡航戦車である)として完成した。
 3個一組とした独特のボギー式転輪を持ち、動力旋回式砲塔を採用するなど最新技術が盛り込まれ ている一方で、操縦席両脇に機関銃座を設けるなどの旧態依然とした設計も混在しており、過渡期的 な戦車と言えよう。しかし採用されたサスペンションは高速走行には向かず、また搭載予定だったロ ールスロイスエンジンが使用できなかったため、市販のバスに使用されているAECエンジンを搭載 するなど、高速発揮を信条とする巡航戦車としていまいちの性能であったため、部隊配備されていた 期間は短かった。

スペックデータ(巡航戦車Mk.I
全長 5.87m全高 2.64m
全幅 2.54m重量13.00トン
最高速度40.2km/h行動距離240km
発動機AEC-A179水冷直列6気筒ガソリンエンジン 150馬力×1基
乗員数6名総生産数125両
武装2ポンド(40mm)戦車砲×1、ビッカース7.7mm機銃×3
最大装甲厚(上面)14mm〜(前面)16mm
派生改良型 A9:陸軍での開発名称。試作車はA9E1と呼ばれる
巡航戦車Mk.I:制式名称。部隊配備は1938年〜1941年と短かった
巡航戦車Mk.I CS:主砲を94mm榴弾砲に換装した近接支援モデル