エンフィールドNo.1/No.2拳銃

Enfield No.1/2 Revolver Pistol

英国陸軍 1920年代

Enfield No.2
エンフィールドNo.2Mk1*拳銃

 英国陸軍は保守的な考えを持っており使用兵器の近代化に消極的であったことは既に No.1Mk3小銃の項で述べたが、 将校や砲兵などの自衛用として支給される拳銃についても同様の事が言え、各国の軍用拳銃が自動拳 銃へと移り変わっていく中で、英国陸軍だけは旧態依然とした回転輪胴(リボルバー)式拳銃にこだ わり続けた。
 1887年に英国の拳銃メーカーであるウェブリー&スコット社が開発した中折れ式リボルバーを Mk1拳銃として採用したのが英国陸軍制式拳銃の始まりであるが、第二次大戦直前になって使用さ れていた拳銃も、この50年以上前に採用された拳銃からさほど進化したものでは無かった。
 1920年代にウェブリー&スコット社が設計した中折れ式拳銃をロンドン郊外のエンフィールド ・ロックにある王立小火器製造所で改良を加えた拳銃がエンフィールドNo.1として採用された。 民間向け製品よりも構造が強化されており、耐久性が高く強い弾薬の使用が可能となっている。後に ハンマー(撃鉄)の指をかける部分を削ったNo.1Mk1*へ改良された。これは指 をかける部分が服などに引っかかり誤ってハンマーを起こしてしまわないようにする安全対策のため であった。この改良モデルではハンマーを指で起こせなくなったためダブルアクション(引き金を引 くことで輪胴の回転と撃鉄起こしを同時に行う仕組み)でしか発射できなくなったのだが、この銃は 非常に引き金が重く作られており発射に際してはかなり強い力が必要であったと言われている。
 1930年代になって拳銃不足から導入された米国製拳銃 (S&Wビクトリー・モデル)と の弾薬互換性を考慮したNo.2Mk1へ生産ラインは移っていき、1957年まで英陸軍制式拳銃 の座に納まっていたのである。

スペックデータ(エンフィールドNo.2Mk1)
全長 26.0cm銃身長 12.7cm
装弾数 6発重量 780g
使用弾 .38インチ口径 Mk1またはMk2ブリティッシュ拳銃弾 弾頭重量約10g
作動方式 中折れ輪胴(リボルバー)式 シングル/ダブルアクション
初速 180m/sec最大射程不明
派生型等 Enfield No.1Mk1:.455インチ口径の弾薬(.455British)を使用する初期型
Enfield No.1Mk1*:撃鉄の指をかける部分を削った改良型。ダブルアクション専用
Enfield No.2Mk1:口径を.38インチに変更したもの。S&W社製弾薬(俗に言う.38special)も使用可能
Enfield No.2Mk1*:No.1Mk1*同様に撃鉄を削ったモデル。トリガープルが若干軽減された