43Mズリーニィ(突撃)自走砲

Assault Howitzer 43M
43M "Zrinyi"


ハンガリー陸軍 1943年

Zrinyi
短砲身105mm砲を装備するズリーニィII

 第二次大戦においてドイツの同盟国として参戦したハンガリーは、東部戦線でドイツ軍が保有する 突撃砲の活躍に刺激され自国でも同様の車両を開発することにした。同クラス車体サイズの全周旋回 式砲塔を持つ戦車よりも大口径砲が搭載でき、製造コストも安いことから慢性的な戦車不足に悩むハ ンガリーとしては喉から手が出るほど欲しい車両であったのだろう。
 ハンガリー軍の主力戦車であるトゥーランの 車台を利用して1942年から開発が開始、開発にあたったのは トルディ軽戦車やトゥーラン中戦車を 開発したマンフレッド・ヴァイス社であった。105mm榴弾砲と長砲身75mm対戦車砲を搭載する2モデルが 計画されたが、先に完成したのは105mm榴弾砲を装備したズリーニィIIであった。試作車は42年末に完 成し、まだ審査中である翌年1月に量産発注が行われている(制式採用は43年5月であった)。
 大口径砲を搭載するには車台幅が狭かったため、若干シャーシ幅が拡大されており、車体側面にはドイ ツ戦車を模倣したシュルツェン(防楯)が装備された車両もあった。
 しかし搭載榴弾砲は分離装薬式(砲弾と発射火薬が別々になっているもの。通常の牽引砲はこのタイプ が多いが、対戦車自走砲などは薬莢式が主流である)だったため発射速度が遅く、対戦車戦闘にも不向き であった。対戦車戦闘向きである75mm砲搭載モデルも完成が急がれたが、資材不足から75mm砲の量産が不 可能であるとの結論が出たため、75mm砲搭載のズリーニィは試作のみに終わった。

スペックデータ(ズリーニィII)
全長 5.45m全高 1.90m
全幅 2.72m重量21.5トン
最高速度43km/h行動距離220km
発動機マンフレッド・ヴァイス V8H 液冷V型8気筒ガソリンエンジン 260馬力×1基
乗員数4名総生産数170両
武装40M 105mm榴弾砲×1
最大装甲厚(上面)13mm〜(前面)75mm
派生改良型 Zrinyi I:長砲身75mm対戦車砲を搭載した対戦車戦闘モデル。試作のみ
Zrinyi II:105mm榴弾砲を搭載した突撃榴弾砲