駆逐戦車ヤークトティーガー

Heavy Tank Destroyer "Tiger"
Panzerjäager "JägdTiger"


ドイツ陸軍 1944年

PzJag Tiger
米軍の航空機攻撃により撃破された第512重戦車大隊所属のヤークトティーガー

下記写真はデアゴスティーニ社発行「隔週刊 コンバット・タンク・コレクション」付属の模型です(クリックで拡大(要Javascript))
ヤークトティーガー
第38号(2013.11.19)
「ヤークトティーガー」1945年
ヤークトティーガー
第101号(2016.04.26)
「ヤークトティーガー」1945年


 1943年初頭、前線からの「三千メートルの距離で敵戦車を撃破可能な自走砲を!」という要求に従って開発が開始された駆逐戦車。ティーガーの改良型だが実際はパンターの拡大版とも言えるティーガーII重戦車と並行して開発が進められた。
 開発中だった超重戦車マウスに搭載される予定のものと同じ、55口径12.8センチ砲という巨大な砲をティーガー戦車の車台に搭載するよう検討され、開発方針としてはティーガーIIと共通化し、エンジンと変速機はパンターのものを使用、装甲厚はティーガーIIに準じるというものだったが、実際にはティーガーと部品は共通化されたものの車台自体は新設計のものとなった。車台はヘンシェル社とポルシェ社の二社が試作したが、ポルシェ社の車台は初期の先行型11両に使用されたのみで、残りはヘンシェル社製の車台となっている。
 1943年10月に木製実物大模型が完成、12月から量産に入る予定だったが製造工場であるニーベルンゲンベルケ社がIV号戦車の生産に追われていたため量産化着手は翌年2月からとなっている。当初計画では同年10月までに150両を生産して生産終了とする予定だったのだが、戦況の悪化から生産ペースは遅く、終戦までに100両弱(77両とも82両とも言われている。近年の説では85両説が優勢)が完成したに過ぎない。
 車重が大きすぎるため機動力に難があり、また駆動系の故障が多発したのはティーガーIIと同様だったが、搭載する12.8センチ砲の威力は絶大で、二千百メートルの距離でパーシング重戦車の正面装甲を打ち抜けるだけの性能があり、正面装甲も分厚かったため、待ち伏せして敵戦車の射程外からの砲撃を行う戦法ならば無敵とも言える状態だった。
 当戦車はアルデンヌ攻勢に若干数が投入された他は、すべて大戦末期のドイツ防衛戦に使用されており、レマーゲン橋頭堡戦などで活躍したものの絶対数が少なく戦況を覆すには至らず、連合軍の航空攻撃により撃破されてしまった。

スペックデータ(ヤークトティーガー)
全長10.65m全高 2.95m
全幅 3.63m重量70.0トン
最高速度38km/h行動距離170km
発動機マイバッハHL230P30 水冷V型12気筒ガソリンエンジン 700馬力×1基
乗員数6名総生産数100両以下
武装PaK44 12.8cm戦車砲×1、MG34 7.92mm機銃×2
最大装甲厚(上面)40mm〜(前面)250mm
派生改良型 PzJäg Tiger:重駆逐戦車。車台は二種類あるが形式(SdKfz186)は区別されていない
SdKfz185:8.8cm戦車砲KwK43を搭載した試作型。4両のみ製造。