一式75mm自走砲(ホニ

Type1 75mm Self-Propelled Howitzer (HONI-1)

日本陸軍 1943年

一式75mm自走砲
一式75mm自走砲

 通常陸軍部隊の火力支援として使用される火砲は馬や牽引車などに牽引されて移動するが、これでは 戦車やトラックなどの機械化部隊に追随して行動する事が難しかったため、各国とも装甲車両の車体に 大型火砲を搭載した自走砲を製作している。この一式75mm自走砲は日本陸軍が戦車部隊の支援用として 開発したもので、 九七式中戦車の車体に日本陸軍の主力野 砲である九〇式75ミリ野砲を搭載した車両である。
 車体自体は九七式中戦車と変更点は無いが、車体前面の7.7ミリ機銃は撤去され追加装甲を溶接す ることで防御力の強化が図られている。搭載される75ミリ砲は牽引式の野砲から台車部分を外したも のであるが、砲口のマズルブレーキ(砲口制退機)を廃止し砲尾栓が小型化されるなどの改良が加えら れている。使用する砲弾は野砲と全く同じ物で榴弾・徹甲弾が発射可能であった。なお砲塔は上部・後 部装甲が無いオープントップ式防盾で旋回もしない型であった。
 一式の名が示すとおり制式採用は昭和16年(1941年、皇紀2601年)であるが、量産が開始されたのは昭和1 8年(1943年)に入ってからで、この時期になるとヨーロッパなどでは75ミリ程度の砲を搭載した戦車は一 般的になっていた。しかし小口径砲ばかりが主流を占めていた日本戦車では破格の大型砲搭載車であり、 連合軍戦車に唯一有効な打撃を与えられる車両として期待されていたものの、生産数が少なく戦線へ輸 送中に失われた車両も多かったため有効に活用されたとは言い難い。

スペックデータ(一式75ミリ自走砲)
全長5.56m全高2.39m
全幅2.33m重量15.9トン
最高速度38km/h行動距離300km
発動機九七式水冷V型12気筒ディーゼル 170馬力×1基
乗員数5名総生産数約250両
武装九〇式75mm野砲×1(車載用に改造)
最大装甲厚(側面)12mm〜(前面)50mm、上面は装甲なし
派生改良型 ホニI:生産型。別名一式砲戦車とも呼ばれる