突撃臼砲ティーガー(シュツルムティーガー)

Assault Rocket Mortar "Tiger"
38cm Sturmmörser "SturmTiger"


ドイツ陸軍 1944年

SturmTiger
突撃臼砲ティーガー

下記写真はデアゴスティーニ社発行「隔週刊 コンバット・タンク・コレクション」付属の模型です(クリックで拡大(要Javascript))
シュツルムティーガー
第32号(2013.08.27)
「シュツルムティーガー」1945年


 ドイツ海軍が沿岸防御のためラインメタル社にて開発中だった38センチロケット砲の自走化を要求したのが当車両開発の契機となった。1943年8月に陸軍はこの自走臼砲を管理下に置き(このような縄張り争いは各国軍とも大なり小なり持っているが、日本やドイツは特に縄張り意識が激しかったと言われる)、アルケット社へ開発を指示した。
 38センチという大口径のロケット推進弾を撃ち出す臼砲は巨大だったため、搭載できる車台はティーガー重戦車のものに限定されてしまったが、すぐに設計案は完成した。設計案を見たヒトラーはこの重突撃砲とも言える車両の生産着手を命令したが、機甲総監グデーリアン将軍はただでさえ貴重なティーガー重戦車の車台を、用法も確立されず効果も不明な自走臼砲に使用することについて真っ向から反対した。この反対意見にはヒトラーも同意し、自走臼砲は新造の車台を流用するのではなく修理のため前線から引き上げてきたティーガー重戦車を改造することに決定した。
 突撃砲のような固定戦闘室を持った試作車は同年10月に完成しヒトラーに提示されているが、グデーリアンに気をつかったのか量産着手は翌年4月となり、戦線から引き上げられたティーガーの車台を利用して細々と改造が行われている。
 ロケット弾を使用するため発射時の衝撃は少なく、砲の衝撃緩和装置を考慮する必要はないものの、推進薬を含む砲弾が巨大な物(重量約350キログラム)だったため戦闘室上部には砲弾搭載時に使用する折り畳み式のクレーンが装備されていた(車内に携行できる弾数は14発だった)。このロケット弾の最大射程は弾種にもよるが約五千メートル前後となっている。
 改造が完了した車両はごく少数であったが、数両単位で装甲突撃臼砲中隊(実際に編成された中隊は3個)を編成し、ドイツ本国防衛戦に投入され主に西部戦線で米英軍と対峙している。1発のロケット弾で3両のシャーマン戦車を撃破するなど強力な破壊力を示したが、大きすぎる車重から移動速度は遅く連合軍の航空攻撃には弱かったほか、故障も多く戦場で放棄された車両も少なくない。
 なお、当突撃臼砲の制式名称は「突撃臼砲ティーガー」であるが通常はシュツルムティーガーと略されて呼称されている(シュツルム:Sturm、突撃の意)。

スペックデータ(突撃臼砲ティーガー)
全長 6.28m全高 2.85m
全幅 3.57m重量65.0トン
最高速度40km/h行動距離120km
発動機マイバッハHL230P45 水冷V型12気筒ガソリンエンジン 700馬力×1基
乗員数5名総生産数18両
武装StuM RW61 38cmロケット砲×1、MG34 7.92mm機銃×1
最大装甲厚(上面)25mm〜(前面)150mm
派生改良型 StuM Tiger:TigerIの車台を利用した重自走臼砲。ごく少数が製作された