IV号駆逐戦車

Tank Destroyer IV
Jagdpanzer IV


ドイツ陸軍 1943年

PzJag IV
48口径7.5cm砲であるPaK39を搭載する初期のIV号駆逐戦車

下記写真はデアゴスティーニ社発行「隔週刊 コンバット・タンク・コレクション」付属の模型です(クリックで拡大(要Javascript))
IV号駆逐戦車
第36号(2013.10.22)
「IV号駆逐戦車/70(V)」1945年


 強力になる連合軍戦車に対抗するためIII号突撃砲の搭載砲を長砲身化してきたドイツ軍であったが、III号突撃砲をさらに発展させ、シンプルで生産性の高い新型突撃砲の開発命令が 1942年9月にフォマーグ社に対して出された。当時フォマーグ社ではIV号戦車の生産を行っていたため、新型突撃砲の車台はIV号戦車のものを使用することにした。
 主砲はIII号突撃砲の末期モデルであるF/8型やG型に搭載されている48口径7.5センチ砲と同型のPak39を装備していたが、パンターへ搭載するため開発中だった 70口径7.5センチKwK42も搭載できるよう戦闘室は設計されていた。当初製作された木製実物大模型ではIV号戦車と同型の車台形状をしていたが1943年10月に示された軟鋼製試作車では避弾径始を高めた傾斜装甲板に覆われており、懸架装置も新型のものとなっていた(先行量産型はこの車台を使用していた)。
 1944年1月から量産型の生産が開始されているが、この量産型はIV号戦車H型またはJ型の車台を利用しており、先行量産型では曲面を描いていた戦闘室前面装甲の継ぎ目が廃止されるなどさらに生産性が高められている。同年中にはJ型の車台を利用した長砲身型も完成、IV号駆逐戦車ラング(V)(Lang:長いという意。(V)はフォマーグ社製であることを示す。後にIV号駆逐戦車/70(V)と改称された)として、並行生産されたが44年末からは長砲身型に生産は絞られていった。また長砲身型はアルケット社でも生産が行われており、こちらはIV号駆逐戦車/70(A)と呼ばれている。アルケット社製の車台は標準のIV号戦車のものをそのまま流用していたため、戦闘室前面の傾斜が途中で裁ち切られたような形状となっているのが特徴である。
 III号突撃砲に代替する目的で生産されたものの戦況の悪化から量産ペースが遅く、終戦までに約二千両が完成したに留まっており、完全にIV号駆逐戦車へ更新することはできなかった。
 アルデンヌ攻勢で大量投入されて以降、優れた防御装甲と高威力の長砲身砲により防御戦闘では非常に活躍をしたものの、戦車の代替として投入された機動戦では、車体バランスの悪さや固定砲であるための射界の狭さから大きな損害を被っている。

スペックデータ(IV号駆逐戦車/70(V))
全長 8.50m全高 1.85m
全幅 3.17m重量25.8トン
最高速度35km/h行動距離210km
発動機マイバッハHL120TRM 水冷V型12気筒ガソリンエンジン 300馬力×1基
乗員数4名総生産数1,977両
武装PaK42 7.5cm対戦車砲×1、MG34 7.92mm機銃×1
最大装甲厚(上面)10mm〜(前面)80mm
派生改良型 PzJag IV:最初の量産型。48口径砲を搭載
PzJag IV/70(V):フォマーグ製長砲身型。70口径砲を搭載
PzJag IV/70(A):アルケット製長砲身型。70(V)とは若干形状が異なる