対戦車自走砲マルダーII

7.5cm Self-Peopelled Gun "Marten II"
7.5cm PaK40 auf Fahrgestell PzKpfw II(Sf) "Marder II"


ドイツ陸軍 1942年

Marder2
マルダーII(制式名称は「II号戦車車台搭載7.5cmPaK40対戦車砲(自走式)」)

 小口径対戦車砲では装甲の厚いイギリス歩兵戦車やソビエト戦車などに効果がないことを悟った ドイツ軍は開戦後に中口径対戦車砲の開発を開始、完成した7.5cm口径のPaK40対戦車砲はドイツ軍 の主力対戦車砲として牽引式・自走砲ともに活躍することになった。この II号戦車車台を利用した対戦車自 走砲「マルダーII(この名称は非公式な愛称である)」はこのPaK40を搭載した初の対戦車自走砲と して開発された車両である。
 大戦初期の段階で既に第一線級の戦力とは言い難かったII号戦車は1942年の段階でも月産5 0両のペースで生産が続けられていた。そこで同年5月にII号戦車の車台にPaK40を搭載した対戦車 自走砲を開発することが決定、6月にはII号戦車の生産量のうち半分をこの対戦車自走砲へ転用する ことが決定した(後に75%、可能であれば全車台を転用する方針に転換した)。
 生産はアルケット社が戦闘室部分を、ラインメタルボルジヒ社が砲を製造してII号戦車を生産し ていたFAMO社で最終組み立てが行われた。42年末からはダイムラーベンツ社とMAN社も生産に 加わったが43年6月に生産中断となった(これは車台を自走榴弾砲ヴェスペ(自走榴弾砲 Wespeの 項を参照)用に振り向けたためである。生産中断というものの以降新規生産が再開されることは無か った)。新規生産が中断した後は修理のため前線から引き上げた各種II号戦車を当自走砲に改修する 作業が続けられている。
 オープントップ式の戦闘室に砲架ごと砲を搭載したシンプルな構造ながら、トラベリングクランプ (走行時に砲身が揺れるのを防ぐロック機構。上の写真で言えば車体前部に設置された砲身を支える 棒状のもの)や機械室上部の木製弾薬庫(ここに37発の弾薬を搭載できた)などにより機動性・単独 行動性は高くなっている。

スペックデータ(マルダーII対戦車自走砲)
全長 6.36m全高 2.20m
全幅 2.28m重量10.8トン
最高速度40km/h行動距離190km
発動機マイバッハHL62TR 水冷直列6気筒ガソリンエンジン 140馬力×1基
乗員数3名総生産数新規576両+改装75両
武装PaK40/2 7.5cm対戦車砲×1、MG34 7.92mm機銃×1
最大装甲厚(上面)なし〜(前面)35mm
派生改良型 Marder II:II号戦車F型の車台を利用した対戦車自走砲。他の型を改造したモデルもある