III号戦車

Medium Tank III
Panzerkampfwagen III


ドイツ陸軍 1937年

PzKpfw3
III号戦車D型

下記写真はデアゴスティーニ社発行「隔週刊 コンバット・タンク・コレクション」付属の模型です(クリックで拡大(要Javascript))
III号戦車
第17号(2013.01.29)
「III号戦車G型」1941年
III号戦車
第81号(2015.07.21)
「III号戦車N型」1942年


 1935年、将来の主力戦車として開発が開始された車両。ダイムラーベンツ、ヘンシェル、クルップ、MANの4社により試作車が提出されダイムラーベンツ案が採用となった。
 対戦車戦闘を主眼においた車両で、秘匿名称Zugführerwagen(ツーグフューラーワーゲン:小隊長車両)と呼ばれており、1937年5月に最初のシリーズであるA型が完成した。
 A型ではコイルスプリングにより各転輪を支えていたが、このスプリングは能力不足であったため続くB型以降はリーフスプリング式に改められている。また初期の生産型は3.7センチ戦車砲を主砲としていたが、ソビエト軍戦車に歯が立たなかったため多くの車両は長砲身5センチ戦車砲へ換装された。
 第二次大戦が始まった1939年時点ではIII号戦車の生産数はまだ100両に満たず、主力戦車としてまとまった数が戦場へ投入できるようになったのは1941年の対ソビエト戦以降であった。しかし強力な防御装甲を持つソビエト戦車には歯が立たず、強力な砲を搭載しようにも車体サイズの関係から余裕がなかったため、元は歩兵支援戦車だが車体サイズに余裕のあったIV号戦車に主力戦車の座を譲ることになってしまった。
 なおドイツ軍の中・重戦車全体に言えることだが、各国の同クラス戦車に比べ定員が1名多い。これはドイツ軍の方針として車長を独立した職種として搭乗させているため(他国は砲手や無線手を兼ねている場合が多い)で、雑多な仕事から解放された車長は的確な指揮を行うことができたのでドイツ軍戦車は強かったのだとも言われている。

スペックデータ(III号戦車G型)
全長 5.41m全高 2.44m
全幅 2.95m重量20.3トン
最高速度40km/h行動距離165km
発動機マイバッハHL120TRM 水冷V型12気筒ガソリンエンジン 300馬力×1基
乗員数5名総生産数6,000両以上
武装KwK38 5cm戦車砲×1、MG34 7.92mm機銃×2
最大装甲厚(上面)12mm〜(前面)37mm
派生改良型 各タイプの【Ausf】はドイツ語「Ausführung」の略で、日本語では「型式・型」と訳します
Ausf A:最初の生産型。コイルスプリング式転輪(片側5列)を装備。40年初頭に部隊から引き上げられた
Ausf B:板バネ式転輪(片側8列)に変更したモデル。能力不足のためポーランド戦以降は第二線級となった
Ausf C:各転輪が独立式となったモデル。他はB型と同じ
Ausf D:C型のサスペンション強化型。装甲も強化された他、新型キューポラを採用
Ausf E:最初の量産型。トーションバー式サスペンション(転輪片側6列)を採用、出力強化
Ausf F:E型とほぼ変わらないが、砲塔換気装置や煙幕発生装置などが改良された
Ausf G:装甲強化型。砲塔形状も変更され、後期生産型からはキューポラも変更
Ausf H:新型砲塔と増加装甲を採用、変速機や起動輪も新型となった
Ausf J(SdKfz141):基本装甲厚を50mmに強化したモデル。車体前部の機銃架が球形となった
Ausf J(SdKfz141/1):ヒトラーの命令により60口径5cm砲に換装されたJ型
Ausf K:PzBefWg Kとも呼ばれる。長砲身5cm砲を装備した指揮戦車。フレームアンテナは廃止
Ausf L:砲塔正面装甲を強化、側面にスペースドアーマーを採用したモデル
Ausf M:L型に深徒渉装置(水中を走行できるよう密閉した吸排気機構)を装備した
Ausf N:L型車台に短砲身7.5cm砲を装備したモデル
ArtPzBeobWg:III号戦車を改装した砲兵用観測戦車。主砲はダミーに換装
Fl Pz III:主砲を火炎放射器に変更した火炎放射戦車。車台はM型ベース
Minenräumpanzer III:車高を上げたIII号戦車車台を利用した地雷処理車両。試作のみ
MunPz III:旧式III号戦車を改造した弾薬運搬車
PiKpfw III:砲塔を撤去し機材用架台を装備した工兵用戦車
PzBefWg D1:D型にダミー主砲とフレームアンテナを装備した指揮戦車
PzBefWg E:PzBefWg D1と同様の車両だが、こちらはE型がベース
PzBefWg H:PzBefWg D1と同様の車両だが、こちらはH型がベース
PzBefWg 5cmKwK:主砲をダミーとせず搭載したままとした指揮戦車。J型がベース
PzBergeWg III:砲塔を撤去し組立式クレーンを装備した戦車回収車
Schachtellaufwerk:大型千鳥式配列転輪を装備した試作車。試作のみ
Tauchpanzer III:吸排気用ホースを付けた潜水戦車。F、G、H型を改装
突撃砲や車台利用の自走砲などについては別項を参照のこと