三式中戦車(チヌ)

Type3 Medium Tank (TINU)

日本陸軍 1944年

三式中戦車
三式中戦車

 日本陸軍が初めて対戦車戦闘を念頭に置いて開発した中型戦車。車体は 九七式中戦車一式中戦車の 流れを汲む物(九七式中戦車シリーズの最終形態と考えても良い)であるが、主砲は九〇式野砲を対戦 車砲化した三式7.5センチ戦車砲が搭載されている。
 九〇式野砲を搭載した車両としては他に 一式砲戦車(一式7.5cm自走砲)が存在 するが、一式砲戦車とは異なり砲口制退機が装着されている。また砲が大型化したため砲塔自体も大き くなったが、日本戦車の特徴であった砲塔後部の機銃搭載は廃止され、替わりに弾薬ラックが装備され るようになった(このため弾薬搬入用として砲塔後部にもハッチが装備された)。車体や搭載エンジン は一式中戦車とほぼ同等の物であるため、重量が増加した分だけ機動性は若干低下している。
 三式戦車砲は徹甲弾を使用する事により約600メートルの距離で米陸軍の制式戦車である M4シャーマンの正面装甲が打ち抜けると されており、日本戦車として初めて正面から砲戦が挑める車両として期待されていたが、量産に着手で きたのは昭和19年(1944年)になってからのことで、しかも完成した車両も本土決戦に備えて温 存されたため、実戦に参加する機会は無かった。

スペックデータ(三式中戦車)
全長5.73m全高2.61m
全幅2.33m重量18.8トン
最高速度39km/h行動距離210km
発動機統制型一〇〇式空冷V型12気筒ディーゼル 240馬力×1基
乗員数5名総生産数約160両(60両説もある)
武装三式7.5cm戦車砲×1、九七式7.7mm車載重機×1
最大装甲厚(上面)8mm〜(前面)50mm
派生改良型 チヌ:三式中戦車生産型。車体は一式中戦車ベース