M1ガーランド小銃

M1 GARAND Semi-Automatic Rifle

アメリカ陸軍 1936年

M1 GARAND
M1ガーランド小銃

 スプリングフィールド造兵廠で働くジョン・ガーランドは数多くの銃器関係の発明をしており、半自動(自動装填式)小銃 関係の発明も複数行っている。彼が1932年にパテントを取ったガス圧利用式の半自動小銃(7mm口径)は同年米陸軍の審 査をクリアし採用の推薦を受けたものの、米陸軍のマッカーサー将軍が従前からの.30−06弾に固執したため、即時採用 とはならなかった。そのためガーランドは.30−06弾薬を使用できるよう改修を行い、1936年にM1ライフルの名称 でようやく制式採用となったのである。
 ガス圧利用式のピストンオペレーテッド・ロータリーボルトと典型的な自動銃の動作方式であるが、当銃の面白いところは その装弾方式にあると言える。ボルトアクション式小銃と同様機関部上部から装弾するのであるが、弾薬のみを押し込むので はなく、クリップごと機関部に押し込み8発射ち尽くすとクリップが自動的に排出される仕組みになっている。これにより装 弾時間は短縮できたが、8発射ち尽くすまでは途中で弾薬の補充ができないことやクリップの排出音で敵に弾薬が切れたこと を知られてしまうおそれがあるといった欠点が指摘されている。(戦闘中にクリップ排出音を聞き取れるかどうか微妙な部分 はある。また退役自衛官の方から、実際の使用現場ではクリップ排出前でもボルトを開き上部から1発ずつ給弾していたとの メールを頂きました。運用面でのカバーとして設計仕様で想定されていなかった途中給弾を行っていたのか、実際に途中給弾 可能な仕様として設計されていたのかは不明です)
 第二次大戦の勃発により当小銃の生産は急ピッチで進められ、大戦終結までに全部隊の小銃が当小銃に置き換わりを完了し ていることは工業大国米国の面目躍如であろう。
 1950年代まで生産が続けられた当小銃だったが、NATO制式弾薬として7.62mm×51弾が制定されるに至り、米 軍制式小銃がM14に更新されたため、随時退役していった。また、戦後余剰品となった中古銃には日本をはじめとした同盟 国へ供与品として送られていった物も多数ある。

スペックデータ(M1ガーランド)
全長 110.3cm銃身長 61.0cm
装弾数 8発(クリップ式)重量 4,320g
使用弾 .30−06実包(7.62mm×63)
作動方式 ガス圧動作ピストンオペレーテッド
初速 855m/sec最大射程 不明
派生型等 M1:米国初の半自動式制式小銃。1950年代まで主力として使用された
M1C:照準眼鏡を装備した狙撃銃モデル
M1D:M1C同様の狙撃銃モデル。若干の小改修が施された
M1 Tanker:銃床を切りつめた試作銃。戦車搭乗兵向け。制式化されず
M1s:基本的にはM1小銃と変化ないが、輸出専用モデル