V号戦車 パンター

Heavy Medium Tank V "Panther"
Panzerkampfwagen V "Panther"


ドイツ陸軍 1942年

Pzkpfw5
V号戦車A型

下記写真はデアゴスティーニ社発行「隔週刊 コンバット・タンク・コレクション」付属の模型です(クリックで拡大(要Javascript))
パンター
第16号(2013.01.15)
「パンターA型」1944年
パンター
第52号(2014.06.10)
「パンターA型」1944年
ベルゲパンター
第91号(2015.12.08)
「ベルゲパンターA型」1944年


 対ソビエト戦に突入したドイツ陸軍は、避弾径始が高く防御制に優れ強力な砲と軽快な機動力を持つT−34中戦車に苦しめられることとなった。戦線からの報告を聞いたヒトラーはT−34の利点を取り込んだ30トンクラスの類似戦車開発を命じた。MAN社とダイムラーベンツ社が車台の開発を受け持ち、砲を含む砲塔はラインメタルボルジヒ社が受注した。
 ヒトラーが直感による選定を行ったため計画段階ではダイムラーベンツ社案が選ばれていたが、設計書が完成するとMAN社案の方が優れているとして生産命令に混乱が生じた。ダイムラーベンツも仮契約として200両の生産準備を整えていたが、結局複数の車台を生産する効率の悪さを嫌ったためMAN社案一本に生産は絞られてしまっている。
 1942年末から量産が開始され、翌年夏に予定されている夏季攻勢に向けて完成した車両から次々と部隊配備が行われていたが、最初に生産されたD型には欠陥があったため43年4月に配備は停止され、すでに配備済みの車両も回収され工場で大改修が行われている(急な量産がたたり、部品などに不備が多く夏季攻勢緒戦では非常に稼働率が低かった)。
 長砲身7.5センチ砲とトーションバー式サスペンションを備えた挟み込み式転輪を装備した当戦車は、T−34の利点を取り込んだ(T−34より二周りは大きかったが)だけあって、それまでのドイツ戦車とは異なった印象を与えるシルエットを持ち、対戦車戦闘能力に優れ防御力も高かったのでドイツ陸軍の主力戦車として終戦まで君臨した。
 なお当戦車には「パンター(英語ではパンサー:豹の意)」という公式名称が付けられているが、ドイツ軍主力戦車として公式に番号以外の名称が付いているのは当戦車とVI号戦車(ティーガー)だけである。

スペックデータ(V号戦車G型)
全長 8.86m全高 2.98m
全幅 3.40m重量45.5トン
最高速度45km/h行動距離200km
発動機マイバッハHL230P30 水冷V型12気筒ガソリンエンジン 700馬力×1基
乗員数5名総生産数5,976両
武装KwK42 7.5cm戦車砲×1、MG34 7.92mm機銃×2
最大装甲厚(上面)16mm〜(前面)110mm
派生改良型 各タイプの【Ausf】はドイツ語「Ausführung」の略で、日本語では「型式・型」と訳します
Ausf D:初期量産型。欠陥のため欠陥改修されるまで稼働率は低かった
Ausf A:D型の改良型。新型キューポラ装備、走行装置強化、ボールマウント式機銃架
Ausf G:最多生産モデル。側面装甲強化、操縦士用展望孔を廃止
Ausf F:前面面積減少のための小型砲塔を装備したモデル。試作のみ
PzBefWg 7.5cmKwK42:無線装備を充実させた指揮戦車。主砲はそのまま搭載されている
PzBeobWg Panther:砲兵用観測戦車。主砲はダミーに置き換わり、ダミー砲身横に機銃が装備された
PzBergeWg Panther:車台を利用した戦車回収車。上部構造物は木製の箱形となった
PzKpfw Panther II:超重装甲を施した後継型。計画のみ
突撃砲や車台利用の自走砲などについては別項を参照のこと