九五式軽戦車(ハ号)

Type95 Light Tank (HA-go)

日本陸軍 1935年

九五式軽戦車
水際を進む九五式軽戦車

 遅ればせながら日本陸軍にもモータリゼーションの波が押し寄せ、1930年代初頭には機械化兵団 構想に基づき各師団へ装輪自動車が配備されるようになってきていた。しかし初の国産制式戦車であっ た八九式中戦車は最高速度が25キロ/時と 低速だったため、自動車と連携しての行動に支障があった。
 そこで陸軍では車体の軽量化を図り、機動性と速度を高めた新型戦車の開発を昭和8年(1933年) に開始、翌年この軽戦車を完成させた。
 1935年(皇紀2595年)採用のため九五式軽戦車と名付けられた当戦車は、 九四式軽装甲車で採用されたリ ンクアーム式サスペンション方式が用いられており、エンジンは八九式中戦車乙型と同様の120馬力 ディーゼルエンジンが搭載された。砲塔が小型化されたため搭載砲は37ミリと小さくなったが、日本 戦車の特徴である『かんざし式砲塔』(砲塔の前後に砲や機銃を装備したもの。側面から見ると砲塔が かんざしに串刺しされたように見えるためこの名が付いた)であり、また車体本体にも機銃座を装備す るなど戦車としての体裁は整っていた。
 中国戦線ではその高速を生かしての敵陣突破作戦などに大きな威力を発揮したほか、太平洋戦争では 小型である特長を生かし南方離島などへ運ばれ、離島防衛などにも使用されている。
 日本陸軍の最高傑作戦車との呼び名も高い当戦車であるが、逆に最初から完成されていたため後継車 両の開発が遅れ、終戦まで第一線で戦い続ける事になってしまったのは不幸な事であった。

スペックデータ(九五式軽戦車)
全長4.30m全高2.28m
全幅2.07m重量7.4トン
最高速度40km/h行動距離250km
発動機三菱水冷直列6気筒ディーゼル 120馬力×1基
乗員数3名総生産数約1,500両
武装九四式(または九八式)37mm戦車砲×1、九七式7.7mm車載重機×2
最大装甲厚(上面)6mm〜(前面)12mm
派生改良型 ハ号:生産型。砲塔は中心線上ではなく車体左よりにオフセットされている
北満型:不整地走行性能強化型。北満州方面へ投入予定だったためこの名がある。試作のみ
ケリ:三式軽戦車。砲を九七式57mm戦車砲に換装したモデル。試作のみ