駆逐戦車ヤークトパンター

Heavy Tank Destroyer "Panther"
Panzerjäager "JägdPanther"


ドイツ陸軍 1944年

Pzjag Panther
第654(重)戦車駆逐大隊所属のヤークトパンター(初期型)

下記写真はデアゴスティーニ社発行「隔週刊 コンバット・タンク・コレクション」付属の模型です(クリックで拡大(要Javascript))
ヤークトパンター
第9号(2012.10.09)
「ヤークトパンター」1944年
ヤークトパンター
第78号(2015.06.09)
「ヤークトパンター」1945年


 突撃砲と同じ低い車高を持つ車台に長砲身の対戦車砲を搭載することで、軽装甲だった対戦車自走砲に代わる『駆逐戦車』というジャンルを生み出したドイツ陸軍では、各種戦車の車台を利用してあらゆるタイプの駆逐戦車を開発した。軽戦車の車台を利用したヘッツアーや中戦車の車台を利用したIV号駆逐戦車などが代表すべき車両であるが、攻撃力・機動力・防御力のバランスに優れたV号戦車パンターをベースにした駆逐戦車がこのヤークトパンター(ヤークト:Jägd、狩猟・狩りの意)である。
 1942年10月にパンターの車台へ71口径88ミリ対戦車砲を搭載した重駆逐戦車の開発命令が出され、1年後の43年10月に実物大木製模型がヒトラーへ提示された。この駆逐戦車を非常に気に入ったヒトラーは最優先で試作車の製作を指示、12月には試作1号車が完成している。搭載された長砲身砲はケーニヒス・ティーガーフェルディナンドなどに搭載されたものと同型で、二千メートルの距離で132ミリの装甲を貫通することができた。これは当時存在するどのような戦車でもアウトレンジ(敵の射程外)から撃破できる強力なものであった。
 翌44年1月から量産が開始されているが、パンター戦車自体がドイツ軍機甲部隊の主力戦車として貴重な存在だったため、駆逐戦車へ回せる車台の量が限られており、45年3月に生産がうち切られるまでに392両が完成したに過ぎない。いくつかの戦車駆逐大隊に配備となった当戦車が大量に投入された(唯一の)作戦は44年末のアルデンヌ攻勢であった。

スペックデータ(ヤークトパンター)
全長 9.90m全高 2.72m
全幅 3.42m重量46.0トン
最高速度46km/h行動距離160km
発動機マイバッハHL230P30 水冷V型12気筒ガソリンエンジン 700馬力×1基
乗員数5名総生産数392両(415両説もある)
武装Pak43/3 8.8cm対戦車砲×1、MG34 7.92mm機銃×1
最大装甲厚(上面)25mm〜(前面)100mm
派生改良型 PzJäg Panther:パンター戦車の車台を利用した駆逐戦車。派生型は無い