M1/M2カービン

M1/M2 Carbine

アメリカ陸軍 1940年

M1 Carbine
M1カービン(15発箱形弾倉装備)

 1930年代末、アメリカ陸軍は後方支援部隊が使用する銃の開発を要求した。これは小銃ではかさばって邪魔になり 拳銃では威力が不足するという理由から小銃と拳銃(短機関銃)の中間となる銃を要求したものでもあった。この開発経 緯は後に突撃銃というカテゴリを作り出す事になる、ドイツのStG44やソビエトの AK47などと同じコンセプトであった。
 アメリカ陸軍では数社の銃器メーカーに試作品を製作させ、トライアルを行った結果ウィンチェスター社の提出した試 作銃を採用することにしたのである。ウィンチェスター社の開発した銃はガス圧利用式・ロータリーボルトと典型的な自 動装填方式だったが、全長が短く発射時の跳ね上がりが激しかったため量産型では全自動(フルオート)射撃機能は廃止 されている。
 1940年にM1カービンの名で採用された当銃は非常に取り回しやすく、小銃よりも扱いやすい銃として後方支援部 隊のみならず、前線の歩兵部隊指揮官(小隊指揮官である下級士官など)の自衛用武器としてや空挺部隊用の装備として 配備が行われ、終戦までに600万丁以上が生産されている。
 当銃の最大の特徴は使用する弾薬で、ドイツやソビエトが拳銃弾と小銃弾の中間弾薬を製作するにあたって小銃弾の縮 小型を選定したのと逆に、アメリカでは拳銃弾の拡大型として弾薬開発を行っている。当銃用に開発された銃弾はリボル バー用実包を長く引き延ばしたような形状をした.30カービン弾と呼ばれるもので、威力的にも.45口径拳銃弾と. 30−06弾薬の中間程度であった。
 第二次大戦中に全自動発射機能を付加したM2カービンも製作されたが少数の生産に終わり、大戦中はほとんど使用さ れず朝鮮戦争で若干数が使用されたに留まった。また朝鮮戦争では当銃の使用弾薬が厚着をした敵兵に対して殺傷効果を 持たないことが判明し、極低温下での信頼性低下とともに当銃の評判を下げる結果となってしまった。

スペックデータ(M1カービン)
全長 90.4cm銃身長 45.8cm
装弾数 15発or30発(箱形弾倉)重量 2,360g
使用弾 .30カービン弾(.30 M1 Carbine)
作動方式 ガス圧動作ピストンオペレーテッド
初速 600m/sec最大射程 不明
派生型等 M1 Carbine:半自動式の短小銃。大量に生産され各種部隊へ配備された
M1A1 Carbine:折り畳み式銃床、拳銃型グリップを備えた空挺部隊向けモデル
M2 Carbine:M1 Carbineに全自動射撃能力を付加したモデル。生産数は少ない
M3 Carbine:T3とも呼ばれる試作銃。夜間暗視装置の実験銃だったが制式採用されず